| 家に帰るといつもと様子が違う。 清春は溜息をつき舌打ちをした。 「来るなら、居るときに来いってンだ...」 ポツリと呟き、自室のドアを開けて「うおっ」と思わず驚き、また舌打ち。 自分としたことが、驚いてしまった... そこには、ベッドの上で小さく丸くなって寝ているの姿があった。 部屋の中が片付けられているから彼女が来たのは分っていたのだが、まだ居るとは思っていなかった。 「つうか、そこは俺のベッドだっつーの」 そう呟き、清春はそっと部屋を出た。 シャワーを浴びて少しだけアルコールを口にし、そして自室に戻る。 先ほどまでベッドの真ん中で丸くなっていたが、今はベッドの端に寄っているので自分の寝るスペースは確保できた。 しかし、 「危ねェだろーが」 と清春は呟く。 彼女がベッドの端に寄ってくれたのはありがたいが、壁側に寄るならまだしも、そうではなく、落下する危険のあるほうに寄ってしまったのだ。 を起こさないようにベッドにもぐりこみ、彼女をそっと抱きしめる。 「来るなら来るって言えよな...」 そう呟いた清春はそのまま眠りの淵へと降りていった。 ふと、目を覚ますと自分の体ががっちりホールドされている。 首を巡らせたはにへらと笑った。 「ンだよ...」 「起きてたの?」 「オメェが起きたから起きたンだよ。っつーか、俺様は超絶眠いからまだ寝かせろ」 そう言って清春は少しだけ強く彼女を抱きしめた。 「離して」 「ヤだ」 「朝ごはんの準備したい」 「ダメだ」 清春に悉く却下され、は肩を竦めてもぞもぞと体を動かす。 逃げないのなら多少は体を自由にすることが出来る程度に清春が腕の力を緩めた。 は清春と向き合うように体を動かしてそのままぎゅっと抱きつく。 「オイ」 と清春が少しだけ動揺したような声音を漏らす。 「ね、清春くん」 「ンだよ」 そう返すと、グリグリと額を胸に押し当ててくる。 「おい」と清春が言うと「『おい』って名前じゃありませーん」とが返す。 舌打ちをした清春は「ンだよ、」と名前を呼ぶ。 「お疲れ様」 「おう」 「大好き」 「は?」 「この前会ったときよりも大好き」 の言葉に思わず言葉を失い、そんな自分に舌打ちした。 「そりゃ、良かったな」 清春の言葉には「うん」と頷き、そんな彼女の反応に清春は脱力した。 |
桜風
11.10.1
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