| アークエンジェルが動きを見せ、レセップスもそこへと向かう。 折角つなぎを借りたのに借りて殆ど使えなかった。 残念に思いながらも、いつでも出撃できるようにパイロットスーツに着替えてコックピットで待機していると下の方からイザークの相変わらずヒステリックな声が聞こえて覗き込む。 パイロットスーツに着替えたバルトフェルドとアイシャに何か訴えている。 「隊長、出るんだ...」 はぼんやり呟きながら先ほども気になっていた隊長機、ラゴゥの足元にいるバルドフェルドたちを見た。 どうやら、イザークは自分の配置場所が気に入らないらしい。 レセップス艦上。 イザークやディアッカの機体の特性から考えて妥当な線だと思う。 は首を傾げた。 不意に、バルトフェルドが見上げてきて目が合う。 「ただし、ノルンは出撃だ」 その言葉にイザークまたしても噛み付き、ディアッカが宥める。 「何故、が前線に!?」 まだ納得していないらしい。 「そりゃ。うちの子、大気圏でも飛べるしスピードあるもん」 コックピットからイザークに向かって言うとキッと睨まれた。 「作戦についてだが...」 バルトフェルドがいい、は「降りたほうが良いですか?」と聞く。 「いいや。一言だけ。後方支援に回ってくれ」 「了解しました」 は敬礼をしてコックピットに戻りハッチを閉める。 イザークたちは大人しく引き下がったように見せているが、どうせ混戦になったごろを見計らって出てくるに決まっている。 だから、きっと自分はイザークたちの支援に回ってしまうんだろうな、などと思っていた。 隊長機が出たのに続き、も出撃する。 「ノルン、発進どうぞ」 「・。ノルン、出ます!」 はすぐに上空へと飛んだ。 まずビームライフルを撃つ。 やはり照準からずれて着弾した。 そのデータを元に熱対流のパラメータを修復してまた撃つ。 少し首を傾げつつも「こんなもんかな」と呟き、砂漠に着地してみる。 「おお?!」 意外と難しい。 接地圧を補正して再び上空へと戻った。 遠方のレジスタンスの足止めとばかりに砲撃を加える。 取り敢えず、彼らへの直撃は避けてみた。 ふと振り返るとアークエンジェルが動けなくなっていて、集中砲撃を受けている。 戻ろうかと思ったが、あれだけの戦力を向けているのだから、と思い上空の支援機、スカイグラスパーの方へと向かった。 大きな爆発がしたかと思うと、石油タンクを誰かが撃ったらしい。 「...ディアッカ」 呆れたように唸るようには呟いた。 熱対流のパラメータを組み込まずにあのバスターのビーム砲を撃ったのだろう。 狙いが外れて当たり前だ。 よく見るとレセップスの艦上にデュエルの姿が居ない。 デュエルは砂漠に足をとられていた。 全く以って間抜けな動きだ。 は溜息を吐く。 スカイグラスパーへの攻撃をやめてデュエルの元へと向かった。 フェイズシフト装甲でも、レジスタンスの持つ火器を全部浴びれば、それなりに損害が出る。 通常ミサイルでも76発受ければフェイスシフトはダウンする。ザフトでそんなデータを出していたことを思い出す。 またコックピットが爆発して顔を怪我したら、新たな傷を残しかねない。 「エザリア様に申し訳が立たないというものだ」 はイザークの足元でうろちょろしているレジスタンスの動きを止めるべくミサイルを発射した。 「イザーク動かないでよ」 発射した後、そんなことを言うと 「そう言うことは早く言え!」 と返された。 レセップスへの攻撃があり、よく見てみるとディアッカの姿がない。 「ディアッカ、生きてる?」 「あったりまえだろ」 通信を入れると返事がある。 少し離れたところで爆発が起きた。 は直感でそれがバルトフェルドたちだと思った。 暫くして、あの副官から通信が入った。 レセップスを放棄してバナディーヤに向かい、ジブラルタルと連絡を取るとのことらしい。 「バルトフェルド隊長は...?」 の問いに沈黙を持って返す副官には何も言わず、「了解しました」と返して通信を切る。 少ししか話をしなかったが、イヤな人ではなかった。 ちょっと、面白がりの困った性格だと思う。あの、アイシャも。だけど、嫌いではなかった。 まあ、イザークたちは彼らのことは『嫌い』だったかもしれないけど。 「イザーク、ディアッカ。今、接地圧のデータ送るから自分で調整して。砂漠の真ん中を面白く歩かれてもちょっと恥ずかしいし」 の言葉にイザークはやっぱり怒鳴って、ディアッカは「はいはい」と適当に返してきた。 爆発のあった箇所を振り返る。 は敬礼を送った。 「、置いていくぞ」 イザークの通信が入って深く息を吐く。 「接地圧の調整が終わった途端その大きな態度ですか。はいはい」 またイザークは怒ったけど、は気にせず、そのままバルトフェルド隊を護衛しながらバナディーヤへと向かった。 |
桜風
08.3.28
ブラウザを閉じてお戻りください