| 高野くんの後ろには透と藤真くん。 「ちゃーん!」 と言いながらの隣に座る高野くん。 「昭一!」 と言って肩を寄せる。 ...だからさ、ウザいとか思うわけよ。 「悪いけど、寄ってくれるか?」 そう言って藤真くんが私の隣にやってきた。 取り敢えず窓際に寄って、私の隣に藤真くん。その隣に透。 店員に注文を済ませた後、透が呆れたように 「。部活の後でよくそんな甘ったるいの食べれるな」 と言う。 「男子部みたいに厳しくないからね。そういう余裕はあるのよ」 そう言って苺を口に運ぶ。 うわ、幸せ... 「って、花形君が居なかったらどうやって他の人とコミュニケーション取るのかね?」 突然がそう言う。 「へ?どういうコト??」 知らない高野くんが私に聞く。 声掛けないで... 「男性恐怖症なのよ、って」 「うわ、初耳。え、花形は平気なの?」 聞かれて「うん」と頷く。 怖いから話しかけないで... 「2人はお母さんのおなかの中に居たときからの幼馴染なんだって。だから、お父さん以外で平気なのって花形君しか居ないらしいよ」 が代わりに答えてくれる。 「んじゃ、ウチじゃなくて女子高行けば良かったじゃんか」 皆そう言うんだよね... 「そうよ!うわ、昭一凄い賢い!!ねえ、何で翔陽にしたの?」 「女子高って、生徒が全員女子って言うだけでしょう?」 「あ。男の先生も居るね」 「その先生と、どうやってコミュニケーションを取れと?」 「そっかー。さすがに女子高に花形君は無理だもんね」 「流石の俺でも、行けないな」 の言葉に笑いながら透が頷く。 「原因は?」 高野くんがそう聞く。 「え...」 聴かれた瞬間幼稚園のときの出来事を思い出す。 呼吸をするのがぎこちなくなって... 「それは聞くものじゃないだろう?」 さっきまで黙っていた藤真くんの声が私の甦ろうとしていた記憶を止めた。 「大丈夫か?」 透に声を掛けられて頷く。手に汗を掻いてるけど、まだ大丈夫。 「大丈夫...」 「失礼します」と、間がいいことに、店員さんがさっき注文したものを持ってきた。 それを境に私の男性恐怖症の話は終わった。 「それ美味しい?」 突然藤真くんが話しかけてきた。ビクン、と肩が震えてしまう。 「ごめん」 失礼だったかと謝ると藤真くんは笑いながら手を振る。 「いいって。で、それ美味しいの?」 と同じことを繰り返して聞く。 「うん」 「一口頂戴」 そんなことを言ってきた。 へ? 「高野、箸取って」 「箸でパフェ食うのか?」 そう笑いながら高野くんが藤真くんにテーブルに備え付けてある箸を渡した。 「サンキュ」 と言ってそれを受け取り、藤真くんの箸は私のパフェに... 「「あ!」」 二本の細い棒が私が大切に取っていた苺を攫っていく。 私は、私に助けを求めている苺を呆然と見送ってしまった。 「ああ、美味しいね」 「馬鹿、藤真君!」 「ちょ、出せ。いや、出されても困るけど...」 と透の声がやけに遠くに感じる。 私の視界がぼやけていく。もの凄く悲しい気分になりました。 お母さん。私は生まれて初めて、楽しみに取っていた苺を取られてしまいました... 隣に居る同じ委員会2年目の藤真くんに世の中の厳しさを教えてもらいました... 「な、何だ!?」 隣から聞こえる藤真くんの声。 「は、好きなものは最後まで取っておく派なの!」 「しかも、にとって苺は世界で一番好きなものだと物心ついたときから言ってたものなんだ」 「え!?、ごめん」 凄く凄くすまなそうに謝る藤真くんの声。 「大丈夫」 そう答えるも、 「泣きながら大丈夫といわれて安心するやつがいると思うのか?」 と言いながら透がハンカチを渡してくる。 「もー、仕方ない子だねぇ」 とテーブルに備え付けてあるナプキンを数枚とって私に渡してくれる。 御迷惑をおかけします... |
桜風
08.1.9
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