| 食卓に並んだ初めて見る料理を口にする。 不思議な味がした。 蔵馬にとっても不思議な味。 これは、成功とはいえないな、と少し思って小さく笑う。 「美味しい?」 が修羅に聞くと 「微妙」 と今、料理を口にした皆が思ったことを正直に言う。 は首を傾げて 「そう、かな?初めての素材で作った割には、おいしいと思うけど」 と呟き蔵馬を見上げる。 「...修羅に一票」 正直な蔵馬の感想に は少しだけむくれ、そして、すぐに機嫌を直す。 「回数をこなせば上手くなるよ」 自分に言い聞かせているのか、それとも蔵馬に訴えているのか分からないがそんなことを言った。 蔵馬もそれを否定することも、肯定することもなく食事を続ける。 (というか、回数をこなすってどうやって?) 思っていても口にしない。イヤな予感がするから。 「そういえば、 はなんで魔界にやって来たの?強そうに見えないよ?」 修羅が素朴な疑問を口にする。 「うん、凄く弱いよ。戦えないもん。空をね、見に来たの」 の言葉に修羅が首を傾げる。 「空?」 言いながら天井を示す。その先にある空のことかと聞くように。 「そう。空。蔵馬さんの暮らしていた魔界の空が見たいって我侭言ってみたの」 「...それって楽しい?」 「わかんない。まだしっかり空を見てないから。でも、空を飛んできたよ」 の言葉に修羅が興味を示す。流石の修羅も空を飛んだことはない。 「どうやって?」 「えーと、蔵馬さんのお友達の陣、って人が魔界の入り口まで迎えに来てくれてたの。それで、この癌陀羅まで連れてきてくれたんだ。私も空を飛んだの初めてよ」 益々興味が湧いたらしい。 隣に座る黄泉に向かって何かねだっている。 食事が済んで屋敷のものが片付けを行う。 は手伝うといったが、今度こそ強く断られて諦めた。 そして、思い出したかのように「あ、」と声を出して自分の荷物の元へと向かった。 「今度は何をしてくれるんだ?」 楽しそうに黄泉が蔵馬に言う。 「さあ、ね。俺だってしょっちゅう彼女の行動は読めないことあるから」 肩を竦めながら蔵馬が言う。 そんな会話をしていると が箱らしきものを持って戻ってきた。 ああ、そういえば荷造りの中にあんなものがあったな、と蔵馬は思い出して納得する。 「あの、順番逆になっちゃいましたけど。お土産です」 そう言って は黄泉の前に自分の家から持ってきたお土産を置く。 凄くマイペースだ。 「これは、どうもご丁寧に」 黄泉は受け取りながら笑いを堪えるのに必死だった。 「なに、これ」 修羅が真っ先に興味を示す。 「こら、失礼だろう」と黄泉は言うが 「お菓子だよ。甘いもの、大丈夫?」 と が代わりに答えた。 「お菓子?」 修羅の反応を見て はマズかったかなと思う。 もしかしたらこの家の教育方針で甘いものを食べさせないようにしているのかもしれない。 蔵馬を振り返ってみたが大丈夫だろ、といった表情を返してきた。 「甘いもの、なんだけど。黄泉さん、ダメでしたか?」 が聞くと 「いえ。茶菓子ですよね。大丈夫です。まあ、あまり食べさせないようにはしていますが。ありがたく頂戴致しますよ」 と丁寧に返してきた。 黄泉は、完全に の行動を楽しんでいる。 そんな黄泉を面白くなく感じた蔵馬は「じゃあ、 」と促す。 もう此処に用はない。それなりに黄泉の娯楽に付き合ったつもりだ。 「え、何処に行くの?」 修羅が声を上げる。 「ん?あんまり長居したらご迷惑でしょう?だから、お暇するの」 がそう言うと 「ヤダ!」 意外にも修羅が駄々をこね始める。 これには黄泉も意外そうな表情だ。 「ヤダよ。 、もっと遊ぼうよ。ウチに住んじゃいなよ」 を見上げて涙目の修羅が訴える。 困ったな、と蔵馬を見上げてみると同じように困ったなといった表情で蔵馬は を見た。 「こら、修羅。蔵馬たちはウチに来るために魔界に来たんじゃないとさっき言っていただろう?」 元々はお前がワケの分からない嫌がらせをしようと招いたのが色んな事の原因なんだがな、と思いながらも蔵馬は事の流れを見守る。 「空なんてウチからでも見られるじゃん!ねえ、 」 修羅は の服の裾を掴んで離さない。 蔵馬は溜息を吐いて 「じゃあ、1泊だけ。どうだ?」 と修羅に向かって言うと 「やだ」 と即答される。 「じゃあ、もう二度と此処には来ないし、 はこのままこの屋敷を出て行く」 蔵馬が言う。 そう言われて修羅は言葉に詰まり、そして渋々「分かったよ」と呟いた。 子供の扱いが上手、という蔵馬の意外な一面を見た気がした。 |
修羅はナチュラルに私の中でcv.大谷さんです。確か、そうだったような...
幽助と戦って以来色んな毒気を抜かれた様子の黄泉。
蔵馬への嫌がらせ以外は結構常識人で良きパパだと思います。
桜風
08.1.1
ブラウザバックでお戻りください