Like a fairy tale 79






ミネルバが先駆けとしてオーブに向かうことになった。

「何で、オーブが!」

シンがショックを受けている。

「今度は、私たちがあの国を焼くのね」

の言葉にシンが衝撃を受け、ルナマリアに睨まれる。

「その言い方はないんじゃないの!?」

「事実、でしょ?シン、あなたの着ている服とその左胸の徽章。重いでしょ?戦争、そして軍人ってそういうものなのよ。もういい加減分かってるわよね」

はそう言って部屋を後にした。



ミネルバがオーブのオノゴロ沖近くまでやってきたころ、オーブ政府からの回答があった。

それを聞いてはノルンのコックピットの中で笑った。

「アークエンジェルのときと同じ回答じゃない!」

この回答を聞いてイザークは激怒し、アスランと対立した。

このまま突っ込んでいけばそこに居る、それでいいだろうとディアッカも言っていた。

「今回は、潜入なんてまどろっこしいことはしないんだけどね、こっちも」

そう呟いては目を眇めた。

「...あれ?代表代理は政治家じゃなかったっけ?」

首を傾げては呟いた。



暫くしてオーブ沖に着いたとアナウンスがあり、コンディションレッドが発令される。

パイロットスーツに着替えてブリーフィングルームに詰めていた。

は一人ソファに座って何かのデータを纏めている。

シンたちは外部映像を眺めながら戦況について語り合っている。

「初手から4機出るまでもない。オレが出でる」

そう言ったのはレイだった。

も、いいな?」

「いいよ。どうぞ」

はそう返した。

しかし、

「いや、オレが行く」

そう言ったのはシンだった。

彼はオーブ出身で。だから、ルナマリアは気遣わしそうに声を掛けた。レイも、シンは出ないほうが良いと言うが「オレが出る」とシンは言う。

「じゃあ、任せたら?」

手元のモニタを見ながらは声を掛けた。

!」

咎めるようにルナマリアが声を上げた。もっと彼の事を気遣えとでも言いたいのだろう。

「本人がそう言ってるのよ」

が返しているうちにシンがエレベータに乗ってドックへと降りていった。

!」

「せめて自分が、って思ってるのよ。きっとね」

の言葉にルナマリアが絶句した。

「せめて、あの国を焼くなら自分の手でって思ったのよ。シンは。彼なりにケリをつけたいんじゃないの?自分の過去に。それに、シンが躊躇ったりして危なくなったら私たちも出ればいいんだし。...それに、シンはFAITHよ。それに対抗できるのは同じくFAITHのレイだけ。レイは反対するの?」

そうでしょ?と言った感じにルナマリアを見た。

彼女は言葉を失っていた。

レイはそのままブリッジに連絡を入れる。

シンが出撃する。それは、FAITHの権限でシンが志願したことであり、同じくFAITHである自分もまたそれを許可したと。

艦長は渋々と言った表情で認めた。




シンが出撃してすぐに向かってくる黄金のMSがあった。

交戦していたが、圧倒的にシンの方に分があった。とどめを、と言ったところで上空からアンノウンが飛来してくる。

息を飲むルナマリアに気づいては顔を上げて外部の戦闘状況を移しているモニタを見た。

「フリーダム?」

の呟きにレイとルナマリアは振り返り、再びモニタを見た。

はパソコンを閉じて立ち上がる。

「さ、そろそろ出たほうが良いんじゃないの?レイ」

自分よりも上官であるレイに声を掛けた。

「...ああ。だが、シンを戻す。その間、が出てくれ」

レイはそう言ってブリッジに通信を向けた。

「りょーかい」と言ってはエレベータに向かった。


すぐにノルンが発進した。

「ほら、シン。戻って補給と整備。レイの指示よ」

交戦しているシンが返事をしない。

「...蹴っ飛ばすわよ」

「戻るよ!」

の言葉に漸く反応してシンは帰投した。

「...やりにく」

相手の、キラ・ヤマトの実力は今まで散々見てきた。だから、手合わせをしたら必ずノルンがいくらか破壊されるのが目に見えている。

はソードを手にした。

向こうが速いのは分かっているが、ビームは弾かれる。

実弾の搭載数が少ないノルンの攻撃といえばビームが主だ。だから、それを弾く機体を相手にするときはソードとかそういう接近戦しかない。

それなのに、フリーダムは速いからソードすら当たらないだろうなぁ、と思いながらフリーダムに向かっていった。

とりあえず、今のの役割はフリーダムの燃料を無駄に使わせることだから。


ノルンはフリーダムに向かう。

残念ながら、今回のノルンの装備はフリーダムを意識して換装していない。

「重い...」

フリーダム相手ならもっと軽装にしていた。

しかし、文句と言い訳を口にし始めたらキリがない。

初めて刃を交える。

あれだけ長く戦っていたのに、は一度もキラ・ヤマトとは交戦したことがなかった。

、さん!」

フリーダムから通信が入った。

「名前、覚えていてくれたのねぇ。とりあえず、引いてくれると私のノルン的に非常に助かるんだけど!」

何でまた戦闘中に声をかけてくるかな、と少しだけうんざりする。

「あなたこそ、引いてください!僕はあなたを落としたくありません」

「悪いけど、墜ちない!」

そう言ってはソードを振るい、フリーダムのライフルを落とした。

「そんなに砲門があったら、邪魔なんじゃないの?!」

がもう一振りする。

フリーダムはそれを華麗に後方に回転して避け、が邪魔と称した砲門からビームを発する。

やはり、コックピットは狙わない主義は貫くらしい。

ノルンはそれを紙一重でかわしてまたフリーダムと距離を詰める。

しかし、これだけビームを出してこのスピードと出力で。何でまだ補給が必要ないのだろうか。

ノルンはそろそろ艦に戻った方が良いのだが...

シンたちがまだ出てこない。

「ちょっと、それ。何で動いてるの!?」

文句のひとつも言いたくなる。

フリーダムの攻撃をまた距離を詰める。それを繰り返せば確実にノルンのエネルギーの方が削られている。

ためしにビームライフルを撃ったら弾かれた。

思ったとおりだが、やはりむかつく。


MSの接近を知らせるアラートが鳴る。

モニタを見るとデスティニーとレジェンドが近づいてきた。

、交代だ。後は任せて」

シンが通信を入れてそのままフリーダムへと向かっていった。

も補給を。ジブリールはまだ見つからない」

レイからも通信が入る。

ノルンはミネルバへと帰投していった。









Next


桜風
09.6.1


ブラウザを閉じてお戻りください