Like a fairy tale 54






ハイネの正式な着任も終わり、アスランと共にレストルームにやってきた。

「さすが、ミネルバは最新鋭だな。ナスカ級とは大違いだ」

レイの敬礼にハイネは返してアスランと話を続ける。

ルナマリアとシンから向けられた敬礼にそれで応える。

「あれ、は?」

「彼女はドックか自室ですよ。呼んできましょうか?」

「ああ、いいよ。このオレが来たのに挨拶なしか。ったく、生意気な。後で見つけたら文句を言ってやるから」

笑いながらハイネが言う。

「ヴェステンフルス隊長は、今まではナスカ級に?」

ルナマリアの言葉にシンが困惑していた。アスランもそれに気づく。

「ハイネでいいよ、そんな堅苦しい。ザフトのパイロットは、それが基本だろう?」

そう言ってルナマリアの名前を確認する。

「オレは今まで軍本部だよ。この間の開戦時の防衛戦にも出たぜ」

そう言って室内を見渡す。

シンがアスランに聞くと

「ヴェステンフルス隊長の方が先任だ、シン」

アスランの言葉にハイネが振り向きざまに「ハ・イ・ネ」と注意する。

その言葉を受けてアスランは俯く。

「え、でも何。お前、“隊長”って呼ばれてんの?」

ハイネの言葉にアスランは歯切れ悪く応え、戦闘指揮を執っているため、自分たちがそう呼んでいるとレイがフォローする。

「そうやって壁を作って。仲間外れにするのは良くないんじゃないの?」とハイネが皆に問う。

今までそんな事を考えてもいなかった。

が軽く彼と口を利いているのは、同期の誼だと思っていたが。もしかしたらそこまで考えていたのかもしれない。

ハイネは続ける。

地球軍とは違って、戦場に出ればザフトのパイロットはFAITHだろうが、赤服だろうが、緑だろうが同じだろう?と。

だからみんな同じで良いんだよ、と言う。

「あ。それとも何?出戻りだからって、いじめてんのかぁ?」

傍にいる3人を見渡してそう言うとシンがそんなことはないと言う。

「なら、“隊長”なんて呼ぶなよ。お前もお前だな、アスラン。何で名前で呼べって言わないの」

アスランは少し寂しそうに「すみません」と俯いた。

「ま。今日からこのメンバーが仲間って事だ!息をあわせてバッチリ行こうぜぇ」

そう締めてハイネは歩き出す。

「オレも、ああいう風にできれば良いんだけどね。ちょっと、中々...」

アスランの言葉にシンが少しだけ意外そうな表情を見せる。


そこへ丁度がやってきた。

ノルンのコックピットに居たがのどが渇いたからレストルームで何かドリンクを、と思ったのだ。

「あー!オレ様の出迎えをしないで何をしていたんだ、!!」

「あ。今日でしたか。失礼いたしました、ハイネ・ヴェステンフルス隊長。以後、よろしくお願い致します」

が馬鹿丁寧にそう言って敬礼する。

「おっまえ。今のオレの言葉を聞いていた上で、わざとだろう?」

ずい、と至近距離でを睨むハイネにはにこりと笑うだけで答えずに自動販売機へと向かう。

「ヴェステンフルス隊長。後で隊長のグフのOSを見せてください」

「オレの事をハイネ、と呼んだら見せてやる」

「見せてくださいね、ハイネ」

はさらりとそう言って部屋を出て行こうとする。ハイネは「うむ、よろしい」と言いながら頷いていた。

アスランとすれ違う際、

「アスランがあんなに陽気だったら私はついていけないわ」

とこっそり言ってそのまま部屋を出て行った。

の言葉に思わず振り返ってアスランとシンは呆ける。

「確かに、何かしっくり来ないな...」

シンの呟きにアスランは噴出し

「そう、かもしれないけど。彼のああいうところは、本当に羨ましいよ。も、そういうのが上手だしな」

そう話をしているとハイネに呼ばれる。

案内しているのはアスランだろう、と言われてアスランとシンは慌ててハイネたちの元に駆け寄った。









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桜風
09.4.6


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