|
の大学での期末試験が終了し、蔵馬も会社の方の仕事が一段落したためその週末に魔界に行こうというコトになった。 何となく、魔界に居るメンバーのことを考えたら蔵馬的には を連れて行きたくないと考え始めていたのだが が凄く楽しみにしているため、避けられない。 取り敢えず、会わせたくないメンバーのリストを作ってみて魔界での行動を考える。 と、言っても日帰りだし、そんな時間を取るつもりも無い。 そんなことを考えていたのだが、 が作っている荷物を見て蔵馬は思わず声を掛ける。 「ねえ、 。何でそんなに大きな荷物になったの?」 荷造りしている の背後から覗き込むように蔵馬が聞くと 「え、お土産。だって、向こうには蔵馬さんのお友達が沢山居るんでしょ?ほら、この前お手紙くれた人とか」 満面の笑みでそう言う に蔵馬は内心肩を落として 「気を使わなくても良いよ。その..そう、なんと言うか。会えるとは限らないし」 蔵馬がそう言う。 取り敢えず、黄泉は魔界に行って一番 に会わせたくない人物だ。 「んー、でも。会えた時にお土産が無かったら失礼かなって思って。会わなかったらそれで持って帰れば良いし」 そう言われて蔵馬はあきらめる。 取り敢えず、今回魔界に行く目的は「蔵馬の育ったところを見る」だったはず。 魔界の入り口で魔界の風景を眺めて、一番被害が少なくなりそうな移動要塞百足を探して、そこで時間を潰して帰る。 蔵馬はそんな感じに魔界での過ごし方を頭に描いていた。 魔界への入り口近くで車でいけるところまでは車で行った。 そして、車で行けないくらい細く険しい道に辿り着くと車から降りる。 「此処に置いておくの?」 不安そうに が言う。無用心ではないだろうか? 「ああ、うん。大丈夫だと思うよ」 そう言って をひょいと抱える。 「え、何?」 「しっかり捕まってて」 そう言って蔵馬が跳ねる。 「ひゃぁ!」 突然、アクロバティックな状況に陥って は思わず声を漏らすが、 「舌を噛むから、口は開けないでね」 と蔵馬に言われてギュッと口を噤んだ。そして、ついでに目もきつく瞑る。 その表情が可愛らしくて蔵馬は思わず頬を緩めてしまう。 暫く跳ねていたが、漸く魔界の入り口へと辿り着いた。 「ここだよ」と言いながら蔵馬が を下ろすとすとん、と地面に座り込む。 「え、酔った?」 慌てて蔵馬は の背を擦る。 「ううん、大丈夫。でも、目は回ったかも...」 クラクラと頭が揺れている に蔵馬は申し訳ないと思いつつ、落ち着くのを待った。 魔界の入り口に続く洞窟の中を歩いていると がキョロキョロと周囲を見渡す。 「何?どうかした?」 それに気付いた蔵馬が声を掛けると 「ううん..ただ、なんだか変だなって」 が首を傾げながら言う。 「変、って?」 「空気っていうか、風かな?なんだか落ち着かない」 そういえば、と蔵馬は思い出す。 今は幻海による結界で力は抑えられているが、元々 は霊感がとても強いのだ。だから、内に抑えているとは言え、霊感の強い者ならではの感覚があり、それがこの空気を違和感として捉えているのだろう。 「気分が悪い?」 心配になって聞いてみると 「ううん。本当に落ち着かないだけ。大丈夫だよ」 「帰りたいって思ったらちゃんと言ってね」 と一応蔵馬は言ってみたが、 は全くその気はないようで「大丈夫だよ」と飛び切りの笑顔を見せられて引き下がらざるを得ない。 当初の目的どおり、魔界の入り口で風景を見て、それ以上魔界を見たいって言ったら飛影のところに行って帰ろう。 そう思っていると魔界の入り口が見える。 「ああ、あそこから魔界だよ」 蔵馬が言うと は興味津々にそこに目を移した。 魔界の入り口を潜り、人生初の魔界への第一歩を踏み出した は目を丸くして驚く。 そして、その隣に立つ蔵馬は遠い目をしていた。 |
ヒロイン、とても楽しみにしていた魔界訪問。
蔵馬としては、とっとと帰りたいこのイベント。
ドタバタにしたいと思います。
桜風
07.9.17
ブラウザバックでお戻りください