あの日から浮かぶのはいつも決まって彼女だった。
。
千堂と高校でクラスの同じだった彼女は杓子定規で絵に描いたような委員長だった。
髪はきつくみつあみ、眼鏡をかけていて、制服のスカートも学校の規定どおり膝より下。成績がよく、教師からの信頼も篤い。
千堂は正直そういう人間が苦手だった。
出来れば係わりたくない、そう思っていたが、学校で出された課題をやってこない千堂はいつもに怒られていた。そのため、は本当に苦手だった。
そんなある日、屋上で昼寝をしていたらいつの間にか空が夕焼け色に染まっていた。
「あ、あかん!!」
慌てて起き上がり、階段を下りて教室に戻るとみつあみの女子生徒がいた。
(うわぁ...怒られるんかな〜。午後と掃除はサボリやもんな...)
恐る恐る教室に入って、なるべく音を立てないように自分の席へ向かう。は窓の外を見ていた。
と席も近い千堂はいつでも逃げられるように自分の荷物を手にして、チラッとの様子を窺うと、は涙を流していた。
「な?!どないしたんや、。」
千堂は思わず声を掛けていまい少し後悔するが、今更遅い。
千堂の声には驚き、声のした方を見て慌ててハンカチを取り出し、自分の頬を伝っている涙を拭いた。
「せ、千堂君。今日掃除サボったでしょ。ちゃんと掃除に参加してよ。」
いつもの口調で言うが、いつもちょっと怖いと思う千堂も今は何とも思わない。
「すまんかったな。屋上で寝とったらいつの間にか夕焼けや。...なあ、なんぞ悲しいことあったんか?」
とりあえず謝罪してに聞くと
「...夕焼けってちょっと寂しいなって思って。」
少し困ったように笑う。
「寂しい?」
「そう、寂しくなるの。何か、凄く孤独を感じるのよ、夕焼けを見ていると。」
そんなの言葉を聞いて千堂は、が近く感じてきた。
「...でも、今はワイがここに居るやろ?」
千堂の言葉には驚き、目を丸くして振り返る。
千堂はニカッと笑った。もクスクス笑って
「ありがとう、千堂君。」
そう言った。
翌日、遅刻して学校に着き、
(また、に怒られるんやろなぁ...)
苦笑しながら教室に入るとの姿が見えない。
「は今日休みなん?」
すぐ傍にいたクラスメイトに聞くと
「ああ、あいつ引っ越したらしいで。何や、親の仕事の都合らしいんやけどな。」
そんな答えが返ってきた。
そして、あの日から時々、千堂自身夕日を見ると寂しくなってしまう。
ロードワークの途中、足を止めて夕日を見ていた。少し、孤独を感じたとき背中をドンッと押される。
千堂が振り返ると、
「あ、やっぱり千堂君だ。久し振り...って覚えてなさそ〜。」
髪に軽くパーマをかけてあり、髪の色も明るい彼女は一瞬誰だか分からなかったが、笑った顔を見て誰かが分かった。
「か?!どないしたんや、こんな所で?」
「ちょっと旅行。...夕日だね。」
「そうやな。やっぱり夕日はちょっと、寂しくなるな?」
「時々ね。でも、今は千堂君がここにいるから。」
そう言って悪戯っぽく笑う。つられて千堂も「そうやな」と笑っていた。
千堂は、あの日から浮かぶのはいつも決まって、の笑顔になっていた。
なんとなく千堂。
人情っていう感じは千堂が一番のような気がします。
いえ、他のキャラに人情が無いと言っているのではありませんよ。
でも、兄貴分は千堂か鷹村さんだと思うんですよねー。
ちなみに、キム兄さんは『お兄ちゃんvv』(←誰も聞いて無い)
桜風
04.11.23
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