| 夕暮れ時。 西の空が赤く色付いていてとても綺麗だ。 夏になってぐっと長くなった一日がそろそろ終わりを告げようとしている。 もうすぐ夜が訪れる。 「ねえ、もしも私達が出会ってなければどうだったんだろうね」 デートの帰り道、私は唐突に隣を歩く彼に声を掛けた。 もしもの話。 もしも、私達が出会っていなかったら私達はどうなっていたんだろう。 他の人と付き合ってた? それとも誰とも付き合ってないのかな? 今、私は彼と一緒にいられてとっても嬉しいし、彼が私の隣に居る事に感謝してる。 一つ年下の彼だけど、とても頼り甲斐あるし、温かく包んでくれるようなその優しさが凄く好き。 たまに凄く意地悪だけど。 「達也君はやっぱり別のコを好きになるのかなぁ?」 そこまで言ってからそっと彼の顔を覗き見ると、彼は少しだけ不機嫌そうな顔をして私を見た。 「馬鹿じゃねぇの?」 呆れたように、でも強く言葉を紡いだ彼。 「何よー」 彼の投遣りな言い方に真剣に聞いた私は腹を立てた。 彼は結構こう見えて面倒臭がり屋だ。 面倒な事には首を突っ込みたくないし、面倒な話には耳を貸さない。 良く私の話を聞いてるフリして全然違う事してる事がある。 こればかりは本ッ当に腹が立つ。 今日の「馬鹿じゃねぇの?」の一言も、その類だと私は勘違いしていた。 またサラリと流されて真剣に話をしようとしている私をかわそうとしてるって、そう誤解して。 彼は少しの間プリプリ怒っている私に呆れていたようだけど、それから暫くすると私に真剣な眼差しを向けてきた。 珍しく真剣彼に一瞬ドキリとする。 「と俺があの日あの時あの場所で出会って無くっても、絶対付き合ってたよ」 「え?」 「の事見つけ出して、きっとこうして二人で歩いてた」 真剣な瞳に浮かされて、私はどうしようもなくドキドキしていた。 ロマンチストにも程がある。 普段聞かされたらきっと私はお腹を抱えて笑っただろう。 でも今は違う。 彼の言葉に物凄く感動して、心臓の音で痛い位に物凄くドキドキしてる。 その時、突然彼が私の腕をグッと掴んで自分の後方へ引っ張った。 「ちょっ・・・!痛っ!」 女の私にとってはあまりにも強い力だった為、掴まれた腕は痛いし、引っ張られた事で少しバランスを崩して転びそうになる。 それでも何とか体制を整えて背筋をピンッと伸ばした。 折角感動してたところなのに、いくら少し腹立たしい事を私が言ったからってこんな乱暴に人の腕を掴む事無いじゃない! 私がそう抗議をしようとしたその時だった。 ブロロロロ 独特なトラックのエンジン音が近くを通過する音が聞こえた。同時に埃が立ち上って私の視界を遮る。 トラック? 振り返ってみると普通車一台が漸く通れる位の狭い道を、トラックが強引に通り抜けたんだ。 歩行者がいるのに非常識なトラックに腹を立てる前に、達也君の行動に感動していた。 達也君は私よりも先にトラックに気が付いて私を自分の背に隠して庇ってくれたんだ。 やだ、凄く嬉しい。 どうしよう・・・・! 「それに、もしも何て無い・・・・って」 達也君がさっきの話をしようと私の方へ振り返った時、彼が言葉を遮った。 多分それは思いっ切り彼に抱き付いた私の所為だ。 「な、何だよ。どうした?」 「ううん。何でも無い」 ぎゅっと彼にしがみ付く様に抱き締めた。思いっ切り愛情を込めて。 彼にこの想いがどれくらい伝わるかは分からないけど、今私が表現できる精一杯の愛情表現。 達也君は訳が分からないまま、それでも仕方なく私の肩を抱いた。 時々子供をあやす様にポンポンと優しく叩きながら。 彼の大きな腕に包まれて、私は彼に愛されている事を再度実感する。 もしもの話。 でも、もしも何て存在しない。 今、ここに在る事が私と彼の全てなんだから。 END |
関リョーコさんの素敵サイト『Strawberry Sugar』のキリ番16000を踏むことが出来ましたので
リクエストさせていただきました。
ただ今第二次プチキム兄さんブームが到来しておりますので、キム兄さん夢。
『年上彼女でかっこいい木村夢』
というリクエストでしたが、見事に素敵キム兄さんが...!!
関さん、どうもありがとうございました!!
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