| 「なあ、バスケして帰らないか?」 藤真が言うとは目を輝かせて「うん!」と言う。 「でも、どこで?」 ウキウキしていたが、ふと現実を思い出す。 「ああ、リングのある公園があるんだよ。ちょっと遠いんだけどな」 「うわ、ステキ情報!」 ちらりとの表情を盗み見て一瞬藤真の表情が柔らかくなったが、ハタと気が付いた。 「チョイ待て。にその場所を教えたら、テスト期間中だろうと何だろうとそこに行くよな?オレ、さんにめたくそに怒られるよな」 「怒らない、怒らない。怒られる確率ってそんなに高くないよ。そうだな..8割?」 「たけぇ!」 藤真が思わず突っ込んだ。 「えー...でも、もうわたしはバスケのこと以外考えられなくなったよ。責任取れー」 が真顔でそうやって訴えるものだから、藤真は本当に気になってしまって「あのさ、オレの興味本位の質問だから答えたくなかったらそう言ってくれよ」と前置いて「お前、今までのカレシと上手くいった?」と聞いてみた。 いや、だって気になるだろう。これだけバスケバスケって言ってるんだから... 藤真の問いにはさすがにも面食らってそして苦笑して首を振る。 「いやぁ、なんと言いますか。先に言ってるのよ、わたしはバスケがいちばんって。それなのに、ね?」 その先は藤真も良く分かる。 なるほどなー、と納得した。 「何でそんなことを聞いてきたの?」 心底不思議そうにが聞く。気分を害した様子は全く無い。 「いや、なんか。こう..さ。カレシがいたって言ってたけど、オレと出かけてるってことは、今は居ないんだろう?で、そのバスケ優先の性格でうまく行くことってあったのかなって思って」 藤真が正直に答えると「まあねー。大抵『お前が何考えてんのかわかんねぇ』って言われてお終い。分かりやすいとは思うんだけど」とは笑った。 爽やかに笑っているに対して藤真は苦笑する。 藤真も似たようなものだった。 告白の時まではアイドル的な考えだったのか『カッコ良ければいい』がいちばんだった。そして、付き合い始めたら『わたしが一番じゃなきゃいやだ』と来る。 面倒になってここ最近は全ての告白を断っている。高野に言わせてみたら「贅沢だ!」とのことだが、バスケが出来なくなることを考えたらそれ以外の選択肢は無い。 自分はバスケが一番だから、と答えると「それでいい」と言うが、今まで全部それで良かった例が無いのだ。 だから、相手がそれで良いと言っても自分はそこまで器用じゃないからとかワケの分からない理由をつけて断っている。 相手はなんだか納得したような出来ないような表情を浮かべるがその間に逃げるようにしてその場を去るのがパターンとなっている。逃げるように、というか全力で逃げている。 「藤真、モテるんでしょ?彼女は?」 「居たらさすがのオレでもを誘って休みの日に出掛けないって」 と苦笑すると「だよねー」とも笑った。 「ここだよ」 公園に着いて敷地に足を踏み入れた途端、隣を歩いていたが駆け出す。 「うわぁ!ホントだ!!遠いけど...テスト週間の土日とかなら来る価値あるじゃん!!」 嬉しそうにそう言って、リングを見上げた。 「あれ?でも、そういえばボールは?」 「オレの荷物、でかいと思わなかったか?」 そういいながら藤真が自分の持っていたバッグを開けた。 出てきたバスケットボールには目を輝かせる。 「先生!指導をお願いします!!」 最敬礼のに 「オレの練習が出来ないじゃん」 と藤真は苦笑した。 「人に教えるのは、最上級の練習かと思われます、将軍!...たぶん」 最敬礼のままそう返した。 「んじゃ、ついでだから1on1で」 「よっしゃ!」 藤真の提案に全く怯むことなくは臨戦態勢に入った。 神奈川県下No.2のバスケ部キャプテンに向かって、それだけ堂々と試合を挑めるのその神経の太さに藤真は感心する。 彼女が『中々やる』ならまだしも、1回戦敗退が常となっている学校のバスケ部に所属する『あんまりやれない女子高校生』だ。 でも、そんなの性格は藤真にとっては好ましいものだ。 「あれ...?」 ふと周囲を見たら随分と薄暗くなっている。 「どうりで、ボールが見えにくくなった訳だ」 藤真は苦笑して前髪をかき上げた。 汗だくの自分と。 周りが見えなくなるくらいバスケに熱中していたようだ。 でも、音を上げないな... 藤真は目の前でビックリして目を丸くしているに苦笑した。 「んじゃ、今日は帰るか」 「やっぱ屋外はこういうとき、不便だなー」 「てか、。意外と体力あるな」 汗だくで肩で息をしているけど、まだ立っている。まだまだ練習をするつもりがあるようだ。 「ははっ」とは笑って「まあ、これしかないから」と肩を竦める。 帰り支度を済ませて2人はその公園を後にした。 |
桜風
10.11.10
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