| 4人は食事を済ませて移動した。 庭が見えるいい部屋だから、と応接室にエザリアが誘ったのだ。 「何故、筆談を?」 部屋に入ってすぐにエザリアが声を出す。 応接室で話をしたいといっているからには、ここでは口頭による会話が出来るということだ。 「のことです」 カインがそう言った。 「は、何故復隊したか。あなたに話をしましたか?」 ホーキンスの言葉にエザリアは悲しそうに目を伏せて首を振った。聞いても、答えてもらえなかった。 「それについて、お話をします。そして、よろしければご協力を頂きたいと思っておりまして」 エザリアはホーキンスの目を見て頷いた。 彼はデュランダルとの遣り取りを話す。 「何よ、それ!」 すぐに反応をしたのはフレイだ。ソファから勢いよく立ち上がった。 「だから、は誰にも何も言わずに復隊したんだ。が、オレは大人しく引き下がる性格じゃない。あそこまでコケにされて『はい、そーですか』って言えるほど温厚じゃない」 「それで、私をこの屋敷から追い出したのね」 「まあ、この部屋だけですけどね。この屋敷の盗聴器に細工したのは」 何でもないことのようにカインが言った。 「何をすれば?」 「とりあえず、外での体制はオレとカインが整えます。今回、“”がバックについてくれることになりましたから。だから、エザリア殿は、そのときが来るまでノルンを守っていただきたい。そして、こちらの体制が整ったら共にノルンを守りながら動いてもらいたい」 ホーキンスの言葉にエザリアは頷いた。 「私の知り合いで、信頼できる人物のリストアップも近日中にしておくわ」 「助かる。出来ればカナーバ元議員の力は借りたくないと話していたところなんだ」 「悪いな、オレの我侭だ」 申し訳なさそうにホーキンスがエザリアに頭を下げる。 「いえ」と小さく頭を振ってエザリアは応えた。 「私は!?」 体を乗り出してホーキンスに詰め寄るフレイに苦笑いを浮かべる。 「悪いが、お前は当分アイリーンのところで面倒を見てもらってくれ」 ホーキンスの言葉にフレイは「嫌よ!」と声を上げる。 「フレイ」とホーキンスが諭すように名前を呼ぶ。 「嫌!私にも手伝わせて!第一、そんな事言ったら、アイリーン叔母様の力を借りているってことになるじゃない。矛盾よ!」 「って言ってもな...」 困ったようにホーキンスがカインを見る。 「大変だぞ?それこそ、何が敵だか分からないんだからな。何をすれば大丈夫かなんて分からないし」 カインの言葉にフレイは強く頷いた。 「だって。は私がザフトに捕まって捕虜だったのに優しくしてくれたの。彼女が居たから、私はこうしてここに居るの。を自由にしてあげたい。こんなの、が守りたかった未来じゃない。 それに、お父さんの元から私が居なくなったらきっと警戒されるわ。私は物凄く便利なカモフラージュよ。議長だって、私がナチュラルなのを知っているんでしょう?」 娘の訴えを聞いてホーキンスは乱暴に頭を掻いた。 「あーもー!分かった。オレが逃げろっつったら逃げろよ」 「はーい」というフレイの返事を聞いて「そのつもりねぇな」とホーキンスは溜息混じりに呟いた。 「ああ、そうだ。このことはイザークにはナイショってことで」 ホーキンスの言葉にエザリアは目を丸くする。 「イザークも、この話を聞いたらさんの行動に納得すると思うわ」 「や。一人くらい本当に騙されてくれないと。イザークは軍の真っ只中に居るからな。綺麗に騙されていてくれると非常に助かる。一応、がイザークには絶対に言わないでくれって言ってたし」 ホーキンスの言葉に「仕方ないわね」とエザリアは溜息交じりに納得した。 真実を知ったときに、息子は物凄く怒るのだろうとその様子が何となく目に浮かぶ気がした。 それはカインも同じだったらしく、 「まあ、大丈夫だろう。イザーク君に叱られるのは、きっとだけだ。あの2人が変にこじれることはないと思うぞ」 とエザリアに声をかける。 「そうですね」 あの日の夜。目の前で見た夫婦喧嘩を思い出して溜息を吐いた。 何だか、イザークが不憫に思えてならない... |
桜風
08.12.8
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