| 医務室にを連れて行き、パイロットスーツも脱がす。 ドクターが言うには長い間MSに乗っていて体に負担を掛けすぎたというのだ。ノルンはそれでなくてもスピードのある機体でそれだけパイロットに負担を掛けるという。 まあ、普通に気絶をしている状態でそんなに心配をすることはないという。 内臓に損傷があるわけでもない、脳波にも異常は見られない。脈が少し不規則だが、それは戦闘直後のパイロットにはままあることだという。 イザークは深く息を吐いた。 「馬鹿が...」 小さく呟き、振り返ってディアッカを見た。 「あー、はいはい。隊長は家庭の事情でちょっと戻りが遅くなるって艦長に伝えておくよ。てか、帰還命令出てるけど、どうするよ?」 「...少し様子を見よう。一応、ジュール隊はザフトを離反した扱いになっているはずだからな。俺はともかく、他のクルーたちは何とかしてやりたいが...」 「りょーかい。ま、お前を差し出すっていう命令違反もしちゃったしな」と返してミネルバパイロット3人を引きつれて医務室を後にした。 「あの、は...」 シンが聞く。 「んー?まあ、ドクターもそう心配すんなって言ってたし。イザークついてるし、大丈夫だろうよ。てか、お前らは何でここに居るの?」 「ヴァン・ホーキンス氏に、連れてこられました」 そう言ったのはレイだ。 「...で、そのホーキンス隊長は?」 言われて見れば見当たらない。 「MSで出て行かれたのですが...」 「さっきのステーション落とすときには居なかったけどな。別行動してるのか?」 ディアッカはそう言ってドックに向かう。 「...お前ら、もうちょっとこの艦に居ろよ。まだ流れがわかんないしな」 そう言ってディアッカはボルテールへと向かった。 「で?何ですか?」 評議会議長室へホーキンスとカインは呼び出されいた。 プラント市民として、議会の召集に応える義務がある。 「プラント最高評議会の決定でカイン・を臨時国防委員長、ヴァン・ホーキンスを同じく臨時国防副委員長に任命します。これは、議会から市民へ向けることの出来る特命権限によるものです」 「...拒否権なしってことね。いいのかね、今までそれしたこと無いだろう?」 ホーキンスが言う。 目の前の臨時議長は苦しそうに顔をゆがめた。 「必要になることがあるかもしれない。だから、その制度があったんです。今回、それが必要だと評議会で決定されました」 ホーキンスは少し振り返ってカインを見る。 彼は不機嫌そうな表情を浮かべていた。 「ま、オレたちが受けなかったらまたに水を向けるんだろう?ジュール隊の離反を盾にして」 「...それも、止むを得ないと思っています」 「おー、評議会ってそういう姿勢を取るようにしてるの?カナーバ議長のときとはだいぶ変わったな」 揶揄するホーキンスに対して不快そうに議長が顔を歪めた。 「ホーキンス、いい加減にしろ」 カインが止める。 ホーキンスは「へいへい」と肩を竦めて口を閉じた。 「我々をザフトの頂点に置くといおうことは、どうなるか。それも考えられた上での決定なんですね?」 「...あなたたちは、まだザフトの中で大きな力を持っています。この混乱したザフトを纏めることができるのは、他にありません」 「了解した。拝命しましょう」 カインはそう言って議長に対して敬礼を向ける。 それに倣ってホーキンスも敬礼を向けた。 「私の力の及ぶ限り、ザフトの..プラントの復興に努めましょう」 そう言って二人は呼び出された評議会議長室を後にした。 「お前が受けるとは思わなかった。此処で引き受けたらこの先も、って言われるかもしれなかったのにな」 ホーキンスが言う。 「いい加減、イザーク君にの心配を掛けるのは申し訳なくてね。それに、オレの我侭でが苦労するのは、いい加減親としてどうかと思うようになったんだよ」 カインが振り返って言った。 それを聞いてホーキンスは笑う。 「ま、オレもそれに付き合ってやるよ。まずは、何する?」 「ジュール隊の離反の事からだろうな。デュランダルが駄々を捏ねただけの事だったんだから」 カインの言葉に「確かに」とホーキンスは返す。 医務室のブザーが鳴り、シンが入ってきた。 「あの、ブリッジから。ボルテールに帰投命令が出ているそうです。それで、も連れて軍本部へ戻るようにって...」 「了解した。しかし、もか...ディアッカと連絡を取ってくれ。ボルテールからシャトルでこっちに来いと」 「シャトル、でありますか?」 「お前たちもボルテールに乗って戻れば良いだろう。MSで来るのは効率が悪い。も乗せてもらいたいしな」 イザークの言葉に頷いたシンは敬礼をして医務室を後にした。 「こちら、プラント国防委員長カイン・。アークエンジェル、応答願う」 「国防委員長でしたの?」 艦長が通信に出てそう返した。 「数十分前からな。確認したい。貴艦はオーブに降りられるますね?」 「ええ、そうです。それが、何か...?」 「いつのご予定だ?」 「まだ、未定ですが。早く、とは思っています」 カインは少し黙り込んだ。 「ついでの便で一緒に降りて欲しいんだが」 そう言われて、艦長は詳しい説明を求めた。 彼女は納得し、「本国と、話してみます」と返した。 「了解した。こちらの通信コードは当分変える予定は無い。結果が出次第教えてくれ」 そうして通信を終わらせる。 「...意外とに甘いんだな」 「うるさい。に、というよりもノルンに甘いんだ」 照れくさいのか、ぶっきらぼうにカインが返し、それを聞いてホーキンスが笑う。 「昔からそうだったもんなー」と笑うホーキンスの言葉を黙殺して提出される情報を整理していく。 クツクツと笑いながらホーキンスはそれを手伝い始めた。 |
桜風
09.7.20
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