恋すてふ 14




の涙も止まって目を冷やして映画館を出る。

「ごめんなさい...」

「いいんだよ。時間はあるって言ったでしょう?でも、ちゃんがヒューマン映画に弱いなんてね」

「すみません、大抵泣いちゃうんですよ。家の中ではもっと酷いんですけど。映画館なら我慢できるかなって思ってたんですけど...ホントにごめんなさい」

本当に済まなさそうに俯くに神が苦笑する。

「だから、気にしなくていいよ。さて、当初の目的は達したワケだけど。ちゃんは何処か行きたいところある?」

神に聞かれて少し悩む。

「神先輩は、今日もシュート練習をするんですか?」

突然の話題転換。

「うん、毎日するよ」

の質問にそう答える。

「じゃあ、体育館へ行きたいです」

「え!?」

「体育館へ行って、神先輩の練習を見たいです」

と言う。

何だって、折角の休日に自分のシュート練習に付き合いたいと言うのか...

「でも、それはいつでも見れるでしょう?」

神が言うと

「でも、買いたい物もないし。かといって行きたいところとか見たいものとか考えてたらそれが浮かんできて。というか、それ以外浮かばなくなったんです」

がそこまで言うなら、と神も了承した。

「じゃあ、とりあえずバッシュとか持っていかないとね。一度家に帰ろう」

「はい」


2人は自宅に向かって歩く。


「そういえば、ちゃんはまだバッシュ持ってる?」

「はい」

普段の部活動では、は体育館履きだし、試合のときもバッシュを履かない。もう持っていないのかと思ったがそうではないらしい。

「それならちゃんもバッシュ持っておいでよ」

神にそう言われて「分かりました」とが頷く。

「じゃあ、俺の自転車で一緒に行こうか」

神に言われて「はい」と返事をした。

「迎えに行くよ」

神に言われるが

「迎えに来てもらっちゃったら神先輩は遠回りになっちゃいますよ。5丁目のスーパーの前で待ち合わせしませんか?」

がそう言って別に迎えに行っても構わないのになぁと思いつつも神は了承する。



家に帰って荷物を整えて自転車で待ち合わせのスーパーへと向かった。

周囲を見渡したが、はまだ来ていないようだ。

自転車に跨ったままボーっと待っていた。

空を見上げると飛行機が青い空にまっすぐな白い雲を伸ばしている。



「神先輩!」

声がして振り返ればが居た。

「ごめんなさい、遅くなって」

「バッシュは?」

「持ってきてますよ」と言って自分のかばんを軽く叩いた。

「うん、じゃあ行こうか」

の荷物をカゴに入れて後ろに乗るように促す。

「お邪魔します」と言いながら荷台に座ってはおずおずと神の体に腕を回した。

「しっかり掴まっててよ」

そう言いながら自分の脈が速くなるのを感じて神は可笑しくなる。


いつもの通学路もと一緒なら何だか別の道のように見える。

少しスピードを出すとのTシャツを掴む手がギュッと握られる。

それが何だかくすぐったくて、学校に着くまで何回かそれを繰り返した。









桜風
07.5.24


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