Like a fairy tale 117





ニコルが時間になったといって慌しく帰っていったため、皆も解散することになった。

アスランはラスティが送っていくと申し出てくれたので、それを頼むことにする。



本部に戻り、は部屋で着替えてそのままドックへと向かった。

ノルンの破壊の日程が決まってからは毎日通っている。

その報告はイザークも受けていた。

まあ、ノルンの中に泊り込まなければ大目に見ようとも思っている。


休暇、というか長時間の休憩から戻ってきて溜まっていた書類を粗方片付けたイザークはドックへと向かった。

ノルンのハッチが開いている。

覗き込むとが居た。

毛布は没収したのでそこで寝ることは難しくなっている。だから、が起きているのは知っている。

「どうしたの?」

が目を丸くした。

「...無理をするな」

イザークの言葉には首を傾げた。

「自分を追い詰めて逃げられないようにしているだろう」

の瞳が揺れた。

「そんなこと、ないよ」

「ある。さっき、あいつらにこいつの破壊の事を話しただろう。その理由も。他人に話すことで自分を納得させようとしていたんじゃないか?」

「...違うよ」

「辛いなら、見なくて良いんだぞ。ノルンは俺がグフで抱えて持ち出せるし、無理にお前が手を下すことはない。俺がやる」

は俯いて、首を振った。

「お願いだから、もう言わないで」

俯いたまま言うに嘆息吐いてイザークは手を伸ばす。

の頬に触れて「悪かった」と一言言い、そのままドックを後にした。



昨日、今回のノルンの破壊についてブリーフィングが行われた。

その際、は自分がノルンを破壊すると言いだしたのだ。

正しくは“ノルンを”ではなく“ノルンのOSを”だが。

OSを破壊した上で、機体を破壊する。慎重に、確実に破壊するためだ。

それを進言したをカインとホーキンスはじっと見た。の中の葛藤を見抜くかのよなその瞳に居心地の悪さを感じては視線をそらした。

カインは小さく溜息を吐いて

「了解した。任せよう」

とカインが応える。

は敬礼をして「ありがとうございます」と返した。

この作戦はジュール隊と今回ザフト所属にしたユグドラシルで行うということになった。

ユグドラシルの艦長をしていたジョン・はザフトに復隊するつもりはなかったので、艦を渡すとそのまま帰っていった。

ユグドラシルの艦長、クルーはまだ決まっていない。

だが、暫定的にミネルバのクルーが今回の任務のためにその艦に乗ると決まった。

そして、カインとホーキンスも同乗することが決まっていた。




ノルン破壊の作戦開始時刻になる。

ノルンを破壊するのでを連れて帰るのにイザークもグフで出ることになっていた。

にとっては、最後のパイロットスーツとなる。

着替えて部屋を出るとイザークが居た。

「行こう」

一言言ってイザークはドックへと向かう。

はそれに続いた。

イザークのグフが発進し、ノルンもカタパルトに乗る。

。ノルン、出ます」

白銀の光が先に発進したグフを追い越して作戦地点へと向かった。



全世界に向けてプラントから全てのメディアを通じてメッセージが流される。

ザフトの、プラントの象徴とも言うべきMSを破壊するというものだ。

プラントにとって、その機体は核の脅威から守った英雄であり、また、先の戦争ではジェネシスを破壊。今回の戦争では、レクイエムを破壊して戦争を終わらせた立役者となっている。

だが、この先戦争というものをなくそうとするプラントの意思を伝えるため、宣言するためにこの機体の破壊を決行することにした。

そんな内容の演説を、現最高評議会議長が行っている。

レコーディング中だったニコルは手を止め、テレビをつけた。

会議中だったラスティもそれを止めてテレビをつける。

プラントや地球、月ではその放送が大型モニタなどで流れ始めた。









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桜風
09.8.31


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