| 黄尚書たちを見送って室に戻ると 「ダメよ、お客様にそんなこと!」 と秀麗の声が聞こえた。 「どうしたの?」 「姉様。雪が積もってきたからうちに泊まりたいって絳攸様と藍将軍が仰ってて、ついでに家事を手伝ってくださるって...」 困ったような表情の秀麗に対してしれっとした表情の静蘭。 静蘭の裏の顔を知っているは溜息を吐いて 「絳攸様、藍将軍。家事は私の方でしておきますので。どうぞゆっくりお休みになってください。室を用意いたしますね」 がそう言ったが、 「......いいんだよ、秀麗殿、殿。今日は私たちがやっておくから。後でお見舞いの花も届けるね」 「いつも馳走になっているからな。気にせずゆっくり休め。も」 2人は鬼のような静蘭から救い出そうとしてくれた2人の優しい女性たちのためなら、と家事を引き受けるという。 そして、そんなやりとりを聞いて何も言わないでおける劉輝ではない。 「余、余も手伝うぞ!役に立つぞ!!」 「ありがとうございます、主上。いつかきっと鍋磨きの経験が役に立つ日がきっと来るでしょう」 笑顔で肯きながら静蘭がそう言う。 この素直な王を前にして、はそっと溜息を吐いた。 「お嬢様は秀麗お嬢様の看病をしてくださいね」 そう言って静蘭が3人を引き連れて出て行く。 「さ、秀麗。お粥を食べて」 秀麗がまだ手にしていた扇子と交換に盆を渡す。 「姉様」 「何?」 「その扇子の持ち主、ご存知なの?」 思いも依らない質問をされてしまった。 「いいえ。私、少し家を空けていたからそのときにいらして帰っていかれたのかもしれないわ」 自分が帰ってくる前からさっきまでずっとこの家に居たのだが、父曰く『甘やかしてはいけない』らしいので、知らないフリをしていた。 「そう...お礼を言いたかったわ」 「お父様も仰ってたでしょう?ご自分で名乗られたい方らしいからそのときまで待ってなさい。ああ、でも。この扇子はお返ししなくてはいけないわね。お礼の文を添えてお父様にお願いしましょうね」 の言葉に秀麗は肯いた。 数日後、絳攸経由でその扇子と文は黎深の元へと届けられ、狂喜乱舞した。その後しばらく、朝廷では吏部尚書が頭の病に冒されたとまことしやかに囁かれたらしい。 「それにしても、何か久しぶりに風邪を引いて得した感じ」 風邪で寝込んだ翌日、秀麗はにこっそりそう言った。 「そう?でも、かなりうなされてたわよ?」 「でも、父様や静蘭。姉様に甘えることが出来たもの」 「あら。いつもで甘えていいのよ?」 がクスクスと笑いながら秀麗にそう言うと 「イヤよ、恥ずかしいじゃない」 とそっぽを向く。 「そうかしら?別に構わないわよ。貴女はいつもひとりで頑張っているのだから。甘えてくれても構わないわ」 の言葉に 「それは、姉様も同じよ!私だと頼りないかもしれないけど。でも、少しくらい甘えてほしいわ。姉様はいつもひとりで頑張ってるんだから」 と顔を近づけ、少し怒った表情を作って言う。 「そうかしら?」 「そうよ」 少し、と秀麗は顔を見合わせていたが、同時に噴出した。 「まあ、あと少しゆっくりお休みなさい。ちゃんと暖かくしてるのよ。私は今日の賃仕事に行ってくるからね」 が室を出て行こうと扉に手を掛けた。 「姉様」 「ん?」 「ありがとう。いってらっしゃい」 「はい、行ってきます」 パタリとドアを閉めては小さく息を吐いた。 いつも一生懸命ひとりで頑張ることを秀麗は自分に課した使命のように感じているのではないだろうか。 その原因が8年前の王位継承争いなのかもしれないけど、それでも、秀麗は頑張りすぎているところがあると思う。 だから、今回の風邪は秀麗が休む絶好の機会だったとは思っていた。 「こう見えて、私は結構貴女に助けられてるんだけど...?」 妹の笑顔を思い浮かべては小さく呟いた。 |
秀麗夢っぽくなってしまった...
これもいっかなーって。
妹を可愛がってるお姉ちゃんって好きですvvv
桜風
07.5.4
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