Sweet expression 2





バスケ部への差し入れは2週間に1度。

昔は1ヶ月に1度くらいだったらしいのだけど、あたしが高校に入ったときの部長の彼氏がバスケ部にいたらしく、その回数を増やしたとか。

職権乱用だ...


廊下を歩いていると目の前から大きな男の子がやってくる。と、言っても牧ほどじゃない。

ああ、あれは昨日見た...

「あ、ちわっス」

足を止めて元気いっぱいにお辞儀してくれた。

えーと、たしか。織田、じゃない

「清田、信長くん?」

「そうっス!知ってくれてたんスか!?」

うん、4月の頭に牧が「賑やかなのが入ってきた」って言ってたし、昨日も賑やかだったし、名前が古風だし。

と思ったけど

「そうだよ、だって有名だもん」

と色々と厚いオブラードに包んで頷いた。

「本当っスか?!」と彼は嬉しそうに拳を握りしめている。

「どうしたの、3年の校舎にやって来て」

「あ、牧さんに...」

そう言った。

「牧は同じクラスだから。一緒に行こうか?」

そう言うと「はい」と彼は頷いた。


教室に戻ると牧は眼鏡を掛けて雑誌を読んでいた。

「牧」

教室の入り口から声を掛ければ顔を上げて眼鏡を外す。

「お客さん。可愛い後輩が来てるよ」

手招きをしながら教室の中の牧に声を掛け「ちょっと待っててね」と清田くんに声を掛けてあたしは牧の後ろの自分の席へと戻った。

次の授業の準備をしながら教室の入り口を見ていると清田くんが牧に頭を下げていた。

何かしでかしたのかな??

清田くんって、こう言っては何だけど。落ち着きがなさそうだから...


予鈴が鳴って清田くんは走って教室に戻っていき、そして、牧もあたしの前に座った。

「清田くん、何て?」

「ん?まあ、相談事があるそうだから昼休憩時間くれってな」

「え、それだけなのに態々一番遠い3年の校舎までやって来たの?メールで済ませたらいいのに。携帯のアドレス交換してないの?」

「してるが。まあ、あれで律義者だからな。自分のお願いをメールで済ませようと思わなかったんだろう」

そう言いながら牧は机の上に次の授業、リーダーの教科書とノート、辞書を出していた。

、今日お前当たるぞ」

「うっそ!」黒板に書かれている今日の日付を見た。うわ、あたしの出席番号だ。

「当たったらノート貸して」

「じゃあ、今日マドレーヌな?」

意外と甘党な牧はあたしがこういうお願いをすると必ず何かを作らせる。家が近所だからその日のうちにお届けだ。

「あい」

返事をすると牧の肩が小さく揺れて笑っているのが分かる。

「菓子を作るのと、予習するのはどっちが楽なんだ?」

「お菓子作り」

間髪入れないあたしの返事を聞いて「なるほど」と牧は頷いた。


本鈴が鳴ってすぐにリーダーの先生が入ってくる。

牧の言ったとおりに当てられ、牧のノートのお世話になった。

...家に材料あったっけ?

一旦帰って確認しないとな...









桜風
08.12.10


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