| 「昼飯行こうぜー」 昼休憩になると藤真は花形のクラスに来て花形とをつれて食堂に向かう。 最初は抵抗を示していただったが、藤真の強引さに逆らう気になれなかったのか最近は食堂に大人しく連行されるようになった。 「マネージャーは入ったの?」 サンドイッチを食べながらが問う。 食堂に行くといっても、彼女は結局購買でパンを買うのだ。 「いーや、オレの魅力は眩しいらしい」 「藤真って寝ながらご飯食べられるんだね」 が言うと 「真実を口にしているだけだ!」 と藤真が返す。 「たまに、藤真ってバカだよな」 と高野が言うと 「何だとー!」 と藤真が抗議する。 大抵こんな会話だ。 そんな3人を見ながら花形は苦笑を漏らす。 「よし、わかった!オレの名案を聞け」 藤真が突然言う。 「却下」 とが返した。 「待て、オレは何も言っていない」 「嫌な予感しかしない。だから、却下!」 「なるほど、火星人に誘拐されたら第六感が鋭くなるんだな」 「つまり、藤真はの『悪い予感』は認めるんだな」 と花形が突っ込むと藤真が押し黙る。 「よし、花形くん。畳み掛けて!」 コーヒー牛乳をグッと掴んでが言う。紙パックだからそんなに強く握っては中身が飛び出すぞと周囲が気を揉む。 の言葉に「え?」と驚いた花形の隙をついて 「、お前マネージャーになれ」 と藤真が言う。いつの間にか彼女を名前で呼び捨てだ。 「却下」 と間髪入れずにが返した。 「お前、同学年をスカウトするなよ」 さすがの高野も呆れた口調だ。 「居ないよりは居るほうが良い」 「藤真くん、超失礼」 が抗議の声を上げた。 「よし、わかった。まず、情報を整理しよう」 藤真が提案した。 整理しようがしまいが却下は却下だ。 がそう言おうとすると 「何故却下だ?」と聞かれた。 「はい?」 「このオレと一緒にいられるんだぞ?」 藤真の言葉には暫く沈黙し、そして花形を見上げた。 「お宅のキャプテン、どこをどうしたらあんな勘違いな人になれるの?」 「俺に聞かないでくれ」 俺だって驚いているんだ、と花形は心の中で応じる。 は溜息をひとつ吐いた。 「マネージャーって、選手のタオルだとかユニフォームだとか色々洗ったりするんでしょう?」 「否定はしない」 長谷川が言う。 「汗臭いじゃん」 と、は一言。 沈黙が降りる。 「お、お前!汗は青春の輝く結晶なんだぞ!」 藤真が立ち上がって訴える。 「遠くから見たら素敵かもしれないけど、それに接したいとは思わない」 「花形、お前のクラスメイト酷いぞ!!」 何でも藤真も自分に訴えるんだろう... 「なくはない反応だろう」 「あと、体力勝負とかそういうのパス。こう見えてか弱いもので」 とが補足する。 「ま、ウチのマネージャーとなればどう考えても体力勝負だな」 「というわけで。他所当たって」 それが話の終わりだといわんばかりにはコーヒー牛乳をズズッと吸った。 飲み終わったパックをそのままゴミ箱に向かって放る。 綺麗な弧を描いてそれはゴミ箱の中に入っていった。 |
桜風
11.11.16
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