晴れたらいいね 6





結局マネージャー問題は解決することなく、インターハイ予選が始まった。

昨年インターハイに出場している翔陽高校バスケ部はシードなので、決勝リーグ前にやっと登場となる。

「そんなルールだったんだ?」

「大抵の大会ってそういうもんだろう?」

「スポーツ全般そんなに興味ない。てか、ウチの学校そんなに強かったんだ?」

が言うと花形は苦笑した。

「一応、去年は全校集会とかで全国出場の話は出たんだがな」

と言う。

「去年の今頃は火星に居たから」

がそう応じる。

「そうだったのか?」

「あたしが火星に行ってたの、知らなかったでしょう?あたしもそこそこ有名だと思ってたのに。要は、興味がなければ有名も無名ってことよ」

なるほど、と花形は頷く。


大会の前には中間テストと言うものがあった。

はダントツのトップ。

彼女曰く「1学期の中間は2度目だしね」だそうだ。

「今年の全国は何処なの?」

「広島だ」

「ふーん、何が名産?」

「さあ?」

特に興味は持っていない。

「じゃあ、全国決まったら声をかけてね」

が言うと花形は苦笑した。

「土産を催促しようって魂胆なら応援に来いよ」

言われてはポンと手を打つ。

「それもそうね。クラスメイトが出るんだったら1回くらい応援しておかないと。日程と会場を教えてね」

が言うと「わかった」と花形が頷いた。



翔陽の試合があった翌日、は正門から校内の雰囲気がちょっとおかしいと首傾げる。

「おはよ」と先に教室に居た花形に声をかける。

「ああ、おはよう」

「ごめん、昨日用事で会場に行けなかったんだけど。そして、学校の様子が何だか変な気がするんだけど」

応援に行くと約束しておきながら行けなかったことを謝罪したは花形にそういった。

「あー、まあ。たぶん、昨日の試合の結果だろうな」と言われた。

「まさか、大番狂わせ?」

聞きにくそうにが言うと「そうだな」と花形は頷く。

「あたし、一度も応援してないんだけど?!」

これは悪いことをしたな、とが思っていると

「そんなに朗報だ」

と花形が言う。

「はい?」

聞き返したの声は頓狂だった。

「引退しないから、俺ら」

「『俺ら』って誰?花形くんと、たぶん藤真くんもだね。あとは...」

「3年全員」

「マジで?!」

受験とか、というか、もうこの先残っているのは受験しかないが、大丈夫だろうか。

他人事なのに少し心配してしまう。

「マジ。本当だ」

スッキリした表情の花形を見ては微笑む。

「そっか。じゃあ、いいね」

「何がだ?」

「あたしにも応援に行くチャンスってもんがあるんでしょう?え、大会あるんだよね?」

「あるから引退しないんだよ」

苦笑して返す花形に「そうだよね」と彼女も笑う。

「次の全国はどこ?」

「東京」

「もっと地方に出ようよ。お土産を期待できるような場所にしてよ」

「そこら辺は大会主催者に訴えてくれ」

の言葉に花形がつれなく返す。

「まあ、いいけど。東京銘菓って..人形焼?」

「まずは予選があるんだけどな」

気が早いな、と花形が言う。

「どうせ全国目指すんでしょ?だったら、あたしもそれに照準合わせてお土産を考えるのが礼儀ってもんでしょう?」

どんな礼儀だ、と思いながら「そうだな」と花形は苦笑しつつ返した。









桜風
11.11.23


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