Like a fairy tale 12





の通信を受けて驚いたのはアスランだ。

彼女は除隊するといっていた。

実際、除隊したとの話も聞いていた。

それなのに、今度進水式を迎える新造艦に所属しているパイロットだというではないか。

!?」

「何やってんの...?」

が呆然と声を出した。

「それは、こちらも聞きたい。だって、は...」

言葉を続けようとしたが、「アスラン...?」と一緒に機体に乗っているカガリに不安そうな声をかけられて彼女へと視線を向けた。

「誰か、一緒に乗っているの?」

モニタには映らないが、もうひとつ女の子の声を拾った。聞いたことのある声だ。

「ちょ、まさか...」

「カガリが、乗っているんだ」

「お馬鹿!何でMSに国の代表を乗せてるのよ!!しかも、オーブの代表って余計にまずいでしょう!!」

そうやってアスランと言い合いをしているに「!」とシンから通信が入る。

それを受けて数発ガイアに向けて撃つ。

そろそろ援護という形に甘んじるのもまずいだろうと思い、傍に居るカオスに向かっていった。


そのとき、大きな揺れを感じ、思わず足を止める。

不意に頭に浮かんだのはあのヘリオポリスの崩壊だ。

誰かが戦闘中にコロニーを撃ったのかと思った。

が、そうではない。むしろ内側というよりも外側からの攻撃だ。

「アスラン、もう少し持ちこたえて」

そう声をかけて沈黙しているカオスではなく、インパルスにとめどなく攻撃を仕掛けているガイアに向かうことにした。

「演習気取りで居るから、ね」

は呟き、そのまま四足獣形態となって猛攻を繰り広げているガイアを殴り飛ばした。

「ちょっと大人しく捕獲されてちょうだい」

がそのまま吹っ飛ばしたガイアに向かっているとセンサーに反応があり、上方へと飛び上がる。

先ほどまで大人しくしていたカオスが動き始めた。

そして、もう1機『アビス』も揃っている。

「一度に3機は捕獲できないわ」

は呟き、一瞬どの機体が一番使いやすいかと考えてみたがそのまま自分に向かってくるガイアを捕獲することにした。

確かに、四足獣形態となったガイアは早い。

が、

「まだまだ」

は口角を上げて腰のサーベルを抜いた。

上方へと逃げたガイアを追おうとノルンも飛ぶ姿勢をとったところで背後からアビスの砲撃が向かって来たため、それを避けたところにガイアのサーベルが空を切る。

ふと、周囲に視線をめぐらせればは完全に囲まれている。

「シンは、?」と探してみるとどうやら被弾したらしく、動けないようだ。

そして、そのインパルスの機体へとカオスが向かっている。

これは、1機取り返しても、インパルス取られては同じこと。

はそう判断してカオスの抜けた穴からインパルスに向かってエンジンの出力を全開にした。

その背をアビスが狙い、ノルンに向かってビーム砲を向けたが、動かずに静観していたアスランのザクが体当たりをしてその軌道を逸らした。

「お馬鹿!」

はアビスのそれに気がついていた。

だから、右手に持ったビームライフルをアビスに向ける準備は出来ていた。

少しでも軌道をそらせることが出来ればノルンなら避けられる。

先の大戦でも、ビームの干渉で軌道を逸らしたことは何度も行っている。

アビスはアスランのザクにビーム砲を向けて撃った。

それを受けたザクはハンガーの壁面に埋もれる。

「アスラン!」

の通信に返事がない。

「...ミネルバに!」

「へ..?」と頭の回っていない感じの返事がある。

「カガリさんの安全を重視しなさいお馬鹿!あなた護衛でしょう!!ミネルバ付近は戦闘が展開されていないから被害も少ないし。代表が居るならどうせ議長と話をしに来てるんでしょう?たぶん、議長も安全な場所にとか言われてミネルバ辺りに居るはずよ。ブリッジに通信入れてみなさい」

「分かった!」

アスランへのミサイルを撃ち落しながらがそう言い、アスランはこの戦域を離脱して進水式を迎えるはずだったミネルバへと向かった。


「シン!」

空中戦へと移った4機に向かっていく。

「空だったらガイアだけを狙いなさい。後の2機は、私が止める。捕獲できたら捕獲するけど、2機一遍にっていうわけには行かないから足止めだと思ってて」

「分かった」

「念のために言うけど、今までこんな戦闘演習になかったとか言わないでね」

の最後の言葉には返事をせずにインパルスはガイアに向かっていった。

「さ、足止めね。案外得意なの」

は呟き、カオスの長距離砲へと照準を合わせて撃った。

同時にアビスの背にも砲撃がある。

後方からザクファントムがとザクウォーリアが来ていた。

量産型のものと色が違い、それでレイとルナマリアだと分かる。

「よくも舐めた真似を!」

何があったか知らないがかなりのご立腹の様子のルナマリアだ。

こちらは4機、あちらは新型とはいえ3機。少しは楽になるかと思った矢先、故障をしたのかガイアの動きが止まった。

「シン、捕獲して」

が声をかける。

シンはカッターをガイアに向かって投げたが、その間にカオスが入り、カッターを弾く。

しかしすぐに何らかの原因で動けるようになったのか突然ガイアが戦域を離脱していった。

がいち早く反応をしたが、カオスに続いて戦域を離脱するアビスの砲撃で上手く追撃できない。

後方を見ればルナマリア機の動きが鈍い。というか、煙を吹いている。

どうしたものかと思ったが、1機だけでも取り返しておいたほうがいいだろうと判断したはとりあえず、港まで追ってみることに決めた。

その外は、きっと母艦が待ち構えているだろうし、ノルンのエネルギーもそんなに持たないだろう。

シンとレイもそれに続く。

先ほどまですばらしい戦闘を繰り広げていたガイアの動きがどこか錯乱したようなそれで、コロニーの壁に向かって砲撃を繰り返している。

シンの要請によりインパルスが換装してフォースインパルスとなった。

そしてガイアに向かっていき落とそうとしたが、その前にカオスの砲撃でコロニーの壁面に穴を開け、3機が脱出する。

シンとレイはその3機を追ってコロニーから外へと出て行った。

はノルンの計器を見る。

思ったとおりエネルギーがそろそろ限界だ。

なるべく砲撃を少なくしていたというのに。

ミネルバに通信を送り、帰艦する旨を伝えるとミネルバは発進するため早く帰艦するように命じられた。

ブリッジとの通信の中でギルバート・デュランダルの声を拾う。


議長がこのコロニーに居るのは知っているが。こんなに早くその顔を見ることになるとは思っても居なかったらぴすは憂鬱に溜息を吐いた。









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桜風
08.12.22


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