| 最近、何かあったのか。 は教室で独りで居る。 いつもつるんでいたやつらも遠巻きにを見ている。 何があったのか分からないけど、それでもなら大丈夫だろうって勝手に思っていた。 インターハイ予選が始まって、そんな中、俺は自分の練習にしか気が回ってなかった。 それ以外のことを考えることはなかったし、そうする必要も無いと思っていた。 時々、俺を見てコソコソ話をしている女子とかいたけど、それは良くある風景のひとつだと思った。 だけど、もっと早くに気付けてたんだ。 あの女子たちが俺を見る目が少し、違っていた。 部活の休憩時間に「流川!」と呼ぶ声が聞こえた。 見てみると体育館の入り口には桜木とつるんでいる4人組が立ってる。 俺を呼ぶことなんて有り得ないって思って無視した。 空耳だ。 でも、 「流川!おい、聞こえねぇのか!!」 やっぱり俺の名前だ。 「流川。桜木軍団が呼んでるわよ」 先輩にもそう言われたのなら聞き間違いじゃないはず。 「何だよ」 「お前、。知ってるだろ?」 「ああ。あいつが何だ?」 何でこいつらのことを知ってるんだ?? 「あいつが、先輩に呼び出された。というか、連れて行かれてたんだよ」 話が見えない。 「お前、最近噂になってるだろ?と付き合ってるって。だから、俺たちが手を貸しに行くより、お前がどうにかした方が良いんじゃねぇかと思って取り敢えず呼びに来たんだよ」 初耳だ。 「何だ、それ?」 残念ながらそれは噂でしかなく、根も葉もない。 ...あった。 もしかしたら、この前2ケツして帰ったのを誰かが見て勘違いしたのか?? 「あいつは?」 「は?」 「は何処に?」 「あ、旧校舎の裏の方に...」 それを聞いてすぐに向かった。 走って、そして校舎裏に着いた時、の髪を引っ張ってる男と、それを笑いながら見ている女が数人いた。 胸クソ悪い... の顔に男の拳が降りていた。 「何やってんだ、アンタら」 声を掛けると反射で男は手を止め、女たちは狼狽する。 「い、いやー。流川君。あの..なんかこの男がこの子を苛めてたから注意してたの」 そう1人が言った。 女たちはそれぞれが「そうそう」と頷く。 絶対に嘘だと思いつつ、男のほうを見たら 「何言ってるんだよ!お前たちが話を持ちかけてきたんだろうが!!流川を唆す女狐を二度とそんなことが出来ない体にしてやろうって。お前らそう言ったじゃねぇか!!」 必死にそう言うも、女たちは知らぬ存ぜぬを通すつもりらしい。 そんなことはどうでもいい。 「離せ」 そう言うと男は慌ててをつかんでいた手を離した。 「大丈夫か?」 地面に膝を付いたに手を貸す。 「何で来るかなー?」 情け無い顔をしてそんなことを言う。 「どあほう。ちゃんと呼べ」 そう言ってを支えてその場を去った。 「保健室行くか?」 の肩を抱えながら歩く。本人はしっかり歩いているつもりのようだが、何だか足元が覚束ない。 「いい。練習は?」 「すぐ戻る。...じゃあ、体育館に来い。救急箱があるから一応治療も出来るし」 「治療するほどの怪我してないんだけど」 苦笑しながらがそう言う。 「いいから来い。...何で言わなかったんだ」 少し、胸が痛い。 「うーん。放っておけば収まると思ったから?」 は困ったように笑う。それでも、の体は震えていて、こんなこと言ってるけどやっぱり怖かったんだろうって思った。 その後は、何も話すことなく体育館へ向かった。 戻ったときには休憩時間が終わっていた。 先輩にを託して、大人しくキャプテンに叱られた。 罰としてモップ掛けとボール磨きを一人でするように言われた。 それだけで済んだんだ。 を見ると、先輩に消毒されてそれが沁みるのか、悶絶していた。 まあ、精々反省してろ。それだけで済んだんだからな。 |
桜風
07.8.24
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