Like a fairy tale 40





「地球軍の第8艦隊と例の艦が合流したらしいぞ」

がホーキンス隊の旗艦から離れるとき、ホーキンスから聞いた。

「ホーキンス隊のご配慮に感謝します」

そう言っては出撃していった。



クルーゼ隊と地球軍艦隊との戦闘は始まっていた。

戦闘員の数が多いが、アスランたちに次々に墜とされる地球軍艦の数は順調に減っていく。

しかし、降下し始めたアークエンジェルの援護防衛戦に移行した地球軍の徹底抗戦に対しては中々戦果を上げられず、その間にも着々とアークエンジェルは地球へと向かっている。

そんな中、ガモフが前に出て艦隊との交戦を始めた。

「ガモフ、出すぎだぞ!何をしている、ゼルマン!!」

ヴェサリウスの艦長、アデスが通信する。

通信状態は良好ではないが、ゼルマンからの応答がある。

此処まで追い詰めたのにみすみすアークエンジェルを逃すわけにはいかない。元はといえば、自分たちがしとめられなかったその責任だと。

ニコルがガモフの異変に気付き、アスランに声を掛ける。

2機が向かうが、今からでは到底間に合うはずがない。

クルーゼがニコルとアスランは呼び戻すように命令した。今から行っても何も出来ない、と。

「艦長!」

ヴェサリウスのオペレーターが声を掛ける。

「何だ!」

「6時の方向に熱源反応あり。...友軍、ZGMF-X00A、ノルンです!」

その報告にクルーゼは口の端を上げた。

各機のコックピットにも同じく新しい熱源反応がある。

機影と所属コードでノルンだと分かる。

!」

ニコルが声を掛けた。

「お待たせ!」

そのMSのスピードは自分たちの手にした地球軍の最新鋭の機体の遙か上をいっている。

白銀色のの機体は、光のようにそのまままっすぐに最前線へと向って行った。

はそのままガモフへ攻撃目標を定めたメビウス・ゼロのガンパレルを撃ち落とし、ガモフと交戦中の艦隊を沈黙させた。

「おせーぞ!」

ディアッカの言葉に、

「いやぁ。途中まで送ってもらえたんだけどさー。ちょっと距離があって...というか、ノルンのデビューでしょ?目立った方がいいかなと思って」

は軽い調子で返し、そのまま最寄のモビルアーマーを沈黙させていく。

そして、ガモフの援護をしながら地球軍の旗艦へと銃口を向ける。

「ゼルマン艦長、援護します。少し下がってください。地球の重力に捕まりますよ」

「待て、

艦長から通信が入るが気にせずにはそのままソードを抜き、旗艦に向かって翔けた。

ガモフは、後退こそしなかったものの、前進をやめた。

そこは地球の重力に逆らえるギリギリの境界線だ。



「...シルバーレイ?!まさか!」

地球軍旗艦、そして、アークエンジェルの中で士官たちがざわりと呟く。

「シルバーレイ?」

アークエンジェル内の下士官が誰にともなく聞いた。

「死神だ...」

絞るような声で返事がある。

「シルバーレイ。見ての通り、銀色のMSよ。そのスピードは光の如き速さで、その光を見た地球軍艦隊は必ず沈黙させられていたわ。10年以上前からその姿を見せていなかったらしいけど、まさか、まだ現役で、しかもここに来るなんて...」

絶望に近いそんな応えがあり、皆は息を飲んだ。

「くっそー!」

同じくシルバーレイを知っているメビウス・ゼロのパイロット、ムウ・ラ・フラガがに向っていく。



メビウス・ゼロが迫ってきた。

はそれから発せられた銃撃をかわす。

そこへまだ残っているガンパレルからの攻撃があったが、銃を抜いて撃ち落し、旗艦へと向って行った。

着艦してソードでメインエンジンを破壊し、サブエンジンも数個破壊して離脱した。

が離れた所にガモフからの砲撃があり、また、半壊した状態の艦となっていたため、大気圏に突入した衝撃で艦が爆発し、跡形も無くなっていく。

はそのまま、地球の重力から何とか逃れられる所まで昇ったが、ふと下を見るとディアッカが地球の重力に捕まってしまったようだ。

「えー...」

呆れたように呟き、もう一方、地球軍のMS、ストライクというらしいが、それと交戦中のイザークを見た。

これもまたもう戻れない状態になっている。

その上、彼はあのMSと戦う事しか頭に無い様で周囲の状況を把握していないように見受けられる。

がこの場に居る事さえ、多分気付いていない。

は深い溜息を吐いた。

「隊長」

がヴェサリウスに通信を入れる。

「何だ、

「あのー、復帰して早々に申し訳ないのですが。あのおバカたち、失礼。イザークとディアッカだけが地球に降下するのが心許ないので、一緒に降りたいと思っております。許可いただけますか?」

!?」

の通信にニコルが声をあげ

「何を言ってるんだ!」

とアスランも止める。

「出来るのかね、その機体は」

「一応、保険としてそのプログラムも組み込みました。装甲もそのように出来ています。ただ、試した事がないので保証はできませんが...」

の返事にクルーゼは喉の奥で笑う。

「そうだな。足付きは地球に降りたことだし、そのまま追撃に向ってくれるか。我々もそんなに時間をおかずに地球に降りることにはなると思う」

「了解しました。このまま降りればジブラルタル付近だと思われますので、基地に着いたらまた通信を入れます」

「すまないな」

そう言って2人の通信は切れた。

「聞いた、おバカその1」

「どっちだよ」

と返事をしたのはディアッカだ。

イザークは、聞こえているが返事をする気がない。

ストライクとの決着が着けられなかった。そのことが頭から離れない。

「こら、おかっぱ。返事なさい!まったく、もっと冷静に物事を判断しなさいよね。さっきの通信聞いたでしょ。ジブラルタル目指すよ。生きて降りられれば、の話だけどね」

は降下体勢を保つ。

ディアッカ、イザークも同じく降下するための体勢を取った。









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桜風
08.3.17


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