Like a fairy tale 122






食事を済ませて着替える。

今日はコンサートの日だ。

毎年、あの戦争が終わった半年後からニコルとミーアが年に2回チャリティコンサートを開いていた。

だから、ホーキンス家ではそのコンサートは一大イベントと位置づけている。ミーアのマネージャーにはフレイがなった。

彼女は意外とやり手で交渉等がとても得意だし、何よりも行動力があるため、とても向いているようだ。

ミーアのラクスに似せたその容姿は、元に戻した。

「これが、あたしよ!」

手術後、包帯が取れたと聞いて見舞いに行くと胸を張ってそういわれ、は微笑んだ。

「ミーアは太陽みたいな笑顔なのね」

それを聞いてミーアは笑った。カラカラととても楽しそうに。



たちは毎回それを見に行っている。

ホーキンスがチケットをくれるというが、チャリティだからこちらが出すとが断り、イザークもその方が良いといっていた。

「...イザークさんって。そういう格好、驚くくらい似合いますよね」

感心したようにシンが呟く。

イザークは振り返った。

「普通にスーツだろうが」

「や、なんか...違うと思う」

シンの言葉に肩を竦めてイザークはドアを開けた。

すると、その目の前にヴィンセントが立っていた。

「どうした?」

膝を折って視線の高さを合わせる。

「ぼく、こっちできがえます!」

そう宣言をしてそのまま部屋の中に入ってきた。

と話してヴィンセントの着替えはが見るといっていたのだが...

ヴィンセントを見送っていると女性陣が着替えている部屋から着替え終わったが出てきた。

「ヴィンセントは?」

「ああ、こっちに」

そう言いながらドアを閉めて廊下に出た。

「何だ?」

ヴィンセントが何故こちらに来たかを聞いた。

「ああ、ノルンがね。『此処はレディの着替える部屋よ』ってからかって...」

眉間を押さえてそう言う。

「...レディ?」

をまじまじと見てイザークが繰り返した。

「ああ、はいはい。そこまで図々しくないから安心してね!」

投げやりに言うに苦笑してイザークは部屋を振り返った。

「ヴィンセントお願い」

「ああ」との言葉に返して部屋に戻った。

すると、シンとレイが面倒を見てくれている。

「悪いな」

「いえ。ヴィンセントは素直ですから」

レイが応える。

確かに、ちゃんと言うことを聞く子だ。

ノルンと違って...

の性格にそっくりな長女は時々へ理屈を並べる。

と、言っても自分にそれを向けられたことはない。とノルンはへ理屈の応酬をよくしている。

彼女たちなりのコミュニケーションだろうが、イザークは呆れながらその光景をよく見守ったものだ。


着替え終わった各々がホールに集まる。

「レイは車?」

「いいや、イザークさんが連れて行ってくれると仰ってたから」

「じゃあ、こっちに乗りなよ」

シンの申し出にルナマリアも賛同し、レイはイザークに断ってシンの車に乗って会場へと向かうことになった。

イザークが車庫から車を回してくる。

「ノルン」とが声を掛けると

「私、シンお兄ちゃんの車で行きたい!チケット頂戴。ヴィンセントの分も」

そう言ったノルンにチケットを渡すとシンたちの方へと駆けて行った。

「ぼくは、ははうえと...!」

そんな主張をしているヴィンセントも引きずって行ってる。

車から降りたイザークがの傍にやってきた。

「何だ?喧嘩でもしたのか?」

「...記憶にないなぁ」

は首を傾げた。流石のもノルンの行動の理由が思い浮かばない。

何より、ヴィンセントは嫌がっているのだから離してあげれば良いのに...

ヴィンセントを車に乗せてそのままシンをせかして車を出させた。

「あの、じゃあ。オレたち先に出ますね」

シンがそう声を掛けてそのままジュール邸を後にした。

とイザークは顔を見合わせた。

「私たちも、行こっか?」

「そうだな」とイザークは頷き、助手席のドアを開ける。

「ありがとう」と声を掛けては助手席に座った。

家の者たちに声を掛けてイザークは車に乗り込み、アクセルを踏んだ。









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桜風
09.9.7


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