drops 7





日曜日。制服に着替えて学校に向かった。

結局学校で待ち合わせである。

日曜も普段から家に居ない親なので、まあ、そうだろうとは思っていたが...

昨日の試合は見に行った。

ルールとか相変わらずちんぷんかんぷんで、何故審判が笛を吹くのか分からないが、面白い試合だったとは思う。

今日も盛り上がる試合になるだろうと昨日のスタンドではそんな会話がされていた。

だから見に行きたかったと言うのに...

腕時計を見ると試合が始まった時間だ。

そわそわしている自分に気付いては苦笑した。すっかり虜になってしまっている。

「全く、困ったものね...」

苦笑しながら思わず呟く。

」と名前を呼ばれて顔を上げた。

いつぶりだろうか、親の顔をこうしてみるなんて。

家の中ですれ違うことはあってもこうやって顔をじっくり見ることなんて殆ど無い。

ある意味、家庭崩壊状態だ。

時間は丁度。

さすがに、仕事人だけあって、時間に遅れることはない。

もその点、心配しておらず、寧ろどうやっていつもぴったりなのか知りたいと思っているくらいだ。

電車じゃあるまいし、時刻表でもあるのだろうか。


懇談の会場とされている自分の教室へ親を案内し、担任と話をする。

暫く進路について話をしていたところで「、ちょっと席を外して」と親に言われた。

何故...?

またしても嫌な予感が胸の中に広がる。

「わたしがいたら不都合な話なの?」

「今はね」

否定されなかった。

「じゃあ、先に帰ってる」

がそういうと

「ええ、その方がいいわ。先生も、娘への話はもうよろしいでしょうか?」

と言い、担任も頷いた。

「失礼しました」と教室を出て腕時計を確認する。

もしかしたら試合終了までに間に合うかもしれない。

はスカートを翻してバス停に向かって走り出した。


会場の体育館の外でワァ!という歓声が漏れて聞こえた。

時計を見た。もしかしたら、今、試合が終わったのかもしれない。

は駆けて体育館の中に入る。入り口に居るはずの受付係が居ない。

試合が終わったからか、後半のある程度になったら居なくなるシステムなのかわからなかったが、とにかく、体育館の中に入ってみた。

電光掲示板に表示されている数字を見て「あ...」と声が漏れる。

仙道のチームは負けてしまったらしい。

「そっか...」

周囲の観客が興奮気味に先ほどまで展開されていた試合について熱く語っていた。これから表彰式で、ベスト5というのが選ばれるらしい。

その予想込みでの会話だ。

聞けば聞くほどなんで今日の試合を見に来なかったのだろうかと悔やまれる。

何せ、本当に熱戦だったらしい。

今では彼らが何を食べて此処まで大きくなったかと言うことへの興味は無くなり、プレイを楽しめるようになったと言うのに...

先ほどの、学校での懇談だって何の意味があったのかさっぱり分からないまま終わったのだ。

「放っておくなら、とことん放っておいてよ...」

憤りを抱えたままは会場を後にした。

会場を出る寸前、ベスト5というのが発表されていて「仙道彰」という名前を呼ぶアナウンスが聞こえた。

その瞬間だけ、の頬が緩んだ。









桜風
11.8.17


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