Like a fairy tale 45





作戦が開始される。

作戦ポイントに向かう途中で現地の協力者からの説明をかねてのブリーフィングが行われる。

もパイロットスーツに着替えてブリーフィングルームへと向かった。

一番前の席に着席して待つ。

副長とアスラン、そして少女が入ってきた。

着席を促して副官が現状の説明を行う。

途中、アスランに交代して彼からの説明に代わった。


アスランの説明を聞きながらは嫌な予感が頭をよぎった。

しかし、まあ。相も変わらずアスランに反発しっぱなしのシンに少し溜息を吐きたくなる。

確かに、思っていることを言うように言ったが、こういうことではない。

そして、協力員の少女が機嫌を悪くしていた。

アスランが彼女の名前を呼ぶ。シンにデータを渡してくれというと彼女が反発した。

その言葉にシンがムキになる。

「シン。良いから座りなさい。さっきからのあなたの態度なら、不安がられても仕方ないわ」

が止める。

シンは憮然としてそっぽを向く。

「この作戦が成功するかどうかはこのパイロットにかかっているんだろう?大丈夫なのか?」

「ミス.コニール」

アスランが嗜めるように彼女の名前を呼んだ。

彼女が渋々アスランにデータを渡し、アスランがシンに渡そうと差し出した。

しかし、シンはまたしてもアスランへの反発心からか、そのデータを受け取ろうとしない。

それどころか、アスランかがすれば良いと言い出した。どうせ、シンには無理だろうと心の中ではそう思っているのだろう、と。

が口を挟もうとしたそのときにアスランが怒鳴った。

アスランは、シンができると思ったからこの作戦をシンに、と言っている。それに、には別の作戦を、と思っていると言う。

来た...

は一瞬眉をひそめた。

アスランはそれを見逃さずに小さく笑う。彼女は自分が言いたいことが分かっているようだ。

、察してくれているようだが。君はシンよりも大変だ」

「でしょうねぇ。何ですか?あの陽電子砲の狙撃?リフレクター装備のMAの破壊?」

「出来れば両方、と言いたいが。君は敵がシンに気づかないように遊撃を行ってほしい。ようは、援護だな。味方の艦隊にはノルンの動きは全く気にせず砲撃をするように指示を出している。当たらないように、気をつけてくれ。どちらも壊せるものなら、壊してくれて構わない」

“援護”の一言でまとめたか、コノヤロ...

「そういうことはもっと早く指示していただけていたら、色々と助かったんですけど」

「作戦前には、言っただろう?というか、さっき決まったばかりなんだよ。出来るだろう、シルバーレイ。たしか、『出来る、出来ないではなくて、やる、やらない』だったよな?」

はアスランの目を見て思い切り溜息を吐いてやった。

「装備は変更しても?」

「整備班と相談してくれ。君の動きやすいものの方が良いだろう?だが、彼らが出来るかどうかは...」

アスランはそう返す。

しかしはアスランに敬礼を向けた。

「了解しました。インパルスの支援に回り、敵をかき回しましょう。ま、ノルンはそういうのが昔から得意だしね?」

がそう言い終わるとアナウンスが流れる。そろそろ作戦開始地点だそうだ。

は立ち上がってその部屋の通信を使ってドックに装備の換装をお願いしてみる。

そう難しいことではないらしく、了承された。


「あのさ、あいつ本当に『死ね』って言わないと思ってるの?」

「無茶は言うけどね」

はコックピットで装備換装のため補正を行っていた。

そんな中で発進前のシンが通信を入れてきたのだ。

「ま、ポカして死なないように。あの街の人を助けたいとか思ってるんでしょ?」

「うるさいなー」と返してシンは通信を切った。



発進する。

タンホイザーで一度攻撃を仕掛ける。敵MAのリフレクターでそれを防がれ、砂塵が舞う。

その中でノルンはそのまま遙か上空を飛行していた。

遊撃と言われているため、は自分の判断で動く。が、敵陽電子砲がミネルバに向かう。

その砲撃をかわしたミネルバだったが、MAが陽電子砲台へと戻っていく。

MAの傍で爆発が起こった。

ノルンはそれと同時に滑るように急降下をする。

そしてバズーカをあのMAの背中のリフレクター装置に向けて撃った。リフレクターを破壊されればビームサーベルでも攻撃できる。

その隙にアスランが降下してきてそのMAの腕を切り落とし、応戦し始める。

上空から戦況を見ていたの目に陽電子砲が基地の中に収められていく様子が映った。

「シン、それらは気にしないで砲台へ行きなさい。撃てなくなる!」

が通信を送った。

シンは周囲の別の砲台を破壊していた。

シンの周辺のMS及び砲台は上空からノルンが撃ち落していく。

それでもシンは周囲のMSへの攻撃をしていくため、は舌打ちをした。

仕方ない、と自身が急降下して敵の砲撃の間を潜り抜け、収容されていく敵陽電子砲の砲台に持っていたバズーカーを叩き込んだ。

「シン、離脱しないさい」

の言葉にシンは慌ててその場を離脱した。

途端に、大きな爆発が起こる。

仕方ない、とは溜息を吐いた。

今、自分の周囲には自分の我侭を許して助けてくれる人物は一人も居ないのだ。

遠くで虐殺されていく地球軍兵士を眺めながらは溜息を吐き、モニタを切った。

切る寸前に見たのは、あの街の大人たちに囲まれた笑顔のシンだった。

はその光景に背を向けてミネルバへと帰投した。









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桜風
09.3.16


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