| ザフトの軍港の出口では不審人物よろしくウロウロと行ったり来たりしていた。 勿論、ゲートの外で見張りに立っているザフトの軍人には先ほどから鋭い視線を注がれていて居心地は悪い。 だが、意を決してここまできたのだ。 先日、母が電話で聞いたと話してきた。どうやら、ディアッカの所属する隊が休暇で戻ってくるというのだ。 前回、ディアッカに会ったのはいつだろう。 彼が宇宙に出たとき、は学校があった。しかも寮に入っているから見送りにもいけなかったのだ。 だから、ディアッカとはもしかしたら1年以上は会っていないような気がする。 用事がなかったため、ディアッカと連絡も取っていない。 家族でもないため、ザフトの軍艦に乗っている彼との通信は容易なことではない。 そんな状態の中で聞いた今回の帰国についてはとても楽しみにしていた。 だから、居ても立っても居られずにこんなところまでやってきてしまったのだ。 が、時間を間違えたのか。はたまた、帰港してもその後にやることが山ほどあるのか、ディアッカがでて来ない。 「間違ったのかな...?」 母の言っていた日を聴き間違えたのか。それとも、母が聞いた日付を間違ったのか。 段々不安になってきた。 ゲートに近づくと兵士が睨むのであまり睨まれない距離からそのゲートの中を覗く。 が、遠すぎて見えない。 もう諦めた方が良いかなと思いながらゲートに背を向けてトボトボと歩き出した。 「!?」 不意に聞こえた懐かしい声に思わず笑顔で振り返る。 「ディアッカ!」 ブンブンと手を振る。 彼は同じ隊の仲間らしき人物に一言二言声を掛けて駆けてきた。 「お帰り!」 が言うと「ただいま」とディアッカは返す。 「元気そうね」と声を掛けると「おー、まあな」と言葉が返ってくる。 暫くその場で立ち話をしていると不意にディアッカが今気づいたかのように 「ところで、何では此処に居るんだ?」と聞いてきた。 「...は!?」 ディアッカにそう言われては言葉に詰まった。 まさか会いたくて、なんて言える筈がない。今更どの口がそう言うんだ? 「べ、別に何だって良いでしょ!偶々。そう!偶々、偶然此処を通りかかったのよ!!」 そう言っては顔を背けた。 そんな彼女の表情を見てディアッカは苦笑を洩らす。どうやったらこんなところを偶々通りかかることが出来るというのだろうか。 「つか、。嘘、下手くそすぎ」 呟いた言葉は彼女には届かなかったらしく頬を膨らませて彼女はそっぽを向いたままだった。 ポン、と彼女の頭に手を置く。 チラリと窺うようにディアッカに視線を向けたはやがてディアッカに顔を向けた。 「ほら、行こうぜ」 「うん」 差し出したディアッカの手に少し躊躇いがちに自分のそれを重ねてはディアッカの隣に立つ。 「お腹空いた」 が言うと 「んじゃ、何か食べて帰るか?」 とディアッカが返す。 「ディアッカの驕りだよ」 ちょっと言葉に詰まったディアッカは「へいへい」と面倒くさそうに適当に頷いてと共に歩き出した。 |
桜風
08.6.1
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