| 珍しくイザークの手が止まっている。 「どうした?」 ディアッカが声をかけるとイザークは「ああ、まあ...」と歯切れ悪く答える。 「と喧嘩か?」 「おまえのところと一緒にするな」 イザークが冷たく言い放った。 「うるせーよ」 「...そういえば。ミリアリア・ハウは今度プラントで個展を開くらしいな。が言っていたぞ」 「あー、うん」 今度はこっちが歯切れ悪い。 「ほんとに喧嘩中か。悪かったな、図星を指して」 イザークが言うと 「喧嘩はしてないって」 とディアッカが、ムッとしたように返した。 「では、何だ?」 「おまえのところのせいだからな」 「どういうことだ?」 イザークが問う。 「なんか、お袋が。ミリィを家につれて来いってうるせーの」 「連れてくればいいだろう。まあ、今度の個展中に時間があれば、だろうが」 「おまえの母親が嫁自慢するから羨ましくなったんだと」 なるほどな、とイザークは呆れた。 は生まれた頃からエザリアのお気に入りであった。 そのため、自慢は延々と続くのだろう。 「まあ、紹介後に降られる可能性もあるだろうからな、貴様は」 イザークが冷たく言い放つ。 「うるせー」 ディアッカが投げやりに抗議した。 「そういや」 仕事がひと段落してディアッカが話を始める。 「なんだ?」 「さっきの溜め息の訳。と喧嘩じゃないだろう」 「ああ、まあな」 「と喧嘩のしようがないもんなー、イザークは」 ディアッカの言葉にイザークはちらと彼をみる。 どういうことかと視線で問うと 「イザークがを怒ることがあっても、喧嘩ってのは想像つかないんだよなー」 「アカデミーの頃はそれなりにしていただろう」 イザークが反論すると 「まあ、そうだな。痴話喧嘩ばっかだったよな」 ディアッカが頷いた。 「んで、との喧嘩じゃなかったら何が悩みなんだよ」 ディアッカの言葉にイザークは溜め息をついた。 「ヴィンセントだ」 「へー!珍しいな。あのいい子のヴィンセントが。ノルンで悩んでる方が想像しやすい」 ディアッカの言葉に 「確かにそうだな」 とイザークは納得した。 「んで、ヴィンセントが早い反抗期?『ちちうえ、ぼく、きょうは、がいはくします』ってか?」 「...それ、の前でやってみろ。友情に亀裂が入るぞ。寧ろ肋骨にヒビかもな」 相当気持ち悪かった。 子供たちをかなりかわいがっているがみたら確実に怒るだろう。 イザークはイラッとしただけだ。物まねが似ていないとかではなく、本当にうざったくて。 「んじゃ、何で悩んでんだよ」 「ヴィンセントに何か悩みがあるらしくてな。それを聞いてやれとにいわれたんだ」 「あ、男同士って?」 「俺も子供の頃に男親に話をしたかったこともあったから、の意見に賛成ではあるんだが...」 「なら聞いてやりゃいいじゃん。何ならディアッカおにいちゃんが聞いてもいいんだぜ」 「遠慮する。変なことを吹き込まれそうだ」 すぐさま否定されてディアッカは拗ねた。 「あの年の子供は何を悩むんだ...」 ぽつりとつぶやいたイザークにディアッカはいった。 「初恋じゃね?」 イザークはぽかーんと口を開けて驚いた表情を見せた。 ディアッカは笑った。 |
桜風
12.11.12
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