薔薇姫の恋2





翌日、昨日声を掛けてきたクラスメイトに参加することを話すと手を取って喜んでいた。

そして、有志がそろい、当初の目論見どおり
の参加によって教師までついてもらえた。

曰く、教師がバックに居るといないとでは動きやすい動きにくいがはっきりと分かれるらしい。

実際、教師によっては使える部屋をキープできる。


今回
たちのグループについてくれた教師は生物の教師で、生物室は確実にキープできた。

「で、何をする?」

話し合いが始まる。

一応、この有志の中にも受験生は居るので出来るだけスピーディに、ということは皆の中で暗黙の了解だ。

「準備に時間が掛からないのがいいよ」

「だよね。でも、当日結構目立ちたいかも」

そんな意見が出される。

準備に時間が掛からず、当日目立つ。

だから、今までの先輩たちも飲食方面に目が向くのだと気付く。

準備は殆どしなくて良いし、文化祭当日には中々充実した一日を送れそうだ。

「じゃあ、喫茶店にする?」

そこからは話が早かった。準備といえば買出しくらいだし、前日に部屋の飾りを作ればいいという話にもなった。

そして、ここで問題がある。

「生物室で、お茶したい?」

したくない。教室の後ろにはホルマリン漬けされたあれやこれやがある。

「じゃあ、トレード申し込む?」

「何処と?」

「生物部?」

その一言と共にみなの視線が
に向く。

「へ?」

さんって南野くんの彼女よね?」

「いや、ちが...」

「いいの、皆知ってるから」

何を!?

「南野くんに頼んでもらえないかな?ほら、南野くん去年まで生物部だったでしょ?先輩を差し置いて部長にって話もあったそうなの」

知らなかった...

確かに、蔵馬なら部費をたくさん持って帰れそうだ。たぶん、それが狙いだろう。

実際今年の部長は蔵馬が務め、高額の部費をむしり取ったらしい。

「あの、でも。南野くんってもう部活引退してるんでしょ?」

「そうなんだけど。今でも彼の発言力は絶大のはずよ。お願い!」

手を合わせられて断れなくなった
は「頼むだけ頼んでみるけど、期待しないでよ」と答えるのが精一杯だった。


「と、いうわけなの」

今日は
の家で夕飯を食べる事になっていた。

が文化祭の打ち合わせの間は図書館で適当に時間を潰していた蔵馬を迎えに行き、スーパーへの道を並んで歩く。

「って言われても...もう部活に口出しする気は無いしな」

「だよねー...」

蔵馬の性格上そんなことを言われると思っていた。

そして、今の自分たちの状況を冷静になって考える。

そりゃ付き合ってるって勘違いもされるよね...

そう思いながら蔵馬を見上げる。

「何?」

「ううん。さっきね、私と南野くんが付き合ってるんだって言われたから」

「俺はもうちょっと前から言われてたけど?」

けろりとそんなことを言う。

「え!そうなの!?」

「うん。まあ、害がある話でもないし。訂正しても今回の
みたいにどうせ信じてもらえないだろうと思って。
面倒くさいから放っておいてるんだけどね」

自分の知らないところで変なほうに話が向かっているようだ。

しかし、『面倒くさい』とは何事か。

何となく、蔵馬の発言に
はカチンと来た。

が不機嫌になったのを敏感に感じた蔵馬は「どうかしたの?」と声を掛けてくる。

「別に。どうもしてないよ」

何だか腹立たしい気持ちがおさまらない。

蔵馬の言っていることは、特に変ではない。しかし、そう簡単に気を鎮められる感じもしない。

蔵馬も蔵馬で、「どうもしない」と言っておきながらさっきよりも不機嫌になる
に呆れる。

言いたいことがあれば言えばいいのに。

今ここでそれを言うと、
がもっと頑なに意地を張りそうなのでその言葉は飲み込んだ。


傍から見たらバカップル。
でも、実際はまだお付き合いをしていない2人。
しかし、蔵馬はこんなに人の神経を逆撫でることを言うかね?
まあ、それだけヒロインに対しては気を許していると言うことで(笑)


桜風
06.12.19


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