恋人はサンタクロース
 




今日はクリスマスだけど、私は一人。

勿論、ケンカなんかじゃなくて...

宮田くんは大事な大事な試合前で、減量もだけど精神面も気を緩めちゃいけない時だから。


付き合う前からそれは分かってる事だし、最後に逢った時に宮田くんは本当に済まなそうな顔をしてくれた。

もっとも、口には出さなかったけど。

それを思い出したらちょっと笑ってしまった。

宮田くんて結構可愛いトコあるんだよね。

言うときっと怒るだろうから言わないけど。

クリスマスは本来そういう日じゃないし、我が儘言って無理矢理逢ってもどうせお互い落ち着かないと思う。

それが原因でケンカなんて事になったらそれこそ春まで逢えなくて仲直りもできないんだから、そう考えれば納得もできるんだけど...。


でも。


「逢いたい、なぁ」


ぼんやりテレビを観ながら呟いた。

テレビには綺麗なイルミネーションが映っていて楽しそうな、幸せそうなカップルや家族があちこちを行き来していた。

「いいなぁ...逢いたいよ、宮田く〜ん」

我ながら情けないと思えるような弱々しい声で宮田くんの名前を呟いてみた。


ピンポ〜ン。


え? 誰か来る予定、あったっけ?

ゆっくりドアの穴から覗くと今、名前を呼んだ宮田くんが立っている。

鍵を開ける間ももどかしい。

「宮田くん!」

ドアを開けた瞬間、私は宮田くんを抱きしめた。

「...っと! ?」

ぎゅうぎゅうと力を込めて抱きしめる私に宮田くんは呆気に取られているようにしばらくそのまま固まってた。

「どうした? 何かあったのか?」

心配そうな宮田くんの声に小さく首を振ってからゆっくり離れた。

「ごめんね? 逢いたいなぁって思ってたら宮田くんが来てくれたから、嬉しくて」

嬉しくて、涙が零れる。宮田くんは右手で涙を拭いてくれて、そうして私に小さな箱を渡した。

「宮田くん?」

不思議そうに宮田くんを見上げると

「プレゼント買う時間がなくてな。とりあえず今日はこれで我慢してくれ」

ケーキを買ってきた、と宮田くんは付け加えてくれた。

「嬉しい...ありがとう」

本当はまた泣きそうだったけど、頑張って笑ってみせた。

「でも、ごめんね? 気を遣わせちゃって...」

そう言うと宮田くんはばーか、と呟いて

「いいんだよ。俺が、に逢いたかったんだから」

そっと口づけて、柔らかく微笑んでくれた。

「宮田くん...」

私はもう一度、宮田くんにもたれ掛かった。

宮田くんは今度は優しく背中に腕を回してくれた。


宮田くんが帰ってから、箱を開けると私の一番好きなケーキの上にサンタがちょこん、とのってる。

前に私が好きって言ってたの、覚えててくれたんだ。あの時は

「よくそんなモン食えるな」

とか言ってたくせに...。

どんな顔してこのサンタケーキ、頼んだのかな?

私は嬉しくて、しばらくそのままケーキを眺めていた...。




『タコ殴り』の真由さんから頂いてきちゃいました、宮田クリスマス夢vv
ヒロインの好きなものを覚えていて、尚且つそれを叶えてくれる優しさ...萌えッ!!
サンタを乗せてもらうの、どう頼んだか目下気になるところです(笑)

真由さん、素敵なクリスマス夢をありがとうございました!!


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