| パーティの当日、イザークは予告どおりステーションでを待っていた。 そして、と共に現れた人物に少なからず驚く。 「お久しぶりです、カイン殿」 イザークはすぐにとその父の元へと向かい、挨拶をする。 「ああ、イザーク君。卒業、おめでとう。この間はすまなかったね、この子にこんな素晴らしいドレスをプレゼントしてくれたそうじゃないか。私は今朝聞いたので御礼が遅れたよ。ありがとう」 「いえ、」と首を振りながらイザークは答え、を見る。 「何よ」とは少し頬を膨らませていた。 何だろう。何か機嫌を損ねる事を早々にしてしまったか? そう思っていると「照れているのだよ」とカインに耳打ちされてなるほど、と納得した。 会場に着いてホールの中に入る。 一瞬、時間が止まったように静まり返った。 皆の視線がカインに注がれる。それは、軍の高官になるほどその率が高い。 「よー、カイン」 不意に声を掛けてきた人物がある。 「ホーキンス」 カインはそう言って口元を緩めながら目を眇めた。 「何だ、珍しいな。お前はザフトの会合が嫌いだろう」 イザークがに視線で問う。は首を傾げた。 「ん?もしかして...」 を見てホーキンスと呼ばれた人物は目を丸くする。 「か?でかくなったな!いや、こういうときは『美しくなったな』、というべきか?」 ニヤリと笑って言う人物に、よく分からないけど、ザフトの軍人だというコトだけは確かなので敬礼をした。 彼は少し驚いたように目を丸くして、敬礼を返す。 「ホーキンス。娘に変な事をするなよ。婚約者が黙っていないぞ」 益々面白そうに目を輝かせてホーキンスはを見る。 「婚約者だと?!ナマイキな。何処に居る?どんなヤツだ」 興味津々の彼にカインはの隣に立っているイザークに視線を向けた。 突然水を向けられる形になったイザークは姿勢を正して一礼をする。 5秒ほどの沈黙の後、 「エザリア・ジュールの息子じゃねぇか!?」 と頓狂な声が上がり、とイザークは目を丸くした。 「私を、ご存知なのですか?」 「いや、顔を見て分かっただけだ。へー、ほー。、オレの方がいいぞ。金と地位がある。顔だって悪くないし、大人の余裕ってものも持ってるしな。どうだ?婚約破棄してオレに乗り換えんか?」 イザークが隣に居るのにホーキンスはを口説こうとする。 「そのシャンパンのビンで頭をかち割られたくなかったら今すぐ黙れ」 カインがそう言うと、彼は両手を挙げてから離れる。 「、友達のところに行っていなさい」 そう言って少し離れた集団に目を向ける。 が振り返るとディアッカとラスティが手を振っていた。 「はい。では、ホーキンス..えっと...」 「隊長だ」 「失礼しました。ホーキンス隊長。失礼致します」 が敬礼をし、イザークも「失礼します」と敬礼をして傍を離れた。 「本当にでかくなったな」 「か?まあ、あれから..12年だ」 少しだけ、寂しそうな表情をしてカインは応える。 「パトリックは、来てないのか?」 「今日は評議会があるらしい。だから、エザリア殿もいらっしゃっていない」 「ああ、なるほど」と呟きながらホーキンスとカインはホールの隅へと向かう。 「息子は、アカデミーでトップだったらしいぞ」 カインの言葉にホーキンスは小さく笑う。 「パトリックか?お前の娘もだろうが」 彼の言葉に返事をしない代わりにいま手にしているグラスを少しだけ傾けた。 「ああ、アイツだ」 ホーキンスが視線を向けた人物を見る。 「彼が、何だ?」 「の上司だ。ラウ・ル・クルーゼ」 「若いな...」 しかも、仮面をしている。まあ、それは人それぞれか... 「最近台頭してきた若手隊長だ。と、いっても隊長歴が浅いわけでもない。まあ、ウチもそう老兵はいないからな」 「にしても、若そうだ。少なくとも、つい最近隊長になったどこぞの誰かとは違うというコトか?」 カインがからかうように隣に立つ人物に視線を向ける。 「うるせぇ...」 拗ねたホーキンスは手にしていたグラスを一気に煽った。 「よー、揃って」 「、綺麗だなー。ドレスが」 ラスティの言葉にはニコリと微笑んで「どうもありがとう」と抑揚のない声で返した。 「てか、の親父さん。流石だな。ザフトの関係者が一斉に注目したぜ?」 うん、とは頷いた。本当にビックリした。 振り返ると白い服のザフト兵やその他、国防委員の制服を着た人物もの父の周りに集まって談笑をしている。 まさか、ここまでとは思わなかった。 は改めて自分の父親の凄さを目の当たりにして、そして今後の自分を思い、こっそり溜息を吐いた。 |
桜風
08.1.25
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