恋すてふ 2





部活が終了し、いつものシュート練習も終わらせて懐かしい通学路で自転車を漕ぐ。

1年前まで自分も毎日この道を通っていた。

多少風景が変わったのは自分が成長したからか。それとも普通に町並みが変わっているからか。



来客用駐輪場に自転車を置いて職員室に向かう。

「失礼します」

と扉を開けたら、まだ生徒も先生も思った以上に残っていた。

「お?神か。久しぶりだな、どうした?」

「ああ、いえ。今日ウチでここの生徒さんとぶつかったんですけど、その時生徒手帳を落としていったから。先生って結構抜き打ち検査してたでしょう?無いと困るだろうって思って」

そう言って神が笑う。

神に声を掛けてきたのは生徒指導の教師だった。

抜き打ち検査が好きなのはこの教師。

「ほう。じゃあ、さっそく明日抜き打ちでもしてやるか」

「先生。俺が持ってきたんだから、せめて明後日にしてあげてくださいよ」

そう言ってその教師に拾った生徒手帳を渡す。

「ん?か。アイツどうしたんだろうな。結果報告の電話も来んぞ」

「どういうことです?」

「ああ、は海南大附属を受けたんだ。しかも、そこ1本」

「滑り止め無しですか?え、それって推薦ですか?」

「いいや。一般だ。推薦だとこの時期に結果は来ないだろう?」

そういえば、そうだったような...


そんな話をしていると1人の女子生徒が職員室に入ってきた。

「おお、。今お前の話をしていたんだ。しかも、先輩が生徒手帳届けてくれたぞ」

そう言って声を掛ける。

神が振り返ると、彼女はこれでもかというくらい目を大きく開けて口をパクパク動かしていた。

「じ、神先輩!?」

「え、俺の名前知ってるの?」

「お前、意外と有名人だったからな」

側に居る教師が笑う。

「せ、生徒手帳!?」

先ほどの教師の言葉が今脳みそに届いたのか、反応する。

「あ。うん。さっきぶつかったときに落としたみたいだよ」

神がそう言っている間にはダッシュして教師の手の中の生徒手帳を取り上げた。

「じ、神先輩。中身は?」

「ああ。名前を確認しただけだよ。ほら、生徒手帳には好きな人の写真を挟んでいたりする人がいるからあまり見ないほうがいいだろうって思って」

そう言うと、の顔が真っ赤に染まる。

「あ、入れてたの?」

神がそう言うとは素早く生徒手帳をスカートのポケットに入れた。

これで誰も手を出せない。

「本当に、見てませんよね」

「見てないよ。でも、俺が見ても分からないだろう?」

神がそう言うと、

「で、でも。秘密なんです!!」

そう必死に言う彼女が少し可愛い。

「そっかー。そうそう。さっき先生に聞いたんだけど。さんは、ウチの学校1本だったんだってね。どうだったの?」

「あ。来年からも後輩になります。宜しくお願いします」

そう言って頭を下げる

「おめでとう!良かったね」

と神は声を掛けた。


は真っ赤になって「ありがとうございます」という言葉を辛うじて口にした。









桜風
07.5.7


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