| 翌日。自転車置き場に自転車を止めた神は自分のそれを観察する。 「あれ、神さん。おはようございます!」 偶々通りかかった清田が神を見つけて声を掛ける。 「おはよう」 「どうしたんスか?パンクですか??」 そう聞かれた神は 「いや。荷台をつけようかなと思って見てただけだよ」 と答えた。 たちの学区は海南大附属高校から少し距離がある。 まあ、が電車通学するくらいだから今更のことなのだが。 そう考えると、またを送る時は立っていると辛いのではないかと思った。 あの部活動の後だし、キツくて辞めるマネージャーが居るということは自分の知らないところの仕事量はハンパじゃないと思う。知っているところの仕事量も結構凄いし。 「え、神さん。彼女居るんスか?」 何を勘違いしたのか、清田がそう言う。 「いないよ」 「まったまたー。神さん、誰にも言いませんからこっそり教えてくださいよ」 「だから、居ないって」 いい加減しつこくて鬱陶しい。 適当にあしらって朝練に励んだ。 放課後の部活でも清田はしつこく神に聞いている。 「ね、神さん。俺の知ってる人ですか?」 「だから、居ないって言ってるだろう?」 溜息混じりに神が答える。 「楽しそうですね」 下の方から声がした。 顔を向けるとが居た。 からしてみれば清田が神にじゃれているように見えたらしい。 「楽しくないよ」 微笑んだままの神が率直に現在の心境を口にする。 「おい、。神さんに彼女が居るんだよ。なのに、教えてくれないんだよー。ケチだと思わねぇ?」 清田の言葉にの表情が消える。 いつも浮かべている笑みがなくなった。 が、それはほんの一瞬のことで 「もう!清田君。それは神先輩のプライバシーじゃない。そんなに詮索するものじゃないよ。それに、神先輩の彼女さんならきっと美人さんで大人っぽい人よ。 ホラ、いい加減しっかり練習をしないと牧先輩に怒られちゃうよ」 いつもの笑みを浮かべてがそう言い、練習を促す。 「ちえー」と言いながら清田も練習を再開した。 何だか空気が居心地悪く感じてしまう。 「ちゃん?」 「はい?」 の浮かべる笑顔に違和感を感じた。が、何処がどう違うかまでは分からない。 「ううん、何でもない。あ、さっきの信長の言ってたことって出鱈目だからね」 は微笑を浮かべて頷いた。 ホントにちゃんと納得してくれたのかな?と思いつつ神も練習を再開する。 それから数日。 の様子がおかしい。どこがどうおかしいのか具体的にはいえないけど、おかしい。 そんな違和感を抱きながらも、それが何なのか分からず何も出来ない神は少しだけ苛立ちを覚えていた。 |
桜風
07.5.15
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