| 「わはは」と指差して笑うチームメイトに飛び蹴りを食らわせた藤真は、同じくケタケタと笑っているの頭を叩いた。 「いったーい!」と頭を擦りながら訴えるを黙殺して、藤真はチームメイト全員を睨んだ。 「お前らなー」 「男子校ならではの自由な発想ね。共学では中々出来ないわよ」 笑いを堪えながら、澄ましてがいう。 「そりゃ、どーも」と半眼になって藤真は応える。 「一般票も受け付けるって聞いたからさっき、藤真に票を入れてきたから」 とが言う。 「とりあえず、着替えてきたら?」 今の藤真は化粧は落としたが衣装は先ほどのミニスカートのままだった。ムカついたので、彼らにとび蹴りを食らわせるためだけに駆けて来たのだ。 「くそっ」と呟いて藤真は再び去っていった。 「藤真ってあれつけ睫なしだったよね、きっと」 「要らないでしょう、藤真くんは。つけたら逆にケバくなる」 だよねー、と頷いては納得した。 「で?物凄く怒ってたわねー」 が楽しそうに彼女たちを誘った高野たちを見た。 「そりゃ、怒るだろう」としれっと返した高野に苦笑しては「逃げちゃおうか」とに声をかける。 「いやいや、もっと褒め称えなきゃ」とが返すので「好きよねー」と呆れた。 「そういや、が本当に来るとは思わなかったな」と不意に花形が言う。は高野たちと藤真を称えるリハーサルをしている。 「ん?」 「いや、嫌いだろう。人の多いところ」 花形の言葉には目を丸くして、困ったように笑った。 「うーん、まあ、ね。女子の世界は男子の世界では分かんないドロドロとしたものがあるのよ。中学のときは、その世界の真っ只中で。出来れば他人との接点は少なくって思ってたのよ」 「今平気ってことは...高校デビューってヤツか?」 花形の言葉には声を上げて笑う。 「私に似合わない単語ね、それ」 だよなー、と言った花形も思っていた。 「と一緒に居たら、そんなこと言ってらんなくなるの」 笑って言うは心から楽しそうで、花形は少し安心した。 夏休みに入って久しぶりに会ったは自分の記憶していた彼女とは全然違う表情を浮かべていたし、高校で変わったんだなとかは思ったが、そんなことを自分が思っていたなんてが気づくと腹を立てるかもしれない。彼女は結構プライドが高そうだから。 「腹立たしいわよ」 不意に言われて花形はぎょっとした。 「でも、まあ。これも効果よ。仕方ない、って思えるもの」 笑って返すに花形は苦笑した。 「いい友達、見つけたんだな」 「私が捕まったってのが正しいんだけどね」 笑って言うはどこか誇らしげだった。 「そりゃ、災難だったな」 きっとが待っている言葉だろうと思ってそういった花形に「分かる?」と彼女が返す。 「なになに、何の話?」 2人が楽しそうだったからが興味を持って話に入ってくる。 「私がにナンパされたときの話」 「ああ、わたしの見る目は間違ってなかったって話ね?」 誇らしげに言うには笑う。声を上げて心から楽しげに。 その後、服を着替えて戻ってきた藤真を言葉の限りに褒め称えたたちは藤真に一発ずつゴツンとされた。 その結果が見えていたはその場では藤真の女装に関してのコメントは控えていたことは言うまでもない。 |
桜風
10.12.8
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