Like a fairy tale 20





ミネルバ艦内にアラートが鳴り響く。

作戦開始時刻3分前のため、MSパイロットは搭乗機にて待機との事だ。

はすでにノルンのコックピットの中に納まっているのでそのまま時間を待った。

ふと、緑色のザクに赤いパイロットスーツを着た誰かが乗り込む様子が目に入る。

「まさか...」とはそこの映像を拡大した。

アスランだ。

「何やってんの...!」

は小さく毒づく。

確かに、作業支援なら戦闘ではないし、民間人の手を借りても悪くはないと思う。

が、彼は今はプラントではなく、オーブの人間だ。そんな彼がザフトのMSに乗って行動をするのはどうかと思う。

「誰が許可した..ああ、はい」

は諦めたように溜息を吐いた。

そういえば、アスランたちをブリッジに誘ったのもあの議長だったと聞いた。

「私の次は、アスランですか。アスランは、どうやって連れ戻すのかしら」

は皮肉っぽくそう呟き、モニタの電源を落とした。


『到着後は、ジュール隊長の指示に従ってください』

デッキのスピーカーから聞こえるメイリンの声には「はーい」とどこか遠い目をして呟いた。

『発進停止。状況変化。ユニウスセブンにてジュール隊がアンノウンと交戦中』

すぐさまメイリンの声で指示が変わる。

各機は対MS戦闘用に装備を変更することになる。

ノルンは装備は変わらない。

「艦長、先行します」

がブリッジに通信を入れた。

「待ちなさい。あなた一機で行っても仕方ないでしょう」

艦長がそう止めるが

「艦長。彼女はシルバーレイだ。彼女一機が我々ザフトの何機分の動きをするか、それは君も知っているだろう?」

と議長が言う。

「それに、が向かうのはあの“ジュール”隊だ」

そこまでは言わなくてもいい...

はそんな事を思いながらも表情には出さない。

「分かりました。各機の今回の任務はジュール隊の支援に変わりないわよ、いいわね」

そう話している背後でオペレーターが新しい情報を告げる。

またあの強奪された3機が出てきているという。

「聞いたわね」

「はい」

はそう返事をし、そのまま発進シークエンスを開始した。

。ノルン、出ます!」

艦から出た途端、スラスターを全開にしてはユニウスセブンへと向かった。

その様子をモニタに見たクルーは感嘆の溜息を吐く。

アスランも同じくその様子をモニタで見る。

「相変わらず、と言ったところか...」

何故か笑みが零れた。




「ええい、下がれ!ひとまず下がるんだ!!」

今の装備ではあのジンたちに中々太刀打ちできない。そうパイロットたちに指示をしているディアッカにボルテールからの通信が入る。

ゲイツのライフルを射出するという。それを持ってメテオブレイカーを守れとの指示だ。更に、イザークも出てくると言っていた。

ゲイツのライフルを受け取ったディアッカの機体のセンサーに反応がある。

このスピード、そしてシルエット。

シルエットは多少変わったようだが、それでも照合しなくてもわかる。

!」

通信を入れる。

遠くから伸びてくる白銀色の光はディアッカ機の傍で静止した。

「ジュール隊の支援に参りました。状況は?ちゃんとポイントにメテオブレイカー、打ち込めているの?!」

「状況は、全く見えない。つか、邪魔されて殆ど何にも出来てないってのが現在の状況かもな」

「何やってんの!...ところで、ジュール隊長は大人しくボルテール、よね」

恐る恐るが聞く。

「残念。出てくるぜ。さっきそう通信が入ったし」

ディアッカはとても楽しそうだ。は遠い目をしてモニタから視線をそらせた。

「だから、早めに仲直りしとけって言ったのに」

「もっとほとぼり冷めてからって思ってたの!もういいや。どうせ長く顔を合わせるわけじゃないだろうから。ディアッカはジュール隊の面々に予定通りに破砕作業を行うように指示を出して。私は、とりあえず、後方支援に回るわ。ジンを落とせばいいんでしょう?ミネルバからもあと4機支援に来るから。あと、詳しい状況までは分かんないけど強奪された新型機も出てきているみたいだから気をつけて」

「りょーかい!」

との通信を終えてディアッカは再びジュール隊のMSに破砕作業の指示を向けた。

がジンの頭部を破壊しているとセンサーに機影の反応がる。

照合するとザフトの機体。

そして、所属はジュール隊。

来た...!!

は戦闘とは別の緊張感を覚えた。

!!」

早速怒鳴られた。

「貴様、何をのこのここんなところに!!」

「えーと、久しぶり!」

「ふざけるな!、俺が何を言いたいか分かっているだろうな!!」

イザークがノルンに近づいている中、ジンからの攻撃がある。

イザークは振り向きざまにそのジンを撃墜した。

やばい、本気で怒っている。

「パーソナルカラー、スカイブルーなんだね。うん、良いんじゃない。爽やかで」

「二言目がそれか!!第一、何故その機体がまだあるんだ!!」

「や、それは私に言われても...ほら、アレだ。記念に取ってたんじゃない?」

はそう言ってメテオブレイカーに近づくジンの推進部分を撃った。失速するジンをジュール隊の誰かが撃ち落す。

「またそんなぬるい戦い方を!」

「いや、ね?昔から私の信条は変わらないのよ、うん」

そのの言葉に何か言おうと口を開いたところに、アラートが鳴る。

センサーに3機のMSの反応がある。

「あれよ、強奪されたやつ」

「...アレを捕獲すればミネルバは予定通り月軌道に配属されるんだな?」

イザークがそんなことを言う。

「や、それはどうだろう。ついでだから色々動けとか言われそうな予感はあるけど」

がイザークの考えを否定するが、イザークは既に自分の中でミネルバは月軌道への配属が決定しているようだ。

「ああ、お馬鹿...」

イザークに対しては久しぶりに言うその言葉を零してはそのまま工作隊の護衛につくことにした。









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桜風
09.1.5


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