Like a fairy tale 41





3機とも無事に地球に降下した。

「なー、何にもないな」

ディアッカの言葉には溜息をつく。先ほどの地球への単独降下は流石に堪えた。

コックピット内の温度上昇が思いのほか激しかった。

正直、もう休みたい...

「砂漠、ってやつね」

周辺の地図を出してみたが、何とも分かりづらい。

「イザーク、生きてる?」

が通信を入れると

「うるさい!」

と元気な返事がある。

「傷は、開いてないね?」

「黙れ!」

「...元気だってよ」

呆れたようにディアッカがいい、も「そのようね」と返した。

ジブラルタルとの交信を試みた。反応がある。

ヴェサリウスが国防委員会に連絡を入れていたようで、駐留許可も下りた。



向こうの指示で何とか基地についてMSを下りる。

整備班が新しく宇宙から降りてきた機体を物珍しそうに見上げていた。

「地上戦用に整備をしても?」

責任者らしき人物が声を掛けてくる。

3機とも機体の装甲の一部はは大気圏突破の際の熱で溶けている。修理や換装をして、さらにOSを書き換えなくてはならない。

「あー、頼むわ」

とディアッカ。

イザークは何も言わずに不機嫌面を浮かべていたので「イザークは?」とディアッカが聞き、「好きにしろ!」と返す。

「すみません、私の機体のOSはあとで調整します。一応、マニュアルを貸していただけますか?」

の言葉に整備班は不愉快そうな表情を浮かべた。

が、

「ああ、話は聞いています。というか、一部のメカニックの間で噂になってますしね。どうせ私たちには手に余る代物ですから。こちらに関しては、そうさせていただけるとありがたい」

と責任者が言う。

それに対して抗議の視線を向ける部下に

「この機体は、彼女以外を受け付けないんだ。機体の清掃と、装備のチェック、燃料の補充くらいなんだよ、オレたちに出来るのは」

と話す。

は頭を下げて礼をいい、管制室の場所を尋ねて向かった。



ヴェサリウスに向けて通信を開く。

3人ともジブラルタルについた報告をした。

先に、基地の方からクルーゼに報告は言っていたようだ。

「3人とも、無事にジブラルタルについたと聞き、安堵している。先の戦闘ではご苦労だったな」

クルーゼの言葉にディアッカが皮肉っぽく笑う。

「死にそーになりましたけど」

自業自得です、と思いながらは静かに通信モニタに目を向けたままだ。

「残念ながら、足付きとストライクをしとめることは出来なかったが、君たちが不本意とはいえ、ともに降りたのは幸いかもしれん。足付きは、今後地球駐留部隊の標的になるかもしれないな。君たちが地球に降りるときに言ったと思うが、暫くの間ジブラルタルに留まり、共にやつらを追ってくれ。無論、機会があったら撃ってくれて構わんよ」

口角を上げてそう言ったクルーゼは通信を終わらせた。

「空には戻ってくるなって事?」

投げやりにディアッカが言って振り返る。

「オレたちに、駐留軍と一緒に足付き探して地べたを這いずり回れって言うのかよ」

イザークは何も言わずにディアッカを睨んだ。

気が立っているディアッカもそれを不快に思い、睨み返す。

そんな様子をは溜息を吐きながら見守っていた。

イザークは徐に、頭に巻いている包帯を解いた。

その包帯の下からは生々しい傷跡が現れる。

ディアッカは驚き、呆然とイザークの表情を眺めた。イザークの憎しみに染めたその瞳が暗く光る。

「機会があれば、だと?」

「...イザーク」

が咎めるようにイザークの名前を呼ぶがそれに反応は示さない。

「討ってやるさ、次こそ必ず。この、俺がな!」

は溜息を吐いた。

前以上に周りが見えなくなってしまったようだ。

「死なない程度にしなさいよ」

が呟くと

「死ぬだと?ナチュラルなんかにこの俺がやられるとでもいうのか、貴様は!」

「何があるか分からないでしょう?勝手に突っ込んで返り討ちされて死んだら『お馬鹿さん』じゃ済まないんだからね」

「なっ、んだとー!」

の胸倉を掴むイザークの腕をディアッカが掴む。

「やめろって、2人とも。も、らしくないぞ」

イザークが乱暴にから手を離し、はディアッカを見てごめんと呟き、管制室を後にした。









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桜風
08.3.17


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