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暦上ではもう春を迎えていたが、まだ肌寒い。 四月に入っても、それがまだ感じられる。 白い羽 「あ。」 は、宮田の部屋のベッドの上で一言そう漏らした。 「・・・なんだよ?」 「私、エイプリルフールに嘘ついてない!」 宮田は読んでいた雑誌から目を反らし、に視線をやった。 「は?」 「あぁぁあああ〜!!嘘つきたかったナァ!!」 頭を抱えてさらに叫んで。 近所迷惑だろぉが、阿呆!と怒鳴りたい気持ちを、少し抑えて控えめに怒る。 「うるさい、馬鹿野郎。それにお前嘘なんかいっつもついてんだろ」 「っ!ついてないし!!それに馬鹿っていうなぁ!」 バシ、とそこにあった枕を投げられたが容易にそれを受け取った。 「むぅ。受け取らないでよねぇ!」 「馬ぁ鹿。」 そして読んでいた雑誌をバサリと下に置き、のいるベッドに乗った。 「なによぉ。一郎はなんか悔しいと思わないの?」 「別に。わざわざ嘘つく必要さえないからな」 隣りに座ると、はいそいそと宮田の膝の上に向かい合わせに乗ってきた。 それをしてきても特に怒る気にもなれず、寧ろ嬉しいと思ってしまうのはもう重症だろうか。 「あぁあ〜。」 ぎゅぅと抱きついてくる。 拒まないのは、それがとても心地良いから。 開いた窓から入り込んでくる風が二人の髪を靡かせる。 「なんだよ。」 「ううん。・・・あぁあ〜桜が散って奇麗だなぁ。」 突如、明らかにおかしな言の葉が耳に聞こえた。 ‘サクラガキレイダナァ’と。 ・・・・・ちょっと待てちょっと待て。 いくら四月だからといっても、まだ桜も咲いてないのに散るわけないだろ。 「何言ってんだお前。」 「・・・・いや、嘘ついてみた。」 「・・・阿呆か。付くんならもっとましな嘘付け。」 「阿呆じゃないもぉ・・・ぁあッ!!」 突然、耳元近くで叫ばれた。 耳がキンキンする。 「ってぇ・・・なんだよ!!」 「こ、これこれ!」 は抱きついていた手を離し、宮田の顔の前にズィと手をだした。 「・・・・・鳥の、羽か?」 「そうそうv」 その手の上に乗っていたのは、白くてほんの少しだけピンク色の掛かった、鳥の羽。 きっと、抜けた羽が窓から入ってきたのだろう。 「コレ、桜に見えない?!なんかすっごく奇麗!何の鳥かなァv」 ニッコリ嬉しそうに笑う、の髪は風に靡いて、奇麗で。 「の方が奇麗だ」なんか、ダサイから絶対言わねぇけど。 「いや、見えないだろ」 「え〜そうかなぁ、見えるってvも、もしかしてあたしの言った事は全て本当になるとか!?」 またそれを言いながら自分でアハハハと笑う。 「やっぱお前、阿呆・・・」 「む!!だから阿呆っていうなぁぁぁ!!」 「別に、本当じゃねぇか・・・俺は、好きだぜ?」 そう言うと、の顔が一気に朱に染まった。 その照れを隠すようにまた、背中に手を回され抱きついた。 「ばぁか」 「・・・それはお前だろ」 す、とを離させ、唇をゆっくりと重ね合わせる。 この心地好さ このぬくもり もし、のいう事が、全て事実となるのなら 二人はずっと離れない、と言って欲しいと思うのは卑怯だろうか でも、そんな事別にどっちでも、どうでもいい。 何をしてでも絶対、 を手放すつもりなんかねぇから。 FIN |
唯菜さんの『星のお姫様』の裏でカウンター200を踏みました。
表がいいとリクエストをしたらば、表用に書いてくださいました。
リクエスト内容は
『砂を吐きたくなるような甘いやつ』
吐かせていただいちゃいましたとも。ザアァァァ…って具合に。
唯菜さん、ありがとうございました。
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