ソレは、夕焼けの所為。




夕暮れの公園、ブランコが二つ、ゆらゆら揺れる。

生暖かい風が頬に当たって、流れて、髪を揺らす。




「...一郎さーん。元気ないデスねぇ」



ブランコに載って隣りで笑うは此方なんか見ずに、ただただ、遠くのほうを見ていて


夕日に照らされてできた影が並んで二つ、淋しげに地面に映っている。



「別に....。」

「あっれぇ...もしかして、私が引っ越すの淋しいの?!」

「馬ぁ鹿..んなわけあるか。清清するっつぅの」


とは、小さい頃から幼馴染でずっと一緒にいたから

離れるなんか考えたことも無かったし、そうなると思ってさえ無かった。


「うわ、ひっどいなぁ!...じゃぁなんでそんなに元気ないのよぉ。」



”お父さんが転勤するから私、引っ越すんだ”



そう告げられたのは先刻。

いくら冷静なのが売りだといっても、頭の整理なんか、出来るわけが無い。



「...別に...元々元気なんかねぇよ」



淋しいなんていえる分けない

行くななんていえる分けない



「あははっ、そりゃそうだわ。でも、ちょっとくらい淋しがってよねぇ〜...!」



言った所で何になるのか

言った所で、何か変わるのか?



「逆に嬉しいつぅの。」



言ったら、行かないでくれんのか?

淋しいっつったら、傍に居てくれんのかよ



「はいはーーいそれはどうもすんませんでしたぁ!」



また冗談っぽく笑って、人にばかり文句つけやがって


...なら、お前は



「お前は、淋しくないのかよ」

「え?」

「お前は淋しくないのかって、聞いてんだ」



自分でも、吃驚するくらい声が震えていたかもしれない。

だけど、それは仕方の無い話で




「.......」



突然、黙り込むに、全ては察しがつく。



自分だって、淋しいんじゃねぇか

強がって見せたって、淋しいんじゃねぇかよ



ふと、の顔を横目で見る。




「....黙んなよ...」



先程まで笑っていたはずの顔が、腕で囲って何も見えない。

恐らく、泣いているのだろうと思った。



「うるっさいなぁ..ッ...どぉせ..淋しいのは私だけですよぉっ..!!」




そういうが、やけに華奢でひどく弱く見えて。

無性に抱きしめてやりたくなった。




ブランコを降りると、キィッと小気味良い音がして

そっと、に近づき抱きしめてやった。


「一郎・・?!な、なにしてんのよ・・っ」

「....うるせぇ。」


抱きめたは予想通り、華奢で、細くて、すぐにでも壊れそうで。



泣くの腕を取り、そっと自分の唇と重ねた。

こんなにも素直に自分の感情が出せるのは久しぶりで


きっとそれは夕焼けの所為だ、と、自分の中で誤魔化して。



そ、と唇同士が離れると、は意外にも怒りもせず、ただ俯いて涙を拭いた。

夕日に照らされたの顔が、またやけに奇麗で 切なげで



「行くなよ」




そう、呟いてみた。




そしたらが、思いっきり顔上げて、吃驚した顔で、此方を見て




「...本当に、言ってる....?」


「....あぁ。」





すると、は満面の笑みで

「ありがとう」

と一言。



そういって思い切り抱きついてきた。




「ばっ...お前、何すんだよ!」

「えへへ〜vvあたし今、すっごい嬉しいんだぁ」



耳元で聞こえるの声は、本当に凄く、嬉しそうで


悩んでいた事も、馬鹿らしく思えてきて



ポンポンとの頭を撫でてやった。


そしたらはまたえへへ〜とか阿呆らしい事いって






でもそれも、なんか


いいなとか思ってしまったのも、


今は夕焼けの所為にしておこう。








FIn











おまけ



「お前、結局引っ越すのかよ?」

「んーん。お父さんはどっちでもいいって行ってたからサァ。行かない」

「は!?なんだよそれ?!」

「でも一郎が止めてくれなかったら、行くつもりだったよ」

「は....まじかよ....」

「まっぢだよ〜ん♪わぁぃ一郎照れてる〜vvv」


「て、照れてねぇよ!!」



FIN!(爆)









あとがき

桜風様へ、相互記念の夢で御座います。
すすすす、すみません!なんだぁコレは・・!!
すみません、自分がスランプだって事をさっぱりと忘れていました(滝汗)
それでも、一生懸命描きましたので宜しければ貰ってくださると嬉しいです。。。
煮るなり焼くなり捨てるなり(汗)お好きにどうぞ...。

それでわ、お互いサイト運営頑張りましょう。

2004.5.3 唯菜拝



相互記念で頂きました。
私は貰ってばかり...
不器用で素直じゃない一郎が可愛くて仕方ないですvv

唯菜さん、ありがとうございました!!


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