| ミネルバはカーペンタリアから宇宙へと上がった。 ダークグレーのブレイズウィザードザクファントムとホワイトのグフイグナイテッドがミネルバに着艦した。 MSデッキで懐かしい白銀色の機体を見上げる。 「これ、間近で見るのって久しぶりだな。やっぱ少しフレーム変わったよな」 「そう、だな...」 言葉を交わしていた2人に向かってくる人物が居た。 「ジュール隊隊長、イザーク・ジュールです」 「同じく、副官のディアッカ・エルスマンです」 2人の挨拶に彼は敬礼を返す。 「ミネルバ副長のアーサー・トラインです。ブリッジにパイロット全員集めています。どうぞ。と、その前に、着替えられますよね?」 宇宙で、しかも戦争の最中MSに乗ってやってきた人物はパイロットスーツを着ている。 「ええ、更衣室をお借りできれば」 ディアッカの言葉に彼は頷いてパイロットの更衣室へと案内した。 はブリッジに呼び出された。というか、パイロット全員が呼び出されたのだ。 宇宙に上がってきてすぐの事である。 「艦長、何でしょうか?」 「いいから」という艦長に全員が顔を見合わせる。 「コンドワナから人が来て説明してくれるとのことよ。今のザフトの流れや作戦などなど。今、アーサーがMSデッキまで迎えに行ってるわ」 はぎょっとした。 「艦長、頭が痛いので自室で休ませてください!」 そう言い終わったと同時にブリッジのドアが開いた。 は慌ててしゃがむ。一応、椅子の陰には隠れている。 そんなを不思議そうにシンとルナマリアが眺めた。 部屋に案内されたディアッカは苦笑した。髪が見えてるぞ。 イザークはイザークで目を眇めて呆れたように溜息を吐いた。 「ジュール隊。ジュール隊長、エルスマン副官をお連れしました」 副長がそう言う。 「え、ディアッカって副官だったの!?」 は思わず立ち上がって「あ、」と呟く。 イザークとは目が合った。怒っている。うん、物凄く怒ってる... 「そ、これでも副官」とディアッカは笑いを堪えながら応えた。 「おひさし。てか、隠れてたんじゃないのか?」 「あ、うん」と言っては再びしゃがんだ。 「、いい加減にしろ」 とイザークに怒られて立ち上がり、「失礼しました」とイザークとディアッカに敬礼を向けた。 その様子を呆気に取られて眺めていたシンたちもイザークたちに向けて敬礼を向けた。 2人はそれに応えて床を蹴る。 「ジュール隊隊長、イザーク・ジュールです。ゴンドワナでのブリーフィングの内容を伝えに来ました」 「同じく副官のディアッカ・エルスマンです」 艦長は2人に「ミネルバ艦長、タリア・グラディスです。ユニウスセブンの時には、お話も出来ませんで」と返す。 「ね、アレが旦那さん?」 ルナマリアが肘でを突いて声を掛けてきた。 「そ。でも、現在ご立腹中。大人しく話を聞いてとっとと帰っていただいたら私にとっては非常に平和なの」 こっそり返したの言葉に「ふーん」と相槌を打った。 「ところで、エルスマン副官はそのブリーフィングにも出ていらっしゃったのかしら?」 突然の艦長の言葉にディアッカは少し驚いたが「ええ」と返した。 「では、そのお話はエルスマン副官から伺うこととして。隊長はと少しお話なさったらどうでしょうか」 さすがのイザークも突然のこの話の流れに目を丸くしたが、「艦長!?」というの裏返った声ですぐに落ち着く。 「ですが、任務としてこちらに参りましたので」 「ちなみに、お聞きしますが。誰から命令されました?」 という艦長の言葉に「議長からですが...」とイザークが返す。 あんの、狸オヤジ!!! と心の中で罵ってはいるものの、益々話の雲行きが怪しくなってはイザークから距離を取った。 こうなったら、全力で逃げる! 「では、議長もきっとそのつもりであなたをこの艦に寄越したのよ。以前、議長がご息女から両親を取ったようで申し訳ないともに言っていたし。あなたたちからもご息女を引き離したことに心を痛めているのよ。たぶん...」 艦長の言葉を聞きながらは床を蹴って出口へと向かったが、ディアッカに腕をあっさり掴まれた。 「離そう、ディアッカ」 「やだね」 「私とディアッカって友達よね?所謂、マブダチ!」 「そうだな。ほら、イザーク」 そう言っての体を軽く押す。 イザークは手を伸ばしてを掴んだ。 「ディアッカ!友情を今確かめたばかりでしょ!!庇おうっていう気は無いわけ?!」 の言葉にディアッカは肩を竦める。 「お前らの間に立ったら苦労するの、いい加減学んでんだよ。諦めろ」 「では、少しだけお時間を頂きます」とイザークが言い出したものだからはじたばた暴れだして「ディアッカの裏切り者ぉーーー!」と騒いでいた。 「ここで説教し始めても良いのか?」 イザークのその一言では大人しくなった。 「じゃあ、まあ。20分くらいでを開放してやれよ」 ディアッカの言葉に 「20分は長い!5分、いや1分!!」 とが言うが、イザークは黙殺してブリッジを後にした。 ドアの閉まる瞬間、「ディアッカのハゲー!」という罵声が聞こえたが皆は聞かなかったことにした。 何だか、今目にしていた彼女は、今まで一緒に戦ってきた“・”ではないように思えてくる。 そんな周囲の心境が何となく分かったディアッカは苦笑した。何となくその気持ちは分かる。 しかし、 「つか、禿げてねぇ」 小さく呟いてドアを睨んでおいた。 |
桜風
09.6.8
ブラウザを閉じてお戻りください