Like a fairy tale 23





はディアッカから受け取ったメテオブレイカーを設置するため飛行していた。

やはり地球の重力が働くようになると機体が重い。

途中、アスランを発見した。

上手く設置しきれていないメテオブレイカーの修正を行っているようだ。

「アスラン、帰艦して。それは私がやっておくから」

の通信にアスランは驚く。

、帰還命令が出ていただろう!?」

「私は艦長から許可を受けているの。あなたはオーブの民間人。これ以上、危ない目に遭わせるわけにはいかないわ」

がそう言ってアスランの上方に着いてメテオブレイカーの姿勢を正すべくエンジンの出力を上げた。

「何をやってるんです、あなたたちは」

不意に入った通信には振り返る。

「シン、丁度良いところに。この人、ミネルバに連れ帰って」

の言葉にアスランが「!」と抗議をする。

「へ?」と何だかよく分からないといった感じにシンが聞き返した。

「だから、何をやってるんですか。帰還命令も出たし、通信も入ったでしょう」

「ああ、分かってる。だから、君は早く戻れ」

艦主砲が向けられるため、吹っ飛ばされるとシンが警告する。勿論、これはアスランだけではなく、にも向けられているものだが、は全くそんなことは分かっていない。

だから、

「ほら、アスラン。シンも心配してくれてるのよ。ここはノルンが直すから」

「あんたもだよ、!」

名前を言われて初めて、さっきの言葉には自分も含まれているのだと気づいた。

「ミネルバの艦主砲と言っても、外からの攻撃では確実とは言えない。これだけでも...!」

「あー、もう。わからずや!」

は思わずアスランの機体を蹴っ飛ばした。

!」

蹴っ飛ばされたアスランはこれこそ抗議をした。

が、は聞く耳を持たない。

「シン、それ連れてかえって。ミネルバで物凄く心配している人が待ってるんだから」

ノルンに蹴っ飛ばされた機体を受け止めたシンが呆然とする。

だって、イザークが心配しているだろう!」

アスランが言い返す。

「私は、ザフトのシルバーレイよ。分かるでしょ、その名前の意味。...それに、守りたいものがあるから、この服を着てるのよ。私の場合」

はそう言って最後のメテオブレイカーを手にするため降下した。

ちなみに、アスランを蹴っ飛ばした反動も利用したため、問題のメテオブレイカーの姿勢は直った。

が、そこに砲撃がある。

「邪魔をするな」

静かにが呟いた。凍えるようなその声はアスランすら初めて聞いたものだ。

ノルンがライフルを抜く。

「わが娘の墓標。落として焼かねば世界は変わらん!」

敵機パイロットの誰かが叫んだ。

はそれに反応することなく一機、ライフルと頭部を撃ち落す。

「ここで撃たれたものの事を忘れ、撃ったものたちと偽りの世界で何故笑うのか、貴様らは!」

シンとアスランは衝撃を受ける。

脳裏に、血のバレンタインの光景が広がった。

はその間に、もう一機撃った。ノルンを巻き込むように突っ込んできた機体を殴り飛ばす。

「何故気づかぬのか。我らコーディネーターにとって、パトリック・ザラのとった道こそが唯一正しきものと!!」

生き残った最後の機体で、尚もパイロットがそう叫び訴える。

応戦していたアスランの動きが止まった。

は腰のサーベルを抜いてその機体に向かう。“シルバーレイ”の名に恥じないその動きにシンは息を呑んだ。

「勝手に決めるな!」

はそう言って両足と両腕を切り落とし、頭部も破壊した。

「人の生きる道、選ぶ道はたくさんある。その中で唯一正しいものなんて生きているうち分かんないもんなのよ!勝手に私の生きる道まで決め付けてないで頂戴」

そう言って胴体部だけになった機体を蹴っ飛ばした。

「アスラン、馬鹿みたいにさっきの言葉を真に受けないのよ。シン!アスラン連れて早く戻って。私は最後のメテオブレイカーを設置してくるから」

そう言ってはザクをインパルスに向かって投げた。

そしてノルンはその2機に背を向けて遠ざかっていった。アスランとシンは、それをただ呆然と見送ることしか出来なかった。









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桜風
09.1.19


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