Like a fairy tale 44





ノルンの調整が終わってはシャワールームに向かった。

大抵は部屋についている物凄く狭いもので済ませているが、今日は何となく気分転換だ。

シャワールームに入ると、ホーク姉妹が居た。

ルナマリアは丁度髪をタオルで拭いている。

「ちょっと待って!」

入ってきた途端、がルナマリアに駆け寄る。

「な、何...!?」

「ブローさせて!!」

真剣な眼差しで迫るに押されてルナマリアは言葉もなく呆然と頷く。


ドライヤーを宛てながら声を掛ける。

「ど?痛い?気持ち悪い?痛いところない??」

「うーん、別に。あ、ちょっと力、強いかも...」

「え、どれくらいが丁度良い??」

遅れてシャワーブースから出てきたメイリンが首をかしげる。2人は何をやっているのだろうか。

「メイリンもあとブローさせて!」

「え。うん、いいですよ」

とりあえずタオルで髪を拭きながら彼女も頷いた。


が大騒ぎをしながら2人の髪をブローし終わる。

された方はぐったりとしていた。

もう1回シャワーを浴びてリフレッシュをしたいとも思うが、ここでまたシャワーを浴びでもすれば「ブローさせて!」とか言い出しそうなの雰囲気に二の足を踏む。

後で時間があったらまた来よう...

「けど。一体どうしたのよ、突然」

服を脱ぎ始めたに向かってルナマリアが声を掛ける。

彼女たちは既に軍服を纏っていった。

「うん、ブローが下手だからさせてもらえないのよね。帰れたときには、是非ともしたいのよ」

「誰の?...あ、ご主人の?」

色めいた話題になりそうで、メイリンが楽しそうに反応する。

だが、「イザークは十分上手だし。私のほうが下手だからしてもらう方だなー」という返事にがっかりした。

「じゃあ、誰にするんでデスカ?」

厭味たらしくルナマリアが聞いた。惚気るな、と言いたいようだ。

「娘よ」

「「娘ぇ!!??」」

さすがにその情報は知らなかったらしく2人は声を揃えて叫んだ。

そしてすぐさま服を脱いでいるの体を眺める。

子供を1人産んだとは思えない体つきだ。

「何見てんの?」

「え、いや」

がお母さんって全然想像つかないなって...ご家族の写真は?可愛い??」

「可愛いよ。けど、持ってきてない」

2人は意外だと顔を見合わせた。

大抵子供を持っている軍人は、写真を持ち歩いていると聞いたし、そういう現場もこの艦内で何度か目撃をした。

子供や奥さんの自慢話をしている人だっている。

「何で、持ち歩かないんですか?」

「娘さんの顔、いつでも見たいって思わないの?」

「思うよ。だから、持ち歩かないの。見たいから、抱きしめたいから生きて帰るんだし。私の場合はそんなつもりでいるからね」

そう言ってはシャワーブースに入っていった。

「じゃあ、ブローは今までした事ないの?」

声を掛ける。

シャワーの水音でかき消された言葉にがもう一度聞き、ルナマリアが先ほどの言葉を声量を上げてもう一度言う。

「ああ、うん。まだ小さいしね。それに、さっき言ったけど下手だからイザークがダメだって言うの。子供にそんな力を入れて櫛を梳くのかぁ!とか。だから、練習。家に居たときはイザークが練習台だったけど。合格点が中々もらえなくてね。ま、気が向いたら練習に付き合って」

も声を張ってそう言った。

ルナマリアとメイリンは顔を見合わせる。

確かに、子供に対してだったらあれは下手だ。

「気が向いたらね」とルナマリア。

「時々、なら」とメイリン。

2人がシャワールームから出て行ったあと、は溜息を吐く。

「そんなに痛かったかな...?」

いつも適当に髪を乾かす自分だから本当に分からない。









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桜風
09.3.9


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