Like a fairy tale 105





翌日、カナーバに言われた時間に間に合うようにまず病院に向かった。

イザークの包帯が取れ、傷はきれいに消えている。


そして、母が監禁されているホテルへと向かった。

もっと環境の悪いところにいるのだと思っていたが、意外にも丁重に扱われていると聞いたもののそれを目にして一層安心した。

エザリアの監禁されている部屋の前でイザークが深呼吸をしている。

緊張しているイザークはなんだか可愛い。

そう思ってが小さく笑っているとイザークが半眼になってを見る。笑うな。

ノックをして部屋に入る。

少し疲れた表情を浮かべているが、意外と元気そうな母の表情に安心した。

そして、エザリアも息子の顔を見て泣きそうな表情になる。

額の傷が消えている。

イザークとは2人の意思で結婚をすることにしたとエザリアに報告をした。

それを聞いたエザリアは涙を流す。

イザークとは慌てた。

どうしよう!

だが、まったく同じ反応をする息子たちがなんだか可笑しくてエザリアは笑った。

「イザーク、あなたは落ち着いて。さんが余計に不安がるでしょう?」

母の言葉にイザークはを見た。

オロオロするは見ていて意外と楽しい。

イザークは笑い出し、は拗ねた。何が可笑しいのだ。

を宥める息子を見てエザリアはまた笑う。

さん。1度だけ、確認させてもらえるかしら?」

エザリアの言葉にはおずおずと頷く。

「本当に、イザークでいいの?私が、母なのよ」

はきょとんとした。

「イザークとエザリア様だから、です」

何でもないことのように言う。

それが嬉しくてエザリアはを抱きしめた。

は反応に困って固まる。

イザークは目を細めて2人の様子を見守った。


その後、がコーヒーを淹れて3人は話をする。

今の流れについて。

の名前が大きくなっていることにイザークはひどく心を痛めていたが、はあっさりしたもので「使えるんだから、使っちゃってよ」と笑いながら言った。

イザークが議員になりたいと思っている話をすればエザリアは真面目な顔になり、

「それだけの、覚悟があるの?」

と改めて問う。

イザークは母の目をまっすぐに見据えて頷いた。

その表情を見てエザリアは安心する。イザークはきっと大丈夫だ。

「ところで、貴方たちのお式だけど」

来た!

は思った。絶対にそんな流れになるという予想は出来ていた。

イザークが反対してくれないかな?

そう思っていたが

「そうですね。早いほうが良いとは思いますが、如何せん中々時間が取れませんから。籍だけでも早めに入れたいですね」

となにやら前向きだ。

「あの、式は別に...」

が言うと

「ダメよ、さん。以前、ホテルでお食事をしたときに私は言ったわよね。あなたにお話したいことが沢山ある、と」

エザリアが穏やかに話す。

が頷いたのを受けてエザリアも頷く。

「ノルンさん。あなたのお母様と色々お話したの。子供たちの未来を。そして、彼女はあなたに綺麗なドレスを着て式を挙げてもらいたいと言っていたわ。彼女がいない今、私はそれを実現したいと思っているわ。勿論、あなたのお父様やの当主ともお話しなくてはならないのだけれども」

と話す。

「実は...」とは昨日の祖父との話を口にした。

するとエザリアは目を輝かせて、「ぜひとも、先代殿とお話しなくてはね」と張り切りだす始末。

その生き生きとしたエザリアの表情を見ては諦めた。

最初の親孝行ってやつだ。


暫く話をしていたが、面会の終了時間だと外にいる護衛に言われてたちは立ち上がる。

「また、時間が取れたら来ます」

が言う。

エザリアは頷いた。

本部に戻ったイザークの元に、評議会からの召集がかかる。

その知らせを受けてイザークは息を吐いた。

これは、負けられない戦いだ。









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桜風
08.8.18


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