薔薇姫の恋5





文化祭の前日、準備のために皆が集まった。

喫茶店としていたが、普通のではつまらないということになり、中華系のものにすることになった。

お茶は全て中国茶。

茶葉を買った店で淹れ方を習ってきた数人が教える。

そして、自分たちの衣装ももちろん中華系。

「え、これなの?」

が渡されたのはチャイナドレス。チャイナ服の人が居たから自分もそれが良かった。が、もう決まっているらしい。

受験勉強があるから、準備を殆ど手伝わないでいいように気を遣ってくれた皆に申し訳ないと思い、大人しく引き下がった。

「そういえば、知ってる?ウチの学校の生徒の間だけでのイベント」

「何、それ?」

「赤いリボンをね、好きな人に渡すの。それを、後夜祭のときに左手の薬指に結んであったらOKっていうサインなんだって」

「確か、それって女子から限定だったよね?」

他の子が入ってくる。

「そうそう。ホラ、ウチの学校ってバレンタイン禁止じゃない?だから、いつだったかの先輩が文化祭のどさくさに紛れて始めたらしいよ」

全く知らなかった情報に感心する。

面白いことを考える先輩がいるんだな...

「あれ?でも。何人もが同じ人に赤いリボンを渡したら分かんないんじゃないかな?」

が感じた疑問を口にすると、

「結局後夜祭でリボンを受け入れるって決めた子に声を掛けるらしいから。声を掛けられなかったら諦めなさい
ってことみたい。これは、女子のルールだから。男子にもルールが秘かにあるのかもよ?」

なるほど...

それがあるとして、知らないからドキドキを楽しめるのだろう。

元はそういう目的のもののような気がする。


集中的に準備をするということで、その日は帰るのが遅くなった。

「じゃあ、また明日ね!」

は一緒に帰る方角の人が居ないために1人で自宅を目指す。はずだったが、正門へ向かう途中に人が立っていた。

「あれ?」

「お疲れ。もう終わった?」

「うん。え、何で南野くんはまだ学校に居たの?」

時計を見ると、もうすぐ9時だ。

「まあ、色々と。帰るんだろ?送っていくから」

そう言って微笑む。

あー、何だか安心する笑顔だなー...

「あ、そうそう。南野くん」

「何?」

「赤いリボンの話知ってる?」

「文化祭限定の、あれ?知ってるよ」

そんなに有名なんだ、と感心する。もしかすると、文化祭、体育祭欠席記録を作っていた自分だけが知らないことなのかもしれない。

「生物部にいたとき、先輩に教えてもらったんだ。でも、女子と男子だとちょっと違うみたいだけどね」

「あ、ほんとに男子ルールが存在するんだ?どんなの??」

「残念。女子には教えちゃいけないんだって」

そう言って笑う。

「それなら仕方ないなー」と
も笑った。

そして、思い出したように

「あ、明日。お店に来てね」

と笑顔で言う


「OK。楽しみにしてるから」

蔵馬も笑顔で応えた。


赤いリボンの話。
書いているとどんどん矛盾というかセルフツッコミが出てきました。
だから、ここでも曖昧な表現に。
ちゃんと解決しようと言う気がなかったらしい、私(苦笑)


桜風
06.12.25


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