Like a fairy tale 19





ジュール隊がその知らせを受けたのは、本部の観察により軌道が変わったという発見後すぐのことだった。

「なんだと!?」

傍にいたディアッカも言葉なく驚いている。

「それで、こちらの対応は...?」

オペレーターに促す。

「現在、議長がミネルバに乗艦しており、そこと連絡を取り次第議会で方針を可決するそうです」

『ミネルバ』という単語にイザークが思わず眉をしかめる。

その艦には、思い切り説教を食らわせたい人物が乗っている。

「へー、ミネルバに居るんだ。議長」

ディアッカが何だか楽しそうに声を上げるとイザークがキッと睨んだ。

ディアッカは肩を竦める。

「どうするんだろうな」

ディアッカが呟いた。

「砕くしかないだろう」

溜息交じりにイザークが言う。

「だよな。それ以外、衝突は免れない、ってね」

「パイロットたちをブリーフィングルームに集合させろ。いつでも出られるように準備をしておけ」

そういわれたディアッカは「了解」と軽く敬礼をしてブリッジを後にした。

「何故、あのユニウスセブンが...」

呟いたイザークはギリッと奥歯を噛み締めた。


そう時間を置くことなく、ジュール隊に破砕作業の命令が下る。

メテオブレーカーを搭載してユニウスセブンへと向かった。

同じく、この作戦には修理を終えたらミネルバも参加するとの事も聞いた。

ー、イザークが手薬煉引いて待ってるぞー」

その報告を聞いディアッカは小声でそう言う。

勿論、イザークの耳にもそれは届いており、

「貴様!何だ、その緊張感のない態度は!!」

といつもどおりに怒鳴られていた。




ユニウスセブンを目の当たりにしてディアッカが溜息を吐く。

やはり、規模が違う。

そう感心しているとイザークに怒鳴られた。当たり前だ、と。

ディアッカは肩を竦める。

「いいか、たっぷり時間があるわけじゃない。ミネルバも来る。手際よく動けよ」

イザークの言葉にエレベータに乗ったディアッカは軽く敬礼をして

も来るってことだしな」

と言って扉を閉めた。

「やかましい!」

閉まった扉に向かってイザークが怒鳴りつける。

これがいつもどおりの応酬で、慣れたオペレーターたちは本当に仲のいい二人だな、と感心していた。




ミネルバは艦の修理が終了したため、急ぎユニウスセブンへと向かった。

パイロットスーツに着替えに行くはアスランと出会う。

「カガリさんは、大丈夫?」

「ああ、すまない」

「ま、本当に感情に任せて言葉を口にするのは控えたほうが良いわね、彼女は。特に、この艦だと」

の言葉にアスランは困ったように微笑んだ。

「ごめん、言いすぎた」

「いや。それが正論だよ、きっと。けど、みたいにそれが簡単に出来ない人間も居るってことだ」

「そうね」と返し、はその場を後にした。


パイロットスーツに着替えてノルンの最終調整を行う。

「ボルテールとルソーが先行して破砕作業を始めているって情報だ」

メカニックの一人に声を掛けられては思わず「げ..」と呟く。

まさか、こんなに早くお説教を聞く羽目になるとは思っても居なかった。

「あ、でも、隊長自ら出てくるなんてこと...」

ありえないと最後まで言い切れなかった。

イザークは出てくる。

あの戦争のときよりも落ち着きを身に着けた。それはもよーく分かっている。

だが、出てくる気がする。

に説教をするために、何とか理由をつけて出てくる気がする。

「ああ...」

ノルンのOSを調整する手を止めては天を仰いだ。

いつの間にか回避不可能な状況に陥っていたことに、今更ながらに気がついた。




破砕作業を行っているところにMSからの攻撃がある。

そんな予測を立てていなかったディアッカは状況把握を試みた。

そのMSはジンである。

ジンというなら、ザフトの機体だ。

「ったく、どういう事だよ!ボルテール、聞こえるか!!」

すぐさま母艦と連絡を取った。

突然現れたジンからの攻撃で破砕作業が進まない。

オペレーターからの報告を受けてイザークの声を上げる。

どこの所属の期待かと問いただしても、オペレーターからの回答は所属不明だという。

「なに!?」

イザークは驚きに顔をゆがめた。









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桜風
09.1.5


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