| 翌朝藤真は何度目かの欠伸をかみ殺した。 昨晩、と別れてから体育館に向かうと、仙道を黙殺してシュート練習をしている神と黙殺されてもめげずに訴えている仙道の姿があった。 藤真の姿を見つけた神は心からの笑顔を藤真に向け、「仙道、藤真さんに話したらどうかな」と丸投げしてきたのだ。 自分の方が先輩だし、文句を言えず、トドメは仙道と同室だったとこともあって朝方まで仙道の懺悔を聞いていた。 殆どが、自慢だったような気がするが、気にしないことにした。 「おはようございます」とが声をかけてきた。 不思議そうに自分を見上げる。 ああ、この無防備さに仙道がやられちゃったのか... 「寝不足ですか?あ、昨日ご迷惑をおかけしちゃったから...」 「ちゃんは全く俺に迷惑をかけていないよ」と笑顔で返して「君がらみだけど」と心の中で付け足した。 しかし、恋わずらいってのは此処まで周囲に迷惑をかけるものだっただろうか... 「おはようございます」 欠伸交じりにそう声をかけてきたのは、朝方まで自分に迷惑をかけた他校の後輩だ。 その姿を見ては慌てて「失礼します」と去っていった。 振り返るとこの世の終わりだといわんばかりの仙道。 ...面倒くせぇ。 心から、神の判断は神にとって正しかったんだなぁと感心し、最も貧乏くじを引かされた自分の面倒見の良さが恨めしい。 普段なら花形に押し付けるのだが、此処では難しそうだ。 「おい」と練習前の時間に流川が仙道に声を掛ける。 「んー?何だよ」と仙道は眠そうな顔を流川に向けた。 「に何かしただろう」 傍で聞いてた神が聞き耳を立てる。 福田と話をしているのに器用なことである。 「え..い...いや。何も?!」 裏返った声で答えたら、そりゃ「何かしました」って白状しているようなもんだろう... 呆れ交じりの溜息をひとつ。 「ジンジン?」 「あ、ごめん」 訝しがる福田に謝罪をしてここにいては2人の会話が気になってしまうと思った神はちょっと場所を変えることにした。 「何年俺がアイツを見てると思ってんだよ」 「時間は関係ないだろう」 ムキになる仙道に流川は眉間に皺を寄せた。 体育館の隅にの姿を見つけて流川は足を向けた。 「」と声を掛けると「はあい?」と振り返る。 「何かあったか?」 流川の言葉にが首を傾げた。 「何か、とは?」 「アイツと何かあったろ」 そう言って少し離れたところにいる仙道を指差す。 途端にが固まった。 「何かされたのか?」 「な..なんで?!」 お前のその態度を見たら誰だってそう思うだろう... 流川が盛大な溜息を吐いたところで「ー!」と彩子がを呼んだ。 天の助け、とばかりには「じゃね」と駆けていった。 詳しいことは聞けず、それでもあの2人に何かあったことは確かで。 流川はそのストレスを発散するかのごとくその後の練習では鬼気迫るプレイとなっていた。 背景を知っている者たちは「あーあ」と思ったし、知らない者たちは驚きを隠せず、その流川のプレイを見ていた。 |
桜風
11.3.23
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