Like a fairy tale 62





マルマラ海を南下する進路をとった。

ジブラルタルへと向かう道だ。

適当に簡易食を口に放りながらはノルンのOSの関数を変えていく。

クレタ沖でコンディションレッドが発令された。

はドリンクで口の中のものを押し込んで一度ドリンクと簡易食のくずを捨てに降りる。

「また途中なんだけど...」

呟いてノルンのコックピットに収まった。


インパルス、セイバー、そして、ノルンの出撃を促すアナウンスが流れた。

発進直前でオーブから砲撃があり、MSの発進が停止されその後大きな揺れがある。

それが収まって出撃命令が出た。

上空に上がり、は驚く。

艦の上面装甲に既に大きな被害が出ている。

「もう、こんなに?」

敵のガンダムはあと2機になったがそれぞれが良い動きをする。

は相変わらずミネルバの護衛として艦への砲撃と近づくオーブ機を追撃していく。

もう迷わない。ノルンの動きも凄く軽くなった気がした。

「アスラン!そんなにオーブと戦いたくないのなら、下がりなさい。ノルンが前線に立つ。こんなところで落とされても馬鹿みたいな上に、迷惑よ」

が通信を入れた。

しかし、アスランは返さない。

本当なら、ノルンも前に出ればもっと楽に落とせると思うのだが。如何せん数に差がありすぎる。

ノルンが離れたら艦を360度見ながら守ることが出来るMSが居なくなる。

さすがにそれは心許ない。

がミサイルを落とすから艦への被害も比較的小さくてすんでいるのだ。

艦長はそれが分かっているからノルンを前線に、とここで言えないでいる。


右舷後方よりムラサメが迫ってくる。

取り付かせたらこの場所で更にこの敵の数で致命的だ。

はノルンのスラスターを開いた。

滑るように空を駆けていき、次々にそれを海の中に落としていく。

そんな中、別の方角から砲撃があった。

「フリーダム...」

は呟く。

あの戦闘後、アスランと話をしたはずのキラ・ヤマト。彼が再び姿を見せたということは、が思ったとおり彼らの話は決裂したのだろう。

そして、またしてもオーブ代表が攻撃をやめるようにオーブ全軍に呼びかける。

突然シンがオーブ代表と名乗る人物が乗る機体に向けて砲撃を向けた。

それを守るように出て来たフリーダムがインパルスに迫る。

しかし、その攻撃をインパルスは避け、セイバーがフリーダムへと切りかかる。

その2機を落とそうとカオスが攻撃を仕掛けるが、フリーダムの一撃によって撃墜された。

フリーダムはインパルスを追い、それを止めようとセイバーが間に入る。

「艦長、あの艦はどのように」

が通信を入れた。

ミネルバと敵対する確たる意思が無いにせよ、前回の戦闘ではあの艦の砲撃でミネルバは甚大な被害を被った。よって、敵艦と見なして対処するとのこと。

海から大きな水柱が上がった。

インパルスのシグナルはまだある。

「アビス...?」

は呟き、海面を見た。

おそらくそれだろう。アビスの残骸らしき物が浮かんでいる。

では、奪取された機体はあと1機。

今はフリーダムによって落とされたため、この戦闘には出て来られないだろう。

「じゃあ、残るはオーブ軍か」

シンはフォースシルエットを射出させてそれを装備した。

艦からデュートリオンビームを受けてエネルギーの補充を済ませ、地球連合軍のMS群へと向かっていった。

特攻してくるオーブ機とミサイルがミネルバに向かうが、戻ってきたインパルスとノルンはそれらを落としていく。

、空は任せる。ミネルバ、ソードシルエット射出!全艦叩き切ってやる!!」

シンはそう言って換装し、オーブ艦群に向かっていった。


上空で戦闘を繰り広げていたセイバーがフリーダムに落とされる。

「ちょっと、回収してきます」

フリーダムはコックピットを狙わない。だから、はセイバーの胴体を回収しに行った。

重力に任せて落ちていくそれをノルンのスラスターを開いては支える。

「私、言ったよね。こんなところで落とされても馬鹿みたいな上に、迷惑だって。脱出は自力でなさい」

キツイ厭味をアスランに向けては戻る。

セイバーの胴体を甲板の上に置いては再び空へと上がり、向かってくるオーブ軍空母からのミサイルを迎撃していく。

これ以上艦に被害が出たら沈みかねない。

空母への砲撃を向けながらはモニタに映るストライクルージュを見る。

「あなたは、何をしたいの?何を守りたくてそれに乗っているの...?」

呟いてオーブ軍空母へとまた砲撃を向けた。









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桜風
09.4.20


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