| がドリンクを買って戻るとシンたちの部屋からアスランの声も聞こえてくる。 こんなことならレイ用に、とコーヒーでも買ってきていればよかった。レイは要らないといっていたからそれをアスランに渡せばよかったんだし... しかし、ドアを開けて話の内容が耳に入るとそうのんびり考えていられなくなる。 アスランはシンがフリーダムとの戦闘シュミレーションを行っているのが納得いかない状況だ。 その理由を糺しているが、シンは淡々とそれに応える。 アスランがシンの胸倉を掴もうとして逆にそれを振りほどかれる。 「何ですか!」 「えー...此処は年長者として止めたほうが良いのかしら?それとも、最後まで拳で勝負とかしてみる?」 止める気が有るのか無いのか分からないの声にアスランが振り返った。 「シン」と声を掛けて先ほど購入してきたオレンジジュースを投げて渡す。 「、何で...」 がこの部屋に当たり前に来ている状況に困惑した。 「にも手伝ってもらうんですよ。シュミレーション。なら、このフリーダムのパイロットと互角の腕を持ってる。ただ、フリーダムよりもノルンのほうがパワーが小さいだけだ」 アスランが本当かとを見る。 は肩を竦めてそのままシンのデスクのモニタを見た。 「オレの知る限り、今一番強いMSはこいつです。何かあったとき、あれを討てるパイロットがザフトに居なくちゃ、困るでしょう?だけじゃなくて、他にも居たほうが良いに決まってる」 シンがアスランを睨みながら言う。 「アスラン、フリーダムを討つのが嫌だったらザフトを辞めなさい」 モニタに目を向けたままが言った。 「なっ!?」 アスランは驚きのあまり言葉が出ない。 「どういうことだ!」 「アークエンジェルはやり方がまずいわ。これだと、遠くない未来にアークエンジェルとフリーダムの追撃命令が下るでしょう。それは、あなただって何となく分かってるでしょ?」 チラリとアスランを見る。 彼は俯いていた。 「そうなった場合、まあ。へんな言い方だけど一番因縁があるのがミネルバでしょ?たぶん、アークエンジェルの足に対抗できるのも、この艦ね。だから、きっとミネルバがその命令を受けるわ。見たくないものを態々好んで見なくてもいいのよ。あなたはFAITHなんだから、あなたがミネルバから離れても別に文句は出ないわ。少なくとも、そういう勲章でしょ?」 「しかし!」とアスランは何かを言いかけたが 「とりあえず、今はこの部屋から出たほうが良いと思う。静かになるし」 とが遮った。 「だが、キラは敵じゃない!」 アスランがに言う。 「敵対するつもりが無くても、邪魔をされれば敵になる。ダーダネルス、この間のクレタ。フリーダムは何をした?アークエンジェルはどう動いた?...ねえ、アスラン。2年前、あなたは何を学んだの?」 静かなの言葉にアスランは何も返せない。 「アスラン、」とが促し、アスランは踵を返して部屋を後にした。 「...2年前って何?」 キーボードを叩きながらシンが聞く。 「前の戦争があったでしょ?」 シンはの顔を向けたが、はそれ以上何も応えない。ただ、シンのデスクの上のモニタに目を向けているだけだった。 シンもモニタに視線を戻した。 「フリーダムは」と呟く。とレイはシンを見た。 「オレが、倒す」 憎しみの想いをこめたその言葉にはそっと溜息を吐いた。 暫くシュミレーションをしてに意見を聞く。 「ノルンでは無理でも、インパルスなら、きっと可能だね」 の言葉にレイとシンが驚いた。 「何で?!ノルンの方が性能は良くない?...パイロットの腕も」 最後は悔しそうに言った。 「パイロットの腕と、うん。ノルンの性能。確かにシンの言うとおり」 「謙遜くらいしようよ」 シンが恨みがましく言う。は笑った。 「けど、ノルンよりもインパルスの方が可能性は高い」 「だから、何で!?」 「宿題。簡単に答えをもらえるのはアカデミーの最初だけよ」 はそう言って部屋を後にした。 ドアを開けて振り返る。 「シン。『私よりシンが』ではなく、『ノルンよりインパルスが』だからね?」 そう念を押して部屋を出て行った。 シンは腕組みをしながら、目の前にあるモニタを眺める。レイも暫く、シンと同じようにモニタを眺めていた。 |
桜風
09.5.11
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