| 今日は珍しく両親が居ない。 母は高校の同級生と温泉旅行。父は病院に泊まるとか。 そういうワケで、が泊りに来る。 インターホンが鳴ってドアを開けるとが居る。 「上がってー」 そう言って家の中に招き入れた。 「おっじゃましまーす!」 そう言っては家に上がって迷わず私の部屋へと向かった。 別にが泊りに来ることを両親が良く思っていないと言うわけじゃないけど、両親が居ると夜更かしをし辛い。 今日は思う存分、夜更かしが出来る。 2人で夕飯を作って美味しく頂き、お風呂に入る。 に先を譲って私がお風呂から出ると何故かが私の携帯で電話していた。 「!?」 「ああ、出てきた」 そう言って私に「花形君」と言いながら携帯を差し出す。そして、自分の携帯の着信に応えるべく、携帯を開いていた。 「...何?」 「驚いたぞ、が出ると思っていたのにが出たんだからな」 「だろうね」そう言って笑う。「で、何?」とさっきの言葉を繰り返す。 「もし良かったらうちに来て勉強見てくれないか?」 「透の?」 「いや、藤真の」 ん?何で?? 「居るの?」 そんな会話の途中、が浮かれて勉強道具を抱えて踊っている。 「...もしかして、高野くんも御一緒ですか?」 「ご明察」 深い溜息を吐いて、「了解」と返事をして荷物を整えた。 行き慣れているお宅のインターホンを鳴らす。 「悪いな」と出てきたのは藤真くん。 「いいよ」と返事をして花形家へと入った。 「うわ、こっちも広い...」 が家の中をキョロキョロと観察する。 「ちゃーん!」「昭一!!」 もういい加減見慣れた光景に溜息を吐いて部屋の中を見回す。スタメンが部屋に揃っていた。 いくら透の部屋が広くても、コレだけの長身集団が集まれば何だか狭く感じてしまう。 うわぁ、ちょっと頑張れるかな?? 「大丈夫か?」と透が小さく声を掛けてくる。 「頑張る。ダメだったら帰るよ」 「ああ、それで構わない」 そんな会話をして、部屋の中央においてあるテーブルへと向かった。 そういえば、バスケ部スタメンで理系って藤真くんだけだって聞いたけど。 「無謀だ...」と思わず呟いた。 「は?」 永野くんに聞き返されて首を横に振った。「そうか...」と呟いて永野くんは参考書に目を落とした。 あの練習量と練習時間で、理系ってどうなの!? 「じゃあ、先生。よろしくお願いします」 と藤真くんが正座で座って頭を下げる。 「どこ?」 「とりあえず、ここと、ここ」と言いながら参考書の問題をシャーペンで抑える。 ...ああ、はいはい。 少し考えて説明を始める。 一通り説明をして 「じゃあ、此処の応用問題。解いてね」 そう言って自分の勉強に取り掛かる。 けど、このテーブル狭い... 「透、こっち借りるよ」 「おう」 透の学習机につく。 きれいに整頓されている机の上に教科書と参考書を広げて問題を解いていく。 不意に視界に何かが入ってきて顔を上げるとアイスコーヒー。 「少し休もう」 見上げると藤真くん。 「うん」と返事をして伸びをする。振り返ると、撃沈した永野くんと長谷川くん。 「そういえば、門限大丈夫か?」 と透に聞かれた。 「え、隣の家でも門限が有るのか!?」 驚いた藤真くんに聞かれる。 「へえ、の家は門限が有るんだ?すげーなー」と高野くん。 「でも、今日は御両親が不在だから大丈夫なんだよねー?」と。 「うん。透の家は?おばさんたちは?お姉ちゃんは見ないことが多いけど」 「両親は旅行だと。姉貴は今日は帰らないって言ったから、彼氏とかのところじゃないか?」 透のお姉さんは派手だし、モテるし。透もそういうのに慣れたように言うなー... 「ねえ、花形君は文系よね?」 とが確認する。 「ああ」 「は、理系」 「うん」 「大学どうするの!?」 心底驚いたように言われた。 「どうって...?」 「もう花形君と一緒に居られないってことでしょう?コミュニケーションは??」 「何とかなるんじゃない?」 そう答えるとブンブンと手を振って 「無理無理!ちゃんと克服しないと、あたしみたいなステキな恋が出来ないぞ!」 がそう言う。 「もう!ちゃんったら!!」 と高野くん。 君たち。いいから帰れ... 透も藤真くんも同じ表情をしていた。 「でも、大学で本当に見つかるのかね?」 空気を読まずに話を続ける。 「何が?」 「お婿さん」 「ああ、アレ。私的にはどうでもいいから放っておくつもり」 藤真くんと高野くんの視線が透に注がれる。 「は医者の娘なんだ。結構大きい病院を経営してるんだけどな。それで、婿養子を取って、病院を継がせようという話らしい。だからってワケじゃないだろうけど、は医学部志望だし、そこでついでに婿を見つけて来いって話らしいぞ」 「逆玉か!?」 と高野くん。 この話をすると、それを言われるからイヤだったりする。 「まあ、大学に入ったら嫌でもそんな話されるぞ」 と透に忠告された。 「ああ、そうでしょうねー...」 憮然としてそう言うと笑われた。 何故笑う!? 「そういえば、って私の携帯に電話を掛けるのに非通知じゃないよね?」 と確認してみる。 「うん、堂々と名乗ってるよ」 その返事を聞いて、透を見る。 「同じく」 じゃあ、いいや。 「どうしたの?」 「最近、非通知設定してる人が夜中だろうとお構いなしで無遠慮に掛けてくるから。もう着信拒否しようかなーって。顧問の先生に確認したけど、先生も非通知じゃないって言うし」 「それが最近の寝不足の原因か?」 透に聞かれる。 欠伸を噛み殺しながら、頷く。 「何で言ってくれないの?ストーカーとかだったら怖いじゃん!!」 「大丈夫でしょう」 「そうとは言えないだろう?」 と藤真くん。 「んー、でも、大丈夫」 携帯を弄って着信拒否を設定。これで快眠を得られれば良いけど... 何だか皆の視線が痛いけど、とりあえず一安心できたので私的にはオッケーです。 |
桜風
08.2.13
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