What's love? 6





家に帰って駐輪場を覗いてみる。

自転車がある。

練習早く切り上げたんだなー、と思いながらエレベーターホールへと向かった。


自宅に帰る前にお隣のインターホンを押してみた。

ガチャリと鍵が開く音がしてドアを開けられた。

「どうした?」

「あー...あのさ、」と歯切れの悪いに首を傾げながら「入れば?」と促して自身も家の中へと戻っていく。

「あれ、おばちゃんは?」

「夜勤だってさっき出てったけど。用事か?」

「んーん、違う」

そう言いながら靴を脱いだ。

「楓って、今度の練習試合スタメン?」

そんなことを聞かれると思っていたなかったらしく、流川は驚いたように振り返ってをじっと見た。

「さあ?まだ発表なってないし。人数少ないからユニフォームは貰えそうだけど。何だよ、敵情視察かよ」

「んー、敵情視察って言うか...試合の日さ、楓には試合に出たら絶対に1本はシュート決めて欲しいと思っていたりいなかったり?」

変なことを言うなぁ、とを見ていると「わたしを助けると思って」と付け足した。

「どういうことだ?」

「や、恥ずかしいことだからまあ、詳しくは言いたくないんだけど。兎にも角にも。楓がウチのエースがコートに居るときにシュートを決めてほしいわけですよ」

「まあ、勝つつもりで行くからそりゃ頼まれなくてもするけど...」

「あ、それはそれでムカつく言いようだ」

笑いながらが言う。

彼女が『ウチ』というのは自分の通っている学校とは違う。それが、妙に落ち着かない。不思議なものだと思う。

「陵南って部員多いのか?」

「多いよー。ユニフォーム貰えない人、居るもん」

中学のときもそこそこ人数が多かった。

そのときとどちらが多かったかと聞いてみるとは陵南だという。

「ベンチに入れない部員でちょっとした応援団ができるもん」

「そりゃ確かに多いな。マネージャーは?」

「いるよ。先輩が2人。でも、2人とも3年生なんだよね」

「じゃあ、そいつらが引退したら一人で大所帯のマネージャーか」

そういえば、高校に入ってから部活の話なんて殆どしていなかったことを思い出す。

「ところで、この家はお客様にお茶を出さないのかね?」

そう言って催促するに深い溜息をついて「茶葉のある場所を知ってる奴は客とは言わねぇ」と返した。

「確かに」と呟いてはキッチンへと向かう。

かちゃかちゃと後方で食器の音がする中、流川は気にせずにテレビをつけた。

「宿題は?」というの言葉に「お袋か、お前は」と返しただけで返事をしない。


お茶を淹れて流川の元へと向かった。

「ほい、どーぞ」と渡し、自分はそのとなりに座る。

「楽しいテレビある?」

「そろそろ始まる」

そう言って始まったのはNBAの試合だった。

「けど、今から見たら宵っ張りじゃない」

「録画もしてるから眠くなったら寝る」

「...宿題は?」

「ない」

うそだ、と思いつつも後々困るのはこの流川楓で自分ではないため、は何も言わずにしばらく肩を並べて衛星放送のNBAの試合を観戦した。









桜風
10.3.24


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