| 海南大附属高校の定期テストは上位50名まで掲示される。 中間テストを終えてホールにそれらが貼り出され、多くの生徒がそれを見に来ていた。 「イエーイ!1位返り咲き!!」 牧を指差してそう言っている女子が居た。 「ああ、オメデトー。良かったな、」 「やっぱ、頂点に立ってると気持ちが良いわね。ああ、清々しい!!」 そう言って腰に手を当てて満足そうに笑っている。 「あれ、先輩。牧さんからトップ奪還したんですか?」 「そうなのー。神君は?」 「まあ、いつもどおりのところです」 16位に神の名前があった。神は大体あんなところ。 海南のレギュラーも皆この50位以内に入っている。 「神さーん!」 清田までやって来た。隣にはも居る。 清田はを置いて皆のことろに駆けて来てに見惚れる。 そして、 「あ!分かりましたよ、神さん!!」 自信満々の笑みを浮かべる。 「何が?」 「この人でしょう、神さんの彼女って」 その場に居た全員が水を打ったように静かになった。 絶対にありえない... 「あー、図星なんだ!、神さんの彼女はこの人だってよ」 「え、お姉ちゃんが?」 「何?何の話?」 話が見えないは周囲の友人たちに声を掛けるが、誰も答えてくれない。 「え、のお姉さんなのか?お前と全然似て無いな。お姉さんの方は背が高くて綺麗で大人っぽいなー」 感心したように信長がにいう。 「う、うん...」 が少し暗い声で頷く。今まで何度も姉と比較されてそう言われてきた。 逃げろ、清田!そいつの性格はサイアクだ。泣かされるぞ!! のことを良く知る3年の牧、高砂、武藤、宮益はそう思った。 「ははは。信長。俺だって命は惜しいよ。先輩と付き合うような命知らずじゃないって」 爽やかな笑顔で神がそう言う。 「あらぁ。酷い言われようね。試しに付き合ってみる?ま、神君みたいなひょろっこいジャリと付き合う時間なんて無いけどね。でも、ちょっとくらいならあたしの貴重な時間を割いてあげても良いわよ。 牧君、神君と付き合ってもいい?まあ、再起不能にして返してあげることになるだろうけど」 も笑顔で返す。但し、目は笑っていない... 「いや。それは困るから辞めてくれ。IH予選が近いんだ」 「ですって」 「だから、辞退してるじゃないですか。そんな恐ろしいこと、絶対にイヤです」 「え、違うんですか!?」 「信長。何度言ったら分かるんだ?俺は、彼女なんて居ない」 「そうなんですか?」 下の方から声がして視線を向けるとが見上げてきている。 「うん、居ないよ」 神は微笑んだ。 というか。やはり以前、『出鱈目だ』と言ったのに信じていなかったようだ。 「そういえば、お前たちも掲示板を見に来たんだろう?」 牧が話の方向修正を試みる。 「はい。でも、やっぱり人が多いですね」 そう言っては人の壁を見上げた。 「あ、の順位見たげるね」 これだけ人が居ればは自分の順位なんて見ることが出来ない。 掲示板の前にいた、長身集団がぞろぞろと1年の掲示に移動する。 「さ、高砂君。を探して」 今、この場に居る最も大きな人間にがそう言った。 「え、いいよ。お姉ちゃん。ごめんなさい、高砂先輩。気にしないでください」 「いや、大丈夫だ。えー、...」 真ん中辺りから後半に向かって歩いている高砂のベルトをが引っ張る。 「違う、そっちじゃない。一桁から探すのが礼儀でしょう!」 「あ、ああ。すまない」 そう言って一桁の方へと向かっていく。 「ああ、あったぞ」 「何位?」 「6位みたいだな」 「おっしい!右手じゃ足りなかったわね」 そう言ってが妹を見下ろす。 「うーん、今回ケアレスミスが多かったから仕方ないよ。次はもっと慎重に頑張るから」 そう言って照れ笑いを浮かべた。 「で、信長は?」 「あ。俺の名前ないっスよ」 自信満々に清田がそう言う。 「分からんだろう」 「いえ。全教科赤点ギリギリでしたから」 そう言ってピースサインを向けてくる。 成績優秀で通っていたバスケ部レギュラーの伝統も此処で終わりを迎えた。 その場に居た全員は溜息を吐く。 まあ、赤点を免れただけでも良しとしよう... |
桜風
07.5.16
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