Sweet heart 3





牧と約束したとおり、次の休憩時間に共に高頭先生を訪ねた。

高頭先生の英語研究室には神くんの姿もあった。

「あれ?先輩と牧さん。こんにちは」

そう言ってペコリと頭を下げる。

牧は「おう」と返事をしていた。

「こんにちは、神くん。もしかして呼び出し?」

笑いながら言うと

じゃないんだ」「じゃないんだ」

と高頭先生と牧の声がきれいにハモった。ステレオ放送だ。

神くんは驚いたように目を大きくして、やがて苦笑いを浮かべる。

「俺、今日は当番だから次の授業の準備があるから来るようにって言われてたので。先輩は?」

「ああ、うん」

牧を見上げると

「差し入れの件で高頭先生に話があるんだと」

「ん?どうした?」

高頭先生に促されてさっきの話をしてみた。

すると目を大きくして、そして噴出す。

「何だ。が初めてだぞ。今までそんな心配をしてくれた調理部の部長はいなかったな」

と笑う。

えーと。これは、失礼だと言われているのかな?常勝の、神奈川の王者海南がそんな2・3分くらいでって。


高頭先生が何考えてるのか分からなくて牧を見上げると苦笑い。

「あの、先生?」

声を掛けると

「いや、悪い。構わないぞ。前にも言ったと思うが、それを楽しみに頑張ってる選手も少なくないからな。いい刺激にもなっているようだし。な、神?」

神くんは突然話を振られて驚いたようだけど、いつもの穏やかな笑みを浮かべて「ええ、そうですね」と答える。

「じゃあ、いつもどおりお持ちしても支障は無いということですよね?」

確認すると

「それくらいで支障をきたす選手は使わないだけだ」

と高頭先生が言った。おお、凄い発言だ...

「分かりました」

じゃあ、牧のリクエストどおり冷菓でも作ろう。


「では、失礼します」

と言って研究室を後にしようとしたら、牧が振り返る。

「こら、待ってろ」

ああそうだ。牧も用事があって来たんだ。

「はいはい。廊下に居るわ」と返事をして廊下で待機していると神くんも出てきた。

その両手にはこれからの授業の資料と思しきプリントが大量に積んである。

「重そうだね」

「少し」

と言って神くんは苦笑いをする。

「もうひとりは?」

「女の子ですから」

そう答える神くんに感心してしまった。優しい!!

これが牧であたしと当番だったら普通につれて歩くだろうに。

ん?でも、荷物は持たせないかな??あれ?実は牧も優しい部類に入るのか!?

そんなことを考えていたけど「じゃあ、失礼します」という神くんの声で現実に戻り、慌てて「うん、またね」と返事をした。

「おう」

と頭の上から声がした。

「終わった?」

「ああ。早く教室に戻らんとな」

牧の言葉に被って予鈴が鳴る。

「次、何だっけ?」

「古文だ」

「うげ、サボりたーい!」

「堂々とそんなことを叫ぶな!」

賑やかに廊下を走っていたため、先生に怒られた。

ついでに、牧にも。

やっぱり優しくないなぁ...









桜風
09.4.15


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