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が家に帰るとポストに手紙が入っていた。 何やら字を書きなれていないのか、外国人が日本語を頑張って書いた、そんなぎこちない文字で『蔵馬へ』と書いてある。 裏を見ても何やら読めない字が書いてあり、 「蔵馬さんの知り合いかー」 と呟きながらエレベーターに乗った。 夕飯の仕度をしていると蔵馬が帰宅する。 「ただいま」 「おかえり。手紙が来てたよ、蔵馬さんに」 にそう言われて思わず足を止めた蔵馬の眉間に皺が寄る。 「蔵馬の方に?」 「そう。そこのテーブルの上においてるから」 の指したテーブルの上には確かに封筒が置いてある。 そして手にとって見ると、確かに下手な字で『蔵馬へ』と書いてあった。 裏を返すとそこには魔界の文字で差出人の名前があった。 蔵馬は小さく舌打ちをする。 「お友達?」 「というか、知り合い」 そう答えながら面倒くさそうに手紙の封を破る。 そこには懐かしい魔界の文字で回りくどく招待状といった内容の手紙が入っていた。 差出人は、黄泉。 しかし、何故黄泉は が魔界に行きたがったことを知っているのか... 「お友達、何て?」 手紙を読み終わった様子の蔵馬に が声を掛ける。 友達というか、知り合いって言ったのになぁ... そんなことを思いながら、 「うん、大した事じゃなかった」 けど、まあ。 を連れて行く前に自分の目で一度魔界の様子を見ておいた方がいいかもしれない。 そう思った蔵馬は手紙を持って部屋に向かう。 取り敢えず、服を着替えよう。 「ねえ、今度の土日。留守にしても大丈夫?」 食事中に突然蔵馬がそう言う。 お椀を口につけたまま少し動きが止まった はそのままコクリと頷いた。 「大丈夫だよ」 改めてそう返事をする。 「そう。じゃあ、悪いけど」 蔵馬はそう言ってお椀に手を伸ばす。 が風呂に入っているときに蔵馬はベランダに出た。 「というコトだから、今週末魔界に行く。あと、人の生活を覗き見ってのは趣味が悪いからな、黄泉。もう二度と俺の生活を覗くな」 キキッと何か動物のようなものが鳴いてそして、マンションから去っていった。 相変わらず、他人の生活を観察してるんだな... 蔵馬はそう思って息を吐いた。 もう少し、このマンションの周りの結界を強化した方が良いのだろうか? 今度幻海師範に相談してみよう。 「じゃあ、ちょっと出かけてくるから」 「うん、いってらっしゃい」 に見送られて蔵馬は家を出た。 久しぶりに魔界へ続く空間のある場所へと向かう。 そういえば、いつ振りだろう? ちょっと前まで毎月ふらりと魔界に行っていたと思う。 本当にご無沙汰だ。 魔界に着いてすぐに向かったのが癌陀羅。あの手紙の差出人に取り敢えず会っておこうと思ったのだ。 「久しぶりだな」 黄泉の邸に向かう途中で凍矢に声を掛けられた。 「ああ、久しぶりですね。他のメンバーは?」 「俺たちはいつも一緒ってわけじゃないさ」 そう言われて苦笑する。 まあ、確かに。あんな大人数がいつもぞろぞろ歩いていたら邪魔だ。 「黄泉は邸ですか?」 「さあな。でも、たぶんいるんじゃないか?近々蔵馬が来るとか楽しそうに言っていたという話を聞いたけど、本当だったんだな」 「人に脅迫文を送っておいて『来る』って言ってたんですか?相変わらずだ...」 肩を竦めて蔵馬が言う。 「脅迫されるネタでもあるのか?」 「『南野秀一』は特にね」 「...大変だな」 「一応、それなりに慣れましたけど。今日はその文句を言いに。黄泉は昔から素直じゃないから。遊びに来て欲しいといえば、偶になら来ても良いって思うんですけどね」 そう歩きながら会話をしているうちに黄泉の邸の前に着いた。 「黄泉」 黄泉の部屋の前で声を掛けてみると障子が開く。 「ああ、久しぶりだな」 「使い魔に俺を見張らせるのはやめてくれないか?用があるなら別の方法で連絡が欲しいんだけど?」 ドカっと黄泉の前に座ってそう言う。 「何のことだ?」 にやっと笑って黄泉が答えた。 「惚けるっていうならそれでもいいけど。俺の気が長くないのは、お前もよく知ってると思うし。それより、『蔵馬』って漢字。どうやって覚えたんだ?」 「鈴木に聞いた」 ああ、そうだな。アイツは『美しい魔闘家鈴木』と名乗っていたくらいだから漢字も書けるんだろう。 「で、まあ。覗き見が趣味のお前なら知っていると思うけど、近々魔界に人を連れてくるから」 「 、だったな」 「そうだ。彼女に危害を加えたらただじゃ置かないっていう決まり文句、一応お前に送っておくよ」 クツクツと喉の奥で黄泉が笑う。 「何だ?」 蔵馬が少し不機嫌に聞く。 「お前も色々大変だな」 お前が言うな... 蔵馬はそう思いながら目を眇めて黄泉を見る。 「あんな何の取り得も無さそうな小娘の何処が良いんだ?」 「お前に の良さが分かってたまるか、って言わせてもらうよ」 「あの妖狐蔵馬が人間の小娘に骨抜きにされるとは...」 からかうように黄泉が言う。 「彼女は俺の至上の宝だから、奪う事も壊す事も、誰にも許すつもりはないからお前もそのつもりで。それに、お前にだって大切な者がいるだろう?」 蔵馬の言葉に黄泉は少し顔を向ける。 「修羅、元気か?」 「ああ、勿論」 その後、数時間黄泉による親馬鹿発言が連発し、蔵馬は修羅の事など聞くんじゃなかったと心から後悔した。 |
気がつくと夏休み突入!
ヒロインを魔界に連れて行かなきゃ!!
桜風
07.7.31
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